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改造車の所有者にとって「自動車保険(任意保険)に加入できるのか?保険料の見積もりはできるのか?」という点は気になるところでしょう。
この疑問を解決するにあたって、重要なポイントとなるのが「どのような改造をしているのか」という点です。
つまり、以下の3つのうちどれに該当するのかが大きな鍵を握ります。
- ① 違法改造車
- ② 公認改造車(車検に対応した改造)
- ③ 軽微な改造車(構造等変更申請が不要)
そのため、まずこれらの改造車の種類について一旦整理してから、改造車の自動車保険への加入の可否について解説していきたいと思います。
改造車とは?
冒頭でも紹介したように、改造車をおおまかに分類すると以下の3種類に分かれます。
- ① 違法改造車
- ② 公認改造車(車検に対応した改造)
- ③ 軽微な改造車(構造等変更申請が不要)
所有している車両がどの改造車に該当するか分かりますか?それぞれについてもう少し詳しく見ていきましょう。
①違法改造車(不正改造車)
違法改造車(不正改造車)とは、道路運送車両法(安全基準)や道路交通法などの法律に適合しない改造を施している車両を指します。
当然ながら、そのままでは車検に通りません。
例えば、車検証には乗車定員4名と書いているのに7名分のシートを取り付けたり、基準値を超える音量が発せられるクラクションを装着したり・・・。
フロント・運転席・助手席の窓ガラスに基準値(透過率)を超えるフィルムを貼るのも違法改造にあたります。
また、車検の度に一時的に元通りにして、車検を通したらまた改造する・・・このような不正行為も罪に問われるので注意が必要です。
違法改造は読んで字の如く「違法」なので、違法改造を施した自動車を運転していると、場合によっては警察に捕まることになります。
改造を施す前に、パーツを購入した店舗や改造を依頼する業者に確認しておきましょう。
②公認改造車
公認改造車とは、合法的な改造が施され、構造等変更申請・検査を済ませた改造車を指します。
車検証の型式欄には「改」の文字が記載されます(カイ・KAIの場合も有り)。
合法的な改造なので、その後の車検にも通ります。
車検証に記載されている内容に変更が出るような改造をするときは、その内容が法律に適合していたとしても、構造等変更検査(公認車検とも言われます)を受ける必要があります。
この検査を受けずに、公道を走行する行為は違法なので注意してくださいね。
③構造等変更検査が不要な改造車
軽微な改造を施す場合は、構造等変更検査が不要とされています。
軽微な改造とは、以下のいずれかに該当する場合です(参考:国土交通省)。
- ① 部品取り付けによって、車両の寸法(長さ・幅・高さ)及び車両重量が一定範囲内に収まる場合
- ② ナットやボルトなどで指定部品を取り付ける場合
このような改造が施された車両は、特別な手続きを取る必要はありません。
自動車保険上は、基本的に通常の車両と同様の取り扱いを受けます。
改造車も自動車保険に入れる?
