この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
友人との車の貸し借りは、安易に行ってはいけません。もし貸借中に事故が発生したら、任意保険の契約内容によっては全く補償されない場合が有るからです。
「近くのコンビニまでなら大丈夫」という油断が、大きな後悔を招く事になりかねません。
どうしても車を貸し借りする必要が有る場合には、今回紹介する内容(特に保険について)を確認してから、車のキーの受け渡しを行って下さい。
借りる時の保険の注意点
自動車に付帯する保険は「自賠責保険」と「任意保険」の2つです。保険を付帯する事で「もしもの事故」に備える事が出来ます。しかし、これらの保険は、「どんな事故でも」「誰が運転してても」補償してくれるわけではなく、決して万能では有りません。
そのため、友人に車を借りる時には、「自賠責保険の概要」や「借りる車に付帯されている任意保険の契約内容」、「自分の車の任意保険の契約内容」を確認して補償されるかどうかをチェックする必要が有ります。
自賠責保険が補償されるのは対人のみ
自賠責保険の補償範囲は、対人のみとなっています。そのため、相手の車両・物や借りた車の車両の損害は補償されません。
また、補償範囲で有る対人に関しての補償は、限度額が設定されています。もし、友人に借りた車で死亡事故を起こしてしまったら、自賠責保険では損害賠償を補填し切れない事態に陥ります。
なので、友人に車を借りる時には、「自賠責保険が有るから安心」という勘違いはしないようにしましょう。そして、任意保険の契約内容の確認を怠らないようにして下さい。
参考:自賠責保険とは
借りる車の任意保険で補償されるかチェック
車を借りる際には、当該車の任意保険がどのような補償範囲となっているかをチェックする事が大切です。なぜなら、借りる人が補償範囲外で有れば、任意保険が付帯されていたとしても一切補償されない可能性が有るからです。
具体的には、運転者の範囲についてです。運転者の範囲が家族限定や夫婦限定となっている場合には、車を借りる友人は補償範囲外となります。
後日に借りる約束をするような場合には、補償範囲に自分(借りる人)が含まれるように保険内容を変更してもらう必要が有ります。しかし、その場で車を借りる場合には、契約内容の変更が間に合わないので、借りない方が懸命です(契約内容を変更したとしても有効になるのは翌日から)。
友人の車を借りる場合には、借りる本人が補償範囲になっているかチェックする事を忘れないようにして下さい。
自分の車の任意保険の契約内容もチェック
自分の車の任意保険に「他車運転特約」が付帯されていれば、友人の車を借りて事故を起こしたとしても自分の任意保険で補償出来ます。
友