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自動車保険の保険料は、車の年式や運転者の年齢、免許証の色など様々な要因によって決まっています。
中でも、車の車種毎に保険料が変わる型式別料率クラス(単に料率クラスと言う事も有ります)が保険料に与える影響は大きいです。
そして、この型式別料率クラスは、現在のところ普通乗用車と小型乗用車にしか導入されていないのですが、今後軽自動車にも導入される事が決まっています。
そこで、ここでは軽自動車に形式別料率クラスが導入される背景や保険料への影響などについて見ていきましょう。
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型式別料率クラスとは?
そもそも、型式別料率クラスとは何の事なのでしょう。
型式別料率クラスは、損害保険料率算出機構が自動車の事故実績に基づいて、事故発生の危険度を車種(型式)毎に1〜9のクラス(クラスが高いほど危険度が高い)に分けたをものを言い、平成13年から導入されています。
注:保険の実績からクラスは決まりますが、ユーザー層などの人的要素も加味されているので、クラスが高いからといって車自体が危ないという訳では有りません。
なお、型式別料率クラスは車の型式毎に1クラスという訳ではなく、以下の4つの保険毎に設定されています。
- 対人賠償保険
- 対物賠償保険
- 傷害保険(搭乗者傷害・人身傷害)
- 車両保険
この型式別料率クラスによって、自動車保険の保険料は大きな影響を受ける事になります。
(画像参照元:日本損害保険協会 「損害保険Q&A問21」)
ちなみに、型式別料率クラスは毎年の様に見直しがされるので、同じ契約内容だったとしても保険料が変わる事も有るのです。
例えば、トヨタのアクアに乗っていて1年間無事故だったとしても、アクアに乗っている他の人が例年よりもたくさん交通事故に遭ったのであれば、翌年はアクアの保険料が上がり易くなります。
但し、型式別料率クラスが導入されているのは、自家用乗用車(自家用普通乗用車と自家用小型乗用車)のみで、軽自動車には導入されていません。(2017年5月時点)
軽自動車の保険料はどのようにして決まる?
上で、「軽自動車には形式別料率クラスが無い」と書きました。
では、軽自動車の保険料はどうなっているのでしょうか?
この点、形式別料率クラスが設定されていれば、車種毎に保険料が異なりますよね。
しかし、料率クラスが設定されていないという事は、「他の条件が同じであればどの軽自動車でも保険料が同じになる」という事です。
試しに、ソニー損保で「ダイハツのタント(LA600S)」と「スズキのワゴンR(MH34S)」の保険料を比較してみましょう。
前提条件は以下の通り。
対人対物:無制限■人身傷害:乗車中のみ補償(3,000万円)■無保険車傷:害無制限■車両保険:無し■弁護士費用特約:自動車事故のみ■ノンフリート等級:11等級■初度登録:平成26年10月■使用目的:主に家庭用■契約距離区分:11,000km以下■記名被保険者の生年月日:昭和50年6月日■免許証:ゴールド■運転者の範囲:記名被保険者と配偶者■年齢条件:30歳以上■保険証券:不発行
結果は以下の通りでした。
メーカー | 車種 | 保険料 |
---|---|---|
ダイハツ | タント | 24,140円 |
スズキ | ワゴンR | 24,140円 |
メーカーの違う軽自動車でも、条件が同じであれば同じ保険料になりましたね。
車種に関わらず保険料が同じであれば、車選びの際に保険料を考慮する必要が無いので楽ですね。
軽自動車の自動車保険に料率クラスが導入される!導入時期や保険料への影響は?
軽自動車は、車種やメーカーが違っても基本的にそれ以外の条件が同じであれば、保険料が同じになる事が分かりました。
しかし、昔と違って最近の軽自動車にはトールワゴンやセダン、ワンボックス、SUVなど様々なタイプが有りますし、性能や装備も車種毎に大きく異なります。
それなのに、車種毎に保険料の差を付けなくても問題はないのでしょうか?軽自動車という枠組みの中でも車種毎の危険度に違いは有るはずですよね。
そこで、以前から損害保険料率機構と日本自動車工業会は軽自動車への型式別料率クラス導入を目指して、協議を重ねて来ていたのです。
そして、軽自動車の保険料を危険度に応じて適正に算出する為に、2020年1月1日までに軽自動車にも型式別料率クラスが導入される事になったのです。
(参照元:損害保険料率機構「自動車保険 参考純率改定のご案内(2016年11月24日金融庁長官への届出)」)
参考:2016年2月14日に日本経済新聞で記事が掲載された当初は「2018年導入予定」となっていましたが、現在は「2020年導入予定」の様です。
軽自動車に型式別料率クラスが導入されると、今後は軽自動車同士でも車種によっては保険料に差が出て来る事が考えられます。
但し、基本的には人気の有る車種や車体価格の高い車種の保険料が上がる(※)感じになるでしょうね。
※:人気の有る車種は事故率が高い傾向に有り、車体価格の高い車種は保険金の額が高額になる為。
なお、具体的なクラス数等の詳細は未定ですが、料率を5段階程度に分けて、車種によっては保険料に最大で2倍程度の差が生じる様です。
保険料に2倍も差が出て来るとなると、保険料を含めた総コストで車選びをする必要が出てきますね。
とはいっても、現時点ではどの車種の型式料率クラスが高くなるのか分からないので、とりあえずは様子見といったところでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?自動車保険の保険料は様々な要因によって決まりますが、型式別料率クラスもその1つです。
現在のところ型式別料率クラスは普通乗用車と小型乗用車にしか導入されていませんが、2020年を目処に軽自動車にも導入される事になっています。
今後は、軽自動車でも車種毎の保険料に着目しながら車選びをしていく事が必要になりそうですね。
とはいえ、詳細はまだ未定なので軽自動車を買おうと考えている方は、今後の動向にしっかりと注目しておきましょう。
なお、自動ブレーキ割引が2018年1月以降始期の契約に導入される予定です。
軽自動車にも適用が有るので要注目ですね。