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車を購入するときには自賠責保険に加入しますが、ほとんどの方はその他に任意の自動車保険に加入しますね。
ただ、多くの保険会社が様々な自動車保険を提供しているので、どれがいいのか迷ってしまいます。
また、保険会社を決めても車両保険ありがいいのかなしがいいのか、特約はどうするか、保険料を安くするにはなどいろいろと悩みますね。
ここではそんな疑問にお答えします。
ダイハツのトールの購入を考えている方も参考にしてくださいね。
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自動車保険のタイプ~店舗型
自動車保険には店舗を構えた代理店型と店舗を持たない通販型(ダイレクト型)があります。代理店型は、顧客に対して保険勧誘や、申し込みや契約内容の変更、保険料の受け取り、トラブルが起きた時の初期相談対応などを行います。
顧客との面談での商品説明と勧誘が行えるのは「損害保険募集人資格」を持っている人だけなので、代理店型を選ぶと資格を持った人から詳細な説明を聞いたり、サポートを受けたりすることができます。
自動車保険がある代理店型の保険会社には損保ジャパン、三井住友海上、東京海上日動、あいおいニッセイ同和などがあります。
ダイハツのディーラーでトールを購入する場合にもこれらの保険会社を利用できます。
ディーラー各社では長らく代理店型の保険会社と結びついてきたので、ディーラーで自動車保険を申し込むと代理店型自動車保険を勧められるのがほとんどですね。トヨタのように、代理店型の保険とトヨタファイナンスを組み合わせて、ローンと保険料支払いをセットした商品を提供しているところもあります。
自動車保険のタイプ~通販型
通販型はダイレクト型とも呼ばれ、保険・損保会社が顧客と直接接触することないタイプです。
申し込みはWEBと電話で完了するので加入が簡単です。
また、数社を一括で見積もりできるサイトなどもあるので商品の比較や選択が簡単にできるようになっていますね。
対応がスピーディーで、契約後に変更手続きが必要になった場合でも、電話と郵送で簡単にできます。
1年契約で満期が来たら自動的に解約されるので、解約手続きの手間もありません。
オペレーターが電話で自動車保険申し込みの受付や解約などの手続き説明等を行いますが、これは「損害保険募集人資格」がなくても行える業務なので、「損害保険募集人資格」を持っていないスタッフが電話対応している場合もあります。
通販型の保険料が安い理由
また、通販型の自動車保険は保険料が安いのが特長ですね。
通販型にしても代理店型にしても保険料は「純保険料」と「付加保険料」から成っていますが、通販型の自動車保険の場合は「付加保険料」が少なくて済むのでその分保険料が安くなります。
「純保険料」は事故が起きた時に顧客に支払う原資となるものですが、「付加保険料」には保険会社の利潤、宣伝費、店舗維持費、人件費、保険会社から代理店に支払われる手数料が含まれています。
通販型の場合は宣伝費はかかりますが、店舗維持費や人件費などの運営費をかなり節約できます。
代理店に支払う手数料も生じません。
そのため、通販型では店舗型より保険料を安くすることができるんですね。
通販型の保険会社にはアクサダイレクト、チューリッヒ保険、ソニー損保、三井ダイレクト損保などがあります。
代理店型と通販型ならどちらがいい?
日本では代理店型に加入している方が多いですね。
やはり大企業なので安心感があるというのが大きな理由です。
契約時には細かな説明を受けることができますし、事故が発生した時にも契約者の立場に立って必要な情報を教えてくれます。
また、手続きを代行してくれるので自分でしなくて済むというメリットもあります。
満期が近づけば必ず連絡してくれるので、加入し忘れるということもありません。
一方、通販型は保険料が安いというのが最大のメリットですね。
また、通販型は不安だという方もいますが、一概に信頼性がないとも言えません。
なぜなら、通販型の会社も代理店型保険会社のグループ企業であることが多いからです。
代理店型で培われた経験とノウハウが受け継がれているので、経験不足で信用できないとは言えないんですね。
デメリットは契約時に細かな説明などを受けることができないので、契約内容に関しては自分でしっかりと調べて理解しておく必要があるという点です。
また、1年間で自動的に失効してしまうので、手続きを忘れていると加入し損ねることがあります。
それでは、店舗型と通販型のどちらを選べばいいかというと、自分に合った自動車保険はどれかを的確に判断できて、自己管理も問題ないというのであれば、保険料が安い通販型が向いていますね。
また、保険料は少し高くなっても、直にプロから説明を聞いて自分にぴったり合った自動車保険を探したいという場合は代理店型ということになります。
自動車保険の補償について