さて、ここから本題の「改造車が自動車保険に加入できるのか?」について解説していきます。
違法改造車は自動車保険に加入できない
違法改造車は、自動車の存在自体が違法な状態ですので、自動車保険に加入する事は出来ません。
これは全保険会社に共通して言える事です。
車検証に「改」と記載の車両は保険会社によって対応が異なる
車検証に「改」と書かれている公認改造車は、保険会社によって取扱が異なります。
つまり、加入できる自動車保険もあれば、加入できない自動車保険もある、ということです。
例えば、イーデザイン損保では改造車は自動車保険に加入出来ません。
一方、アクサダイレクトでは、インターネットでの見積もり及び契約をすることは出来ませんが、カスタマーサービスセンターに問合せた上で契約の可否が決まる事になるので、改造の状態によっては契約をすることも可能です。
実際にアクサダイレクトのネット見積もりを利用してみると、「改造・ダンプ装置はありますか?」という質問が表示されます。
アクサダイレクトは一例ですが、多くの保険会社でインターネットによる見積・申込は不可能となっています。
ただし、あくまでインターネットを介した契約が不可能という事であって、電話・窓口での契約は可能です(もちろん見積もりも)。
保険会社によって扱いは異なってくるので、改造車を保有している方は保険会社に問い合わせてみる事をオススメします。
軽微な改造車は自動車保険に加入可能
一般的に自動車保険上は軽微な改造は「改造車」として扱われないので、問題なく任意保険に加入出来ます。
もちろん、通常の車両と同様に、インターネットを利用した見積・申込も可能です。
改造車でも加入できるダイレクト型の自動車保険一覧
さきほど、いくつかの自動車保険について加入の可否について紹介しましたが、ここでは各ダイレクト型自動車保険の改造車への対応についてまとめていきます。
自動車保険 | 加入の可否*1 | ネット見積の可否 |
---|---|---|
イーデザイン損保 | × | × |
アクサダイレクト | ○ | × |
ソニー損保 | ○ | × |
チューリッヒ | ○ | × |
セゾン自動車火災 | ×*2 | × |
そんぽ24 | ○ | × |
SBI損保 | ○ | × |
三井ダイレクト | ○ | × |
*1 「○」となっている自動車保険では、電話等で車検証や車の状態を確認した上で加入の可否が判断されます。
*2 契約後に合法的な改造をする場合は、電話で相談の上、契約を継続する事が可能です。
このように、加入できるダイレクト型の自動車保険は結構多いですが、100%加入できるわけではない点に注意してください。
改造内容によっては引き受けを拒否される事もあります。
また、基本的に電話での見積・申込となるので「インターネット割引」が適用されない点にも注意が必要です。
なお、改造車は契約内容が制限される場合があり、特に車両保険については付帯できない保険会社が多いです。
任意保険契約後に改造する場合は必ず保険会社に連絡を!
契約車両の「改造の有無」は、告知事項・通知事項となっています。
つまり、保険会社に必ず伝えなければならない内容という事です。
契約後でもです。
もし契約後に車を改造して、保険会社にその旨を連絡せず、事故を起こした場合は、通知義務違反として補償を受けられない可能性が高いです。
そのため、契約後であっても改造を施す場合には、必ず保険会社に連絡するようにしましょう。
ちなみに、改造車である事を隠して契約し、事故を起こした場合も告知義務違反となり、同様に補償を受けられない恐れがあります。
まとめ
今回は改造車の自動車保険の加入の可否について紹介しました。
簡単にまとめると以下のようになります。
- 違法改造車・・・×
- 公認改造車・・・○
- 軽微な改造車・・・○
ただ公認改造車については、保険会社によって取り扱いが異なるので、今回紹介した「改造車でも加入できる保険会社」を参考に契約する自動車保険を探してみてください。
なお、改造車はインターネットによる保険料の見積もりが出来ないので、ベース車の型式で見積もりをとって目安として利用してみましょう。
その際、インターネット割引分を除外するのを忘れないでくださいね!
専門家からのコメント
中村 傑 (Suguru Nakamura)
大垣共立銀行を退職後、東京海上日動火災保険に代理店研修生として入社。研修期間を経て、2015年に独立開業。2020年に株式会社として法人成り、現在に至る。家業が自動車販売業であり事業承継者でもある。車と保険の両方の業務を兼務しており、専門領域が広い事が強み。
コメント
記事にも書かれている通り、自動車保険(任意保険)は強制保険(自賠責保険)の上乗せ保険なので、公道を走行不可能な車検が通らない車に対して加入する事は出来ません。
近年は、日本の中古スポーツカーは異常な程、価格が高騰しています。代表例としては、日産のスカイラインGT-Rです。こうしたスポーツカーは、車検の範囲内で軽度の改造がされている事が多いです。
ただし代理店目線としては、こうした特殊な車に関しては契約者の人間性を見て引き受けを判断する事が多いと思われます。ネット保険では加入が難しいケースもある事が想定されますので、一般の方については地元の保険代理店と信頼関係を構築する事が望ましいと考えます。
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