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2014年にトヨタが水素を燃料とする、いわゆる燃料電池車(FCV)として「MIRAI」を発売し、2016年3月10
2021年現在は、環境車・燃料電池車も改良が進み、走行距離や燃費も良くなってきました。またエコカー普及を促すよう、インフラも少しずつ整ってきている状況です。
環境保護を重視しつつパワートレインの効率性も損なわない新型燃料として、水素が注目され始めて数年が経ちますが、電気自動車やガソリン車との燃料価格にはどれくらい差があるのでしょう。
また、燃料電池車は今後どのような方向へ進んで行こうとしているかなど、について見ていきましょう。
燃料価格の違いは?
燃料電池車の登場により、自動車でメインで使う燃料は「水素・電気・ガソリン」となります。
これらの燃料価格差はどれくらいあるのでしょう。
なお、ここでの計算結果は、前提条件として採用する車種や原料価格の変動等により結果が変わる可能性が有ることをご承知下さい。
水素自動車の場合
水素自動車に使う水素の販売価格については、JX日鉱日石エネルギーが1,000円/kg、岩谷産業が1,100円/kg、東邦ガスも1,100円/kgに設定(何れも税抜価格)しています。
ここでは『2020/12/09トヨタ自動車が発表した新型MIRAI』でみてみます。
また水素価格は、一番安いJX日鉱日石エネルギー「1,100円」で計算します。
新型MIRAIはタンク容量5.6kg。 残量警告灯点くと5kgくらい入って「5,500円(消費税抜き)」です。
満タンにするのに5,500円かかります。
新型MIRAIは
- グレードG
- グレードZ
- グレードZ“executive package
の3種類あります。
走行距離が一番良い『グレードG』 でみてみましょう!
新型MIRAIのグレードGは、水素搭載量を約20%拡大するとともに、燃費も約10%向上。さらに発電効率を高めたことなどにより、Gグレードで従来型比約30%増となる850kmの航続距離を実現した新型車です。
1km当たりの水素価格は5,500円÷850kmで求めることが出来、約6.5円となります。
他のグレードは、5,500円÷750 kmで『約7.3円』となります。
注:水素については、税金が含まれていないので今後税制による影響を受けることが考えられます。 そうすると、実際の販売価格が変更される可能性があるあくまでも目安と考えて下さい。
電気自動車の場合
ここでは、電気自動車として人気のある日産のリーフを例として見てみます。
リーフは、フル充電の状態で458kmの走行が可能とされています。
充電料金は、ガソリンスタンドや、ディーラーなどに設置されている急速充電器を利用する場合、金額はマチマチです。
会員であれば無料であったり、1回150円であったりと各社が各々の展開をしています。
それでは比較が難しいので、ここでは「電力料金目安単価」は「全国家庭電気製品公正取引協議会」が定めているもので計算してみましょう。
これは電化製品などのカタログに、目安として表示する電気代を計算するための基本の単価です。
現在は『1kWhあたり27円』です。
日産のリーフe+のバッテリー容量は62kWhで、完全にバッテリーが空の状態から満タンにすると1,674円です。
1,674円÷458㎞で『約3.7円』となっています。
現在、電力会社により電気料金に差が出てきますが、例えば、19.88円/kWh(2021年1月時点の東京電力の従量電灯B・C)を前提にすると、62kWh×19.88円=1,232.56円となります。
すると、1km当たりの電気代は、1,232.56円÷458km=『約2.69円』となります。
2021年現在は、様々な電気価格プランがあり、価格に左右されますので、数値は参考程度でご覧下さい。
ガソリンエンジン車の場合
標準的な車であるトヨタ自動車のカローラG-X“PLUS”(カタログ燃費14.6km/L)を例にとります。
資源エネルギー庁が発表しているガソリンの平均価格は2020年12月23日時点で135.4円なので、これを基準に考えてみます。
すると、1km走るのに必要なガソリンの金額は、129.1円÷14.6km/L=約9.3円となります。(参考:燃費の計算方法色々)
ただもっと燃費の良い車もあるので、数値は、あくまでも参考程度にご覧ください。
1km走るのに必要な燃料価格(まとめ)
- 水素自動車・・・1kmあたり約6.5円
- 電気自動車・・・1kmあたり約2.69円~3.7円
- ガソリン車・・・1kmあたり約9.3円
この様にしてみて見ると、1km走るのに必要な燃料代としては電気自動車が圧倒的に安いことになります。
ただ燃料価格は常に動いておりますので、数値はあくまでも参考程度でご覧ください。
新しく登場した燃料自動車に勝機があるのか気になるところですね。
国内外のエコカー普及の状況について
2014年に日本で発売されたトヨタのMIRAIも、改良され、燃費も走行距離も上がっています。
日本のエコカー施策では、ガソリン車との購入時の負担額の差を少なくするため、国や自治体は補助金の交付や税優遇制度等を設けています。
購入車両ごとに支給する補助金額を設けており、車両本体価格から国の補助金・自治体の補助金を差し引いた金額が購入負担額になります。
(出典:favcar.com)
世界各国では、環境面や経済面からも、エコカーの普及を重視しています。
しかし実際のところ、国や地域によって、エコカーに対する認識が多少異なっているようです。
例えばアメリカではテスラの電気自動車に限らず、バイオ燃料での開発も進めています。
また、ヨーロッパではクリーンディーゼルなどの高効率エンジンの開発に専念しています。
日本は、環境省が「自動車分野において目指す将来像(2050年)」をとりまとめるなど、日本ではこれから環境車・エコカーに関する市場は勢い良く加速してくると考えられます。
日本が環境車・燃料電池車で世界を牽引出来るか、それとも海外勢の電気自動車に圧倒されてしまうのか、注目しておきたいですね。
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