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自動車保険は、殆どが1年契約なので、満期が近づいて来ると契約を更新するかどうかを考えなければなりません。そして、各保険会社は契約してくれたお客さんを失わない様に、アレコレと保険料の割引などの策を練っています。
また、他の保険会社にとっても契約更新時は他社で契約している方を引き込むチャンスなので、新規契約者に対する魅力的な割引制度を色々と用意しています。
ここでは、数有る保険会社の中からソニー損保をピックアップし、「ソニー損保の継続割引」について徹底的に解説をしていきます。
中でもインターネット割引は2年目以降の保険料に大きな影響を与えるので注意が必要ですよ!
ソニー損保で継続すると2年目の保険料は高い!?考えられる理由とは?
ソニー損保で契約を継続した方が、「2年目の保険料が高くなった」と言っているのをたまに耳にします。
事故に遭った訳でもなく契約内容を変更した訳でもないのに、なぜ保険料が上がったのでしょうか?
これには、以下の様な原因が考えられます。
- 契約している車両の形式別料率クラスが見直された
- 記名被保険者の年齢が上がった
- 保険料が改定された
- 割引が受けられなくなった
以下で1つずつ内容を見ていきましょう。
契約している車両の形式別料率クラスが見直された
自家用普通乗用車や自家用小型乗用車は、型式(車種)毎の事故実績によって保険料区分(料率クラス)が決められており、料率クラスが高いと保険料も高くなります。
従って、2年目の保険料が上がった場合、契約している車の料率クラスが上がった可能性有りです。
但し、この料率クラスは損害保険料率算出機構が年に1回見直しているもので、ソニー損保が決めている訳では有りません。従って、「ソニー損保で継続をしたから保険料が上がった」という事にはならないですね。
【車両料率クラスとは?】自家用普通乗用車等は車種によって保険料が違います。
記名被保険者の年齢が上がった
自動車保険の保険料は、記名被保険者(主に使用する人)の年齢によって変わります。
一般的に、年齢が低いと運転技術が未熟で事故に遭遇する可能性が高いと判断されるので、保険料は高いです。
一方で、年齢が高いと運転技術が高く事故に遭遇する可能性が低いと考えられるので、保険料も安くなります。
年齢条件を「年齢を問わず補償」にしていれば、何歳になっても保険料は変わらない(その代わり高いです)です。しかし、「21歳以上補償」「26歳以上補償」「30歳以上補償」を選択している場合は、被保険者の年齢によっては翌年の保険料が上がる事になります。
参考:同じ区分でも年齢によって保険料は変わります(例:35歳の方と60歳の方では保険料が違います。)
これらはソニー損保に限った話ではなく、他社で契約をしていた場合でも基本的には同じ様な扱いとなります。従って、必ずしも「ソニー損保で継続をしたから高くなった」という訳ではないのです。
保険料が改定された
自動車保険の保険料は、事故率や保険金の支払実績に応じて頻繁に改定されます。従って、去年と全く同じ内容だったとしても保険料が増減している事はよく有りますね。
また、保険料は各社が「独自の基準」で決定しているので、同じ条件だったとしても保険料は他社で契約した場合と異なります。
しかし、ソニー損保については元々保険料が業界の中でも安い方ですし、基本的に保険料の改定は業界全体で足並みを揃えて実施される事が多いです。従って、保険料の改定が行われた場合も「ソニー損保だから保険料が上がった」とは言い切れません。
割引が受けられなくなった
自動車保険には、後述する様に様々な保険料の割引制度が有ります。そして、保険料の割引を受けるには所定の条件を満たす事が必要です。
例えば、1年目は「ゴールド免許」だったけど、過去の違反により継続手続きをする時点で免許証がブルーだった場合、2年目はゴールド免許割引を受ける事が出来ないので保険料は高くなります。
他にも「新車割引」の適用期間が終わった場合などにも、翌年の保険料は上がります。保険料の割引制度については各社で異なりますし、適用条件を満たさなくなった事により割引は受けられなくなります。
従って、一概にソニー損保だから保険料が上がったとは言い切れないですが、他社で適用出来る割引制度がある様な場合、保険料に差が出る可能性は有ります。
なお、後述する「インターネット割引」については特に各社での割引額に差が有り、「ソニー損保で継続した為に他社よりも割引額が下がった」というケースが有り得ます。
ソニー損保で自動車保険を継続した際の特典
ソニー損保では、一定の条件を満たした方の保険料を割引する制度をたくさん用意しています。参考に、ソニー損保で受けられる主な保険料の割引制度は以下の通りです。
- インターネット割引
- 無事故割引
- 運転者限定割引
- くりこし割引
- ゴールド免許割引
- 新車割引
- 継続割引
- ASV割引(自動ブレーキ割引)
- 電気自動車割引
- 証券ペーパレス割引
- セカンドカー割引
- マイページ新規申込割引
- 継続時複数契約割引
そして、上記の中で「契約を継続すれば受ける事が出来る割引制度」は、以下の4つです。
- インターネット割引
- くりこし割引
- 継続割引
- 継続時複数契約割引
これらの割引制度の内容を1つずつ見ていきましょう。
インターネット割引~落とし穴に要注意
ソニー損保では、インターネットを通じて(パソコンやスマホから)保険を申し込む事で、初回にインターネット割引として10,000円の割引を受ける事が可能です。
そして、契約を継続する際に再度インターネットを通じて手続きをすれば、初回継続の場合は8,000円のインターネット割引が適用されます。
但し、このインターネット割引には注意点が有ります。2年目以降のインターネット割引が8,000円となるのは、初年度の契約をインターネット経由でした場合のみなのです!
1年目の契約を電話やFAXでした場合、初年度はもちろんインターネット割引を受ける事は出来ないですし、2年目以降のインターネット割引は4,000円となります。
つまり、初年度の契約方法次第で、2年目のインターネット割引額が影響を受けてしまうのです。
ソニー損保では、1年目は満額のインターネット割引を受けられたのに、2年目以降は8,000円まで一気に落ちてしまい「等級が上がったのに全体の保険料は上がってしまう」という事例がよく発生していました。
継続割引の金額も改定され、2024年1月1日以降の契約と2023年12月31日以前の契約により、割引の金額も変わってくるので、チェックしておきましょう!
■保険始期日が2024年1月1日以降の場合
新規契約 (契約1年目) |
継続契約 | |
---|---|---|
初回継続(2年目) | 3年目以降 | |
12,000円 | 8,000円(※) | 4,000円 |
※ 新規契約でインターネット割引が適用されていない場合、初回継続から4,000円割引となります。
■保険始期日が2023年12月31日以前の場合
新規契約 (契約1年目) |
継続契約 | |
---|---|---|
初回継続(2年目) | 3年目以降 | |
10,000円 | 5,000円(※) | 2,000円 |
※ 新規契約でインターネット割引が適用されていない場合、初回継続から2,000円割引となります。
引用:ソニー損保ホームページ
中には契約当時ネット環境が無くて仕方無く電話等で契約をした方もいるでしょうから、そういう方からすると不公平感の残る割引制度ですね。
くりこし割引
ソニー損保のウリ文句は「保険料は走る分だけ!」です。これを体現するのが「くりこし割引」です。
保険期間中に走った距離(※)が、契約距離区分の上限に設定したキロ数より1,000km以上少ない場合、差額の保険料を翌年の保険料から割り引いてもらう事が出来ます。
※:保険始期日からの走行距離。申込時点のメーターと始期日のメーターは異なりますが、保険始期日からカウントされます。保険申込日から保険始期日までの走行距離は「契約距離区分の上限値×申込非から保険始期日までの日数÷365日」で算出し、申込時点のメーター数値に加算。
ソニー損保の「くりこし割引」で保険料はどれだけ安くなる?適用条件も紹介
継続割引
継続割引は、ソニー損保で自動車保険の契約を継続した際に、継続した回数に応じて一定の保険料が割り引かれるというものです。継続割引によって割り引かれる保険料は、以下の通り。
継続(更新)回数 | 保険料の割引率 |
---|---|
1回目 | 1% |
2回目 | 1.5% |
3回目以降 | 2% |
たとえ元々の保険料が10万円でも、継続割引による割引額は最大で2,000円にしかなりませんので、インターネット割引と比べるとインパクト薄いです。
継続時複数契約割引
自動車保険の継続手続きをする際に、ソニー損保で契約している他の自動車保険(要は2台車を持っていて、いずれもソニー損保で契約している場合)や医療保険が有る場合に、継続時の保険料を1,000円割り引いてもらえます。
但し、割引を受けるには以下の条件を満たす事が必要です。
- ①:ソニー損保が「継続に関するご案内」のデータを作る時点で、既に自動車保険か医療保険の有効な契約がある
- ②:継続する自動車保険の契約者が①の契約者と同じ
注:保険料の支払回数によっては、割引額が1,000円丁度にならないケースも有ります。
ソニー損保で継続手続きをする方法
以下では、ソニー損保で自動車保険を更新する方法や、手続き時の注意点などについて見ていきましょう。
ソニー損保の継続手続きはいつから出来る?
ソニー損保で自動車保険の契約を更新する場合、満期日の60日前から手続きをする事が出来ます。
手続きを忘れそうな方も心配する必要は有りません。満期日の約65日前になると郵送で案内が送られて来ますし、満期日の60日前になると以下の様なメールが登録しているアドレスに送られて来ます。
注:実際はもう少し下まで文章が有りますが、長いので一部省略しています。
ちなみに、満期の案内が到着する前に継続の手続きをしようとすると、以下の様な表示がされます。
なお、契約者の住所や電話番号・メールアドレスが変わった場合は、継続手続きをする前に連絡先の変更をしておく必要があります。
変更手続きをしておかないと、継続手続きが円滑に進まない可能性が有ります。手続きはネット上で完結するので、書面でのやりとりや電話は不要です。
簡単に出来ますので早めにやっておきましょう。
マイページにログインして、諸条件の入力
継続手続きをするには、マイページにログインする必要が有ります。前もってログインIDとパスワード(※)を用意しておきましょう。
※:ログインIDとパスワードは「契約成立時の書類」「保険金請求時の書類」「満期のご案内」に記載されています。但し、初期パスワードを変更した場合は書面に記載されていません。なお、パスワードが無くても証券番号と氏名・生年月日が分かればログインは出来ます。
また、継続手続き時には以下の情報が必要となります。
- 契約車両の走行距離(オドメータの数値)
- 記名被保険者の運転免許証(色が分かればOK)
- 連絡可能なEメールアドレス
ログインしたら、画面に従って必要な情報を入力していきます。親切な説明がされているので、途中で悩む事は基本的に無いでしょう。
継続した場合の保険料の見積りをチェック!
必要な情報を入力すると、現在と同じ条件で契約を継続した場合の保険料と、現在よりも補償を厚くしたプランの保険料が表示されます。
自分にとってどのプランが最良かを考えて、適宜補償内容を変更して決める様にしましょう。
支払方法を決めて継続手続き完了!保険証券(継続証)は届かないケースも有り!
必要な補償内容が決まり、支払方法も決まれば継続手続きは完了です。手続きが完了すると、以下の様なメールが送られて来ます。
保険証券(継続証)については、保険料の支払が完了した1週間くらい後で郵送されてきます。
但し、メールに有る様に「証券ペーパーレス割引」を選択している方は、保険証券(継続証)は届きません。その代わりに「保険契約引受のお知らせ」がハガキで届きます。
継続証は保険証券の代わりになるものなので重要ですが、証券ペーパーレス割引を選択した方は、ネット上で契約内容を見る事が出来ます。
従って、届いたハガキや手続き完了のメールが無くなったとしても特に問題は有りません。
走行距離区分の変更が必要な場合も有る!
上で「くりこし割引」について紹介しましたが、逆に1年間の走行距離が予想年間走行距離(契約距離区分)を上回る事も有ります。
そういうときの為に、基本的にソニー損保では『こえても安心サービス』というものが無料かつ自動で付きます。
『こえても安心サービス』が付いていれば、契約距離区分の上限を越えても、わざわざソニー損保に連絡する必要は無く、追加の保険料も発生しません。
しかし、以下の方はこえても安心サービスが付かないので、契約距離区分の変更が必要となります。
- 前年は他の保険会社で契約をしていた。
- 使用目的の欄を「主に業務用」にした。
- 前年に走った距離よりも短い契約距離区分を選んだ。
契約距離区分を変更した結果、保険料を追加で支払わなければならなくなる可能性も有ります。
契約距離区分を超える事が判明したら、速やかにソニー損保に連絡をしなければならないのですが、これをきちんとしている方は殆どいないでしょうね・・・。
しかし、それでも問題は有りません。
契約の更新手続きをすれば、その時点での走行距離を報告する事になるので、『契約距離区分を超えている場合』はソニー損保から以下の様な連絡が有ると思われます(満期までまだ日にちが有る場合)。
メールに従って、電話連絡をすれば手続きを進めてくれます。なお、場合によっては保険料の精算が不要なケースも有る様なので、とにもかくにも一度電話をしてみましょう。
契約距離区分を越えていた事に気付いていなかったとしても、補償が効かなくなる訳ではないので心配は要りません。
継続手続きを忘れて期限切れとなっても大丈夫!自動継続の特約有り!
自動車保険の満期が近づいて来たら、郵送やメールで満期の案内が届きます。しかし、それでも継続手続きを忘れてしまう方もいるでしょう。
継続手続きを忘れた場合でも心配有りません。
ソニー損保では、手続きを忘れた人の為に『自動継続の特約』がセットされており、満期日から1ヶ月以内に手続きをすれば、満期日に遡って契約の継続をする事が出来ますし、等級の引き継ぎも可能です。
なお、満期日を過ぎた場合、満期日から20日以内であればホームページか電話で手続きが出来ますが、20日を越えた場合は電話でしか手続きが出来ません。
電話でしか手続きが出来ないという事は、インターネット割引を受ける事も出来ないので注意が必要です。
出典:ソニー損保公式ホームページ(自動車保険契約の継続手続きについて)
最後に〜契約を継続しない事も視野に〜
いかがでしたか?
ソニー損保には、契約を継続した際のお得な保険料割引制度が色々有ります。但し、中でもインターネット割引は割引額が大きいですし、当初の手続き方法によって割引額が変わって来るので継続時には注意が必要です。
なお、ここではソニー損保の継続割引に限定して掘り下げていきましたが、保険契約を継続する事が必ずしも最善の策とは限りません。冒頭で触れた様に、他社も何とか契約者を獲得しようと新規契約者に対する割引制度などを用意しています。
従って、満期の案内が来たからといって何も考えずに契約を更新するのではなく、他社の商品と比較して最もお得な『自動車保険』に加入するのがベストです。
ただ、自分のニーズ合った『自動車保険』を沢山の商品の中から、一つ一つ見ていき、分析していくのは、時間もかかり、大変労力のいる作業です。
そんな時に『自動車保険の一括見積り』を利用すれば、簡単に自動車保険を比較でき、自分のニーズにあった商品を絞ることができるので、時間の節約にもなり、おすすめです。是非試してみて下さい!
出典・参考:ソニー損保公式ホームページ
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