自動車保険の補償は、相手への保証と自分や搭乗者に対する補償で構成されています。
相手への補償には対人賠償保険と対物賠償保険があります。
自分や搭乗者のための補償は人身傷害保険、搭乗者傷害保険、無保険車障害保険、自損事故傷害保険、車両保険の各保険があります。
基本的にはどの自動車保険もこの7つで構成されていますが、これらの保険の他に各社によって異なる様々な特約、レッカー移動や簡単な修理などを含むロードサービスもあります。
自動車保険には様々な補償がありますが、一番お金をかけたほうがいい補償とさほどお金をかけなくてもいい補償があるのでそこを見極めて補償の優先順位を決める必要がありますね。
対人賠償保険と対物補償保険
最も重視したいのは対人賠償保険と対物補償保険です。
仮に自動車事故を起こして、複数の人を死亡させてしまい1人につき4,000万円の賠償をすることになった場合、3人なら1憶2,000万円になります。
また対物の場合も仮にトラックにぶつけてしまい、積み荷にも損傷を与えた場合には修理代だけでなく、積み荷の分も補償しなければなりません。
積み荷が大変高価なものであれば、補償額は莫大なものになり得ますね。
一方、200万円する新車のトールに乗っていて全損事故を起こして乗れなくなってしまった場合、車両保険に入っていなかったとしても車両に関係した損失は200万円でそれ以上にはなりません。
ところが、相手に対する補償が生じるような事故を起こしてしまった場合には、補償額が数千万円あるいは1憶を超える額になる可能性もあります。
そう考えると、対人補償と対物補償は最も重きを置くべき補償と言えますね。
ですから対人賠償保険と対物補償保険は無制限にしておくと安心です。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険
次に人身傷害保険と搭乗者傷害保険ですが、仮に搭乗者傷害保険の契約金が1,000万円だった場合、その人が自動車事故で死亡した場合に遺族は1,000万円を受け取れます。
人身傷害保険の場合は、逸失利益を契約金の範囲内で受け取ることができます。
逸失利益は、その人がもし生きていたらどれほどの収入が得られたかという金額ですね。
逸失利益は定められた計算方法によって算出します。
年収が900万円の50歳のサラリーマンの男性が死亡した場合には、逸失利益は7,000万円以上になることがあります。
25歳のOLで年収が300万円の方なら逸失利益は3,600万円ほどになります。
交通事故で後遺症が残った場合の逸失利益は、たとえば年収600万円の40歳の会社員が交通事故に遭って、後遺障害等級10級になった場合には2,300万円程になります。
逸失利益は契約金の範囲内で受けとれますから、契約金は5,000万円以上など高めに設定しておくのがいいですね。
人身傷害保険で支払われる保険金は治療費の負担分、精神的損害料、交通費、休業損害、逸失利益などが含まれます。
他方、搭乗者傷害保険では入院一時金や死亡・後遺障害保険のみのです。
人身傷害保険は治療が増えたり会社を休む日数が増えたりした時にそれと連動して保険金が増えることがあります。
ですから、搭乗者傷害保険よりも人身傷害保険の方が重要度が高いと言えます。
ただ、人身傷害保険の場合は原則として治療後に保険金が支払われますが、搭乗者傷害では、入通院日数が5日以上となると、治療中であっても保険金受け取れます。
ですから、当面の費用を賄いたいという場合には人身傷害保険と搭乗者傷害保険をセットで付けることには意味があります。
ただ、どうしてもどちらか1つにしたいというのであれば、補償が手厚い人身傷害保険を選択するのがベストですね。
搭乗者傷害保険を受けない分、生命保険の補償を手厚くしておくという方法もあります。
車両保険
車両保険は保険料の金額に大きな影響を与えるので、付帯させようかどうしようか迷うこところですね。
車両保険は自分の車が損害を受けた時のための補償で、車の市場価格が保険の限度額になります。
ですから高級車を購入した時には保険金額も高く設定できます。
高級車の場合、修理費が高額になることがありますし、盗まれた場合に再度車を購入しなければならないことを考えると、車両保険をつけておくと安心ですね。
また、トールの新車をローンで購入して全損するような事故に遭って車がダメになってしまった場合、車を失ってローンだけが残ることになりますが、車両保険に入っていれば保険金をローンの返済に充てることができますね。
ただ、中古車を購入した場合は少し事情が違ってきます。
車両保険の保険金額は契約時の市場価格を基準に決められるので、中古車の場合は十分な保険金額を設定できないことがあります。
また、車両保険の保険金を請求した場合にはその後3年間の保険料の合計金額が保険金を受け取らなった場合よりも高くなります。
ですから、シミュレーションした結果、保険を使わずに自分で修理した方が安く済む場合もあります。
