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自動車を運転していると、対向車のトラック等が跳ね上げた石が飛んで来て、愛車のフロントガラスに衝突してしまう事が有りますよね。
このような飛び石によってフロントガラスが壊れた場合、車両保険で補償されるのでしょうか?結論から言うと、飛び石でフロントガラスが破損した場合には車両保険で補償されます。その理由やその他知っておいて欲しい事項を以下説明していきます。
飛び石でフロントガラスが損傷した場合の車両保険の補償について
車両保険の支払い対象となる事故の1つに「飛来中又は落下中の他物との衝突」が有ります。
飛び石とは、まさに飛んでいる石ですので自動車保険の用語で言うと「飛来中又は落下中の物」に該当します。飛び石に限らず、他の物が風や他の車両によって空中に巻き上げられた場合も「飛来中又は落下中の物」に該当します。
つまり、飛び石でフロントガラスが壊れた場合「飛来中又は落下中の他物との衝突」に該当するので、車両保険の補償対象になるのです。
空中を飛んでいる状態が「飛来中又は落下中の物」となるので、巻き上げられた物が、路上に落ちている場合は、後で説明する「落下物」となります。
で、飛び石などによるフロントガラスの損傷の補償については、車両保険のタイプ(一般タイプ・エコノミータイプ)に限らず補償されます。
等級について
飛び石で壊れたフロントガラス(窓ガラス)の修理に車両保険を利用すると1等級ダウン事故として扱われます。
例えば、10等級の人が飛び石によってフロントガラスが損傷して、車両保険を使用して修理すると、翌年の等級は9等級となります。
【参考】路上に有る落下物との事故
「飛び石」や「落下物」は一括りに表現されたりしますが、車両保険の補償範囲を考える上では、場合分けをして考えなければなりません。
飛び石はさきほど紹介したように「飛来中又は落下中の物」に該当します。
一方、落下物とは「路上に転がっている誰かが落とした物や落石」などの事を言います(落下して一定時間が経過していると考えるのが一般的です)。これらは「飛来中又は落下中の物」には含まれません。
では、「落下物」つまり「路上の落下物」に衝突してしまった場合の事故はどういう定義付けがされるのか?と言うと、これは単なる「自損事故」と定義されます。
落下物でも、衝突直前に地上に落下し回避不能な場合も有ります。このような場合に、それが「単なる落下物」に該当するのか「飛来中又は落下中の物」に該当するのかは各保険会社の判断に委ねられますが、争いが起こりやすい部分です。
下記のような事例も有るので参考にどうぞ。
飛来中・落下中の物の定義-飛び跳ねたタイヤは該当しない?保険会社の凄い屁理屈
路上の落下物との事故は一般型の車両保険でしか補償されない
路上の落下物による損傷は、自損事故として扱われるので「一般型の車両保険」では補償されますが「エコノミー型の車両保険」では補償されません。
なお、落下物の持ち主が見つかれば、持ち主に対して損害賠償を求める事が出来ます。
等級について
路上の落下物による損傷は、自損事故扱いになるので3等級ダウン事故となります(一般タイプの車両保険を付帯していれば)。
FP(専門家)からのコメント
中村 傑 (Suguru Nakamura)
大垣共立銀行を退職後、東京海上日動火災保険に代理店研修生として入社。研修期間を経て、2015年に独立開業。2020年に株式会社として法人成り、現在に至る。家業が自動車販売業であり事業承継者でもある。車と保険の両方の業務を兼務しており、専門領域が広い事が強み。
コメント
当社で自動車保険をご契約頂くお客様で「先進安全装置」が搭載されている車にお乗りのお客様に関しては、車両保険のご提案をお勧めしています。理由としては、フロントガラスにカメラが取付けされている車両のガラス交換費用は高額になるケースが多い為です。
例えば、先進安全装置が搭載されていない古い軽自動車のガラス交換は10万円未満で済む事が多いですが、カメラ搭載車両のガラス交換は軽自動車であっても10万円台後半となる事が多く、一部車種では20~30万円になると聞いた事もあります。
カメラ搭載車両のガラス交換は、「エーミング」というディーラーでの作業が必須であり、カメラ1つにつき1万円程度の費用が発生します。
10万円未満であれば何とか自己負担出来る範囲内ですが、10万円台後半となるとかなり手痛い出費です。車両保険でこれらのリスクに備えるのが良いと思います。
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