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あなたの自動車の維持費はどれくらいですか?
自動車保険料もここ数年は値上げ傾向に有り、また消費税の値上げで各種メンテナンスの値段・料金も上がりました。
「自動車の維持費がかなり家計を圧迫している!」と感じている人もいますよね。
そこで、自動車の維持費の節約のために、相場情報を知っていれば役立つのではないかと思い、相場情報を色々と調べてみました。
自動車の維持費には何がある?
”自動車の維持費”と言っても色々と有りますよね。
まず、何があるか見てみましょう。
- ガソリン代
- 任意保険
- 自賠責保険
- 車検代
- 税金(自動車税・自動車重量税)
- 駐車場代 等
上記以外にも、事故や故障などによる修理代や高速道路代なども維持費に含まれるでしょうか。
これだけ沢山の種類があるので、「どれから節約すれば良いのか分からない・・・」という人も多いはずです。
そんな人の為に、以下で自動車維持費の種類毎に相場を紹介するので、あなたが払っている金額と比べて高いか低いか?をチェックしてみて下さい。
もし相場よりも多めに払っているなら、その維持費は節約の検討余地が有る部分と言えるでしょう。
維持費の相場
まず自動車維持費の全体の相場から見ていきますね。
以下の表は、ソニー損保が2016年9月にインターネットで車の維持費の調査を行った結果です(税金、ローン返済、有料道路通行料は除く)。
(出典:ソニー損保)
これによると、車の維持費の相場は月額13,600円、年間で約16万円となっています。
ちなみに、同様のアンケート調査は毎年行われており、2014年では月額15,800円(年間約19万円)、2015年では月額14,300円(年間約17万円)でした。
直近3年だけを見ると、車の維持費は安くなっている傾向にありますね。
では、車のボディタイプ別に見てみましょう。
結果は以下のようになります。
- 軽自動車・・・12,100円/月
- コンパクトカー・・・12,900円/月
- セダン・・・15,200円/月
- ミニバン・・・14,800円/月
- ステーションワゴン・・・17,700円/月
- SUV・クロカン・・・15,000円/月
ボディタイプ別で比較した結果、相場よりも払い過ぎている場合には、節約を検討した方が良いかもしれませんね。
注:先ほども書きましたが、この相場には税金、ローン返済、有料道路通行料の金額は含まれていません!!
ただし、維持費の種類によっては、金額が固定されていて節約出来ない物も有ります。
また、走行距離など乗車頻度によって変化する物も有ります。
そのため、全体の相場を見ただけでは、どの維持費を払い過ぎているのかを判断する事が出来ません。
という事で、1つ1つの維持費を細かくチェックしていきましょう。
ガソリン代
節約したい維持費NO.1のガソリン代です。
ガソリン代の相場は「ガソリン単価×給油量」で計算された金額の全ドライバーの平均値となりますが、この相場をチェックしても意味はありません。
というのも、「給油量」は各ドライバーの走行距離に比例するからです(燃費も影響しますが)。
つまり、1ヶ月に100kmしか走行しない人もいれば、2,000km走行する人もおり、人によって走行距離が違う中で平均値(相場)と比較しても支払額の多寡が分からないんです。
そのため、ガソリン代は相場だけでは節約の要否を判断しにくい維持費と言えます。
しかし、ガソリン単価の相場は意識しなければなりません。
出来るだけ安い単価で給油した方が、当然ガソリン代を節約出来ますからね。
たとえば、「リッターあたり3円」安く給油出来れば、給油量年間600L(50L/月)の人なら1,800円、年間給油量1,200L(100L/月)の人なら3,600円の節約が可能です。
なお、ガソリン単価の相場は「e燃費」のサイトを参考にして下さい。
全国平均単価や都道府県別の平均単価を調べる事が出来ます。
ガソリン単価を出来るだけ下げられるように努力しましょう。
任意保険
任意保険の保険料は「契約する人・車・内容」によって変わります。
そのため、任意保険の相場も一概には言えません。
が、前提条件を決めて見積もってみたところ、年間約7万円(車両保険有)となりました(車両保険無しの場合:約3万円/年)。
上記の金額は、18歳から70歳までの保険料合計を53年で割った金額です。
自動車保険が高いからと言って、保険に加入していない人も中にはいるかもしれません。
しかし、事故した時の事を考えると、その節約方法はあまりオススメ出来ません。
車両保険をエコノミータイプにしたり、免責金額を設定したりするなど、任意保険に加入しつつ保険料を節約する方法も有るので、万が一の事を考えて任意保険には加入しておきましょう。
自賠責保険
自家用乗用自動車と軽自動車で区分され、それぞれの自賠責保険料は固定されています。
そのため、自賠責保険の節約は考えなくても良いでしょう(そもそも強制加入保険ですし、節約したくても出来ません)。
■新車の場合
- 自家用乗用自動車・・・36,780円(37ヶ月分)
- 軽自動車・・・35,610円(37ヶ月分)
■車検1回目以降の場合
- 自家用乗用自動車・・・25,830円(24ヶ月分)
- 軽自動車・・・25,070円(24ヶ月分)
参考:自賠責保険料の37ヶ月とか25ヶ月は何のために有る?どんな時に使う?