車両保険に入って保険料を支払っているのにそれを使わない方が安く済むというのは矛盾を感じますよね。
車を持っていても乗る頻度が少ないとか、少しの修理代は自分で出せる、保険料をなるべく安くしたいという方なら、車両保険をつける必要性は低いと言えるでしょうね。
自動車保険の特約
特約は「対人賠償保険」「対物賠償保険」「車両保険」に付加するものです。
これら3つの補償ではカバーしきれない事例に対応するためのものです。
たくさんの特約があるので、あったら便利だなと思って付けてしまうと保険料が高くなってしまいます。
特約は本来は必要がないものなんですが、保険会社が独自性を出すために、各社がいろいろな特約を販売するようになりました。
そのことを踏まえた上で、これは自分にとって本当に必要だというものだけを選択するのがいいですね。
特約は色々ある
特約の1つの運転者限定特約というのがあります。
これは、その車を運転する人を限定して保険料を安くできるものですね。
また、年齢条件は下げずに子供も補償対象にする子供特約、自動車以外の事故で発生した損害も補償する個人賠償責任特約もあります。
新車特約は事故を起こした後の新車の購入費用を賄えるもので、ファミリーバイク特約は原付と125cc以下のバイクの運転中の事故にも適用されます。
ペット搭乗中特約は、車に乗っていたペットが事故によって死傷した場合に保険金が支払われるものです。
携行品損害担保特約(身の回り品担保特約)は、車内やトランク内に積んであった動産が損害を受けた時に保証してくれます。
どれも、あればいいなと思えるものばかりですが、一般的には特約で最も重要なのは弁護士費用等担保特約(弁護士費用等補償特約)と言われていますね。
弁護士費用等担保特約は自動車事故などで人身被害事故に遭った場合に、相手方(加害者)との示談交渉を弁護士にお願いしたり、調停・民事裁判になった場合に必要な訴訟費用を負担したりしてもらえるものです。
事故が起きた場合には損保会社が相手方と交渉してくれますが、もらい事故の場合は、対応してくれません。
もらい事故というのは、たとえば赤信号で信号待ちしていたら追突されたというように自分に全く過失がない事故ですね。
このようなケースでは、法律上保険会社が顧客に変わって交渉することはできないことになっています。
自分で相手方と交渉するのは自信がないという場合に弁護士費用等担保特約をつけていれば、弁護士に依頼した費用を保険で賄えるわけです。
もう1つ重要な特約は対物超過修理費特約です。
たとえば衝突事故を起こして相手の車を破損させてしまったとします。
相手の車の修理費は対物補償保険で賄うことができます。
ただし、対物補償保険では車の時価額が限度額になります。
それで、相手の車の時価額が40万円なのに修理費を50万円請求された場合には10万円分は自分で払わないといけなくなります。
対物超過修理費特約をつけていれば、50万円全額を保険で支払うことができます。
対物補償保険だと時価額までしか適用されないので、相手の車がかなり古くて時価額が低いと対物補償保険だけでは賄いきれなくなってしまいます。
ですから対物超過修理費特約をつけていれば安心ですね。
保険料の決まり方~リスク細分化
多くの自動車保険では、事故を起こす要因をリスクととらえて、そのリスクの程度に応じて保険料を決めています。
たとえば、自動車事故を起こす可能性が高い車種、事故を起こす確率が高い年令層なら高い保険料が設定されます。
リスクとして挙げられる要素は、年齢、性別、運転歴、使用目的(営業用、自家用その他自動車)、年間走行距離と自動車の使用状況、地域、自動車の種別、自動車の安全装置の有無、自動車の所有台数です。
この中からいくつかピックアップしてご説明しますね。
年齢に関しては、全年齢補償(10代も補償)、21歳以上補償、26歳以上補償、30歳以上補償、35歳以上補償などがあり、年齢が高くなるほど保険料が安くなります。
運転歴に関しては、過去の事故件数や無事故年数によって1~20等級に区分されます。
これをノンフリート等級といいますが、等級が大きいほど保険料が安くなっています。
ノンフリート等級については後述しますね。
使用目的は日常/レジャー、通勤/通学、業務などに区分されそれぞれ異なる保険料が適用されます。
年間走行距離と車の使用状況では、年間走行距離が長いほど運転する頻度が高いということで、リスクが高く保険料が高くなります。
地域では、主に運転する都道府県はどこかによって保険料が異なります。
自動車の種別は大型自動車、普通乗用車、軽自動車等々ですね。
自動車の安全装置の有無では、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)がついている車と未装着の車で保険料が異なります。
保険料の決まり方~ノンフリート等級
ノンフリート等級には1等級~20等級まであります。
等級が高いほど保険料の割引率が高くなります。
新規に契約するときには通常6等級から始まります。
2台目以降では条件を満たせば7等級が適用されます。
無事故を続ける事で等級が上がって保険料が安くなる仕組みになっていて、20等級になれば63%も割引になります。
また、事故を起こして保険金を受け取った場合には1等級~3等級下がって、3年間は「事故有等級」といって割引率がかなり低い等級が適用されます。
3等級下がるのは対人賠償保険金、対物賠償保険金、車両保険金が支払われた場合で、1等級下がるのは車を盗まれた、落書きなどのいたずらをされた、飛び石などで車に傷がついた、災害で破損したといった事情で車両保険金が支払われた場合です。
保険金を請求して等級が下がると保険料の割引率が低くなるので、保険金を請求しなかった場合よりも保険料の支払額の合計が高くなります。
その差は数万円から十数万円になることがあります。
そうなると、車両保険は使わないで自分で修理した方が安く済むというケースも多々あります。
保険料に影響する車両料率クラスについて
保険料の算出に際して、もう1つの基準になるのが車両料率クラスです。
これは軽自動車以外の車に適用されるもので、型式ごとに料率クラスが決められています。
これは本人の運転歴などとは無関係に、車を決めた時点で決まるものです。
料率クラスは1~9クラスまであり、数字が大きいほど危険度が高いということで保険料が高くなります。
料率クラスは毎年1月1日に(財)保険料率算出機構が決定して損保会社に通知します。
一般の人にはわからないので自分の車のはっきりした料率クラスはわかりませんが、目安はあります。
事故が起きる可能性が高い車、高価な車、安全装備や事故防止システムのない車はランクが低く設定され(料率クラスの数字は大きい)、ファミリーカーやコンパクトカー、安全装置を装着した年式が新しい車は高いランク(料率クラスの数字は小さい)が適用されます。
トールのような車はスポーツタイプの車に比べると保険料は安くなるということですね。
ただ、料率クラスは型式ごとに決められるので同じトールでも保険料には差が出ます。
車両料率クラスは、対物賠償保険、対人賠償保険、車両保険、傷害保険の保険料を左右します。
ほとんどの車の料率クラスは、3~5に区分されますが、8、9に区分される形式の車は保険料が大幅に高くなります。
料率クラスの影響が大きく出るのは車両保険です。
一例として料率クラス1の車が保険料50,000円だとすると2は60,000円、3は70,000円のようになります。8なら180,000円、9では200,000円です。車によってかなりの差が出ることがわかります。ちなみに9の場合は車両保険をつけられないこともあります。
保険料を安くする方法
保険料を安くするために車両保険をつけないという選択肢もありますが、それではやはり不安という場合なら、エコノミー型を選択できますね。
車両保険には一般型とエコノミー型がありますが、エコノミー型のほうが保険料を安くすることができます。
保険料が安いのは補償範囲が異なるからです。
一般型の場合は当て逃げ、転落・墜落、単独事故、自転車との接触にも対応していますが、エコノミー型ではこのようなケースでは補償されません。
車両保険の保険料を安くするために「免責金額」を利用することもできます。
「免責金額」は事故で保険金を請求しても、予め決めていた免責金額分については、保険会社がその分の支払いをしなくてもいいというものです。
「免責額」が高ければ保険料も安くなります。
運転者条件で安くするという方法もあります。
運転者条件には限定条件なし、家族のみ限定、夫婦のみ限定、本人のみ限定があります。
本人のみ限定が最も保険料が安くなります。
もう1つは走行距離が短い人なら走行距離の割引がある保険を選ぶことができます。
例えばソニー損保の自動車保険では契約時に想定される1年間の走行距離を「3,000km以下」~「無制限」の7段階に区分しています。
走行距離が短い方が事故に遭うリスクが少ないということで、保険料は安くなりますね。
走行距離によっての目安はあまり乗らない方は3,000km以下、買い物がメインなら5,000km以下、片道30分程度の通勤・通学なら7,000km以下です。
休日のみ使ってたまに旅行にも使用するなら9,000km以下、片道1時間の通勤通学は11,000km以下、毎日長距離乗る場合は16,000km以下、毎日長距離を乗る場合は無制限です。
年齢条件で保険料を安くすることもできます。
ソニー損保や損保ジャパンでは26歳以上から割引率が急に上がります。
この範囲に該当する方なら保険料を安くすることができますね。
年齢条件の区分は保険会社によって異なりますが、1歳刻みにしているところもありますし、30歳以上は10歳刻みというところもあります。
年齢区分が細かく分かれている保険の方が保険料が安くなる可能性が高いですね。
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