駐車場代
自宅に駐車場が無い人は、月極駐車場を契約して、そこに車を駐車していますよね。
「月極の料金が高いなぁ」と困っている人も多いはずです。
この月極の駐車場代の相場は、住んでいる場所によって違います。
基本的には「都心部が高く、地方が安い」という傾向があります。
たとえば、東京都・神奈川県・栃木県の月極駐車場の相場は以下の通りです。
- 東京都・・・31,077円
- 神奈川県・・・16,716円
- 栃木県・・・5,708円
- 全国平均・・・8,288円
参考:全国津々浦々!各都道府県の月極駐車場料金の平均額はいくら?
一方、自宅に駐車場が有り、借りる必要が無い場合は節約の対象にはなりません。
ただし、駐車スペースが空いている、又は空いている時間が多い、という人は駐車場シェアサービス「あきっぱ」を利用すれば、そこから得たお金を他の維持費に回す事ができます。
是非検討してみてくださいね。
車検
新車の場合は、初度登録から3年後、それ以後は2年ごとに車検費用が必要になります。
車検に必要な費用は以下の通りです。
- 法定費用(車検手数料、自動車重量税、自賠責保険(前述))
- 代行業者又はディーラーへの車検代行手数料
- 点検・整備費用
点検・整備費用によって金額は変化しますが、約10万円(自賠責保険含む)が車検費用の相場となります。
税金
自動車にかかる税金と言えば、自動車税・自動車重量税ですよね。
自動車税は毎年4月、自動車重量税は車検の度に支払います。
このうち自動車税は、乗用車が排気量(0.5Lごと)で区分され、以下のような金額となります。
なお、軽自動車は10,800円です(乗用車かつ初度登録から13年以内の場合)。
区分(排気量) | 税額 |
---|---|
軽自動車 | 10,800円 |
1L以下 | 29,500円 |
1L超1.5L以下 | 34,500円 |
1.5L超2L以下 | 39,500円 |
2L超2.5L以下 | 45,000円 |
2.5L超3L以下 | 51,000円 |
3L超3.5L以下 | 58,000円 |
3.5L超4L以下 | 66,500円 |
自動車重量税に関しては⇒国土交通省(PDF)
自動車の税金は節約の対象にはなりませんが、エコカー減税対象車を購入すれば節約が可能です。
高速道路料金
高速道路料金は、利用すれば発生する金額であり、またその金額は利用区間によって異なります。
そのため、維持費の相場という概念は無いに等しいです。
しかし、高速道路を利用する人にとっては、立派な車の維持費となるので、節約していきたいところです。
高速道路料金の節約といえば、やはり「ETC」でしょう。
その割引制度を利用すれば、維持費を多少抑える事が出来ます。
また、「一般道の利用」も節約方法の1つですよね。
家を出発する時間を早くすれば、高速道路を使わずに済む場合もあります。
1回数百円の節約になるので、一般道の利用を増やせば、それなりの節約金額になるのではないでしょうか?
まとめ
「自動車の維持費の相場」という事で7種類の維持費について見てきましたが、あなたが支払っている金額と比較してみて何か違いは有りましたか?
「この維持費は多めに支払っているなぁ」と感じたのなら、その維持費の節約を積極的に行っていきましょう。
なお、今回紹介した7つの維持費のうち「ガソリン代」と「任意保険」は、今日からでも節約する事が可能です。
- ガソリン代・・・単価の安いガソリンスタンドを探してそこで給油する
- 任意保険・・・契約内容を見直して無駄を省く(満期が近い人は安い自動車保険を探す)
ガソリン代は年間数千円、任意保険は人によって年間数万円の節約になります。
車の維持費が高いなぁ、と感じているなら、まずこの2つから節約してみてはいかがでしょうか?
ファイナンシャル・プランナー(FP)からのコメント
山﨑 裕佳子(Yukako Yamazaki)
通関士として貿易会社に勤務の後、メーカー、銀行など様々な仕事を経験。2019年に2級FP技能士、AFP取得。その後、FP会社にて記事の執筆や監修を経験し、フリーランスとして独立。
FPからのコメント
自動車を維持するためにかかる費用は、車種によって異なります。一口に、維持費と言っても、節約可能なものと、そうでないものがありますよね。
固定費と変動費と2つに分けて考えると良いでしょう。
ガソリン代、任意保険、車検代、駐車場代は変動費として節約の余地がありますが、自賠責保険や税金は固定費なので、削ることはできません。
維持費の節約のために、変動費である、ガソリン代や駐車場代を見直すことはよいと思いますが、任意保険など安全にかかわる部分を安易に節約することはお勧めできません。
また、新たに自動車を購入するのであれば、あらかじめ維持費を勘案して車種を選ぶと、維持費の節約に貢献します。
電気自動車やハイブリッド車のように燃費が良い車であれば、ガソリン代が抑えられますし、エコカー減税などの対象車であれば、税金も安くなります。
総合的な視点で自分にあった節約方法を見つけられるといいですね。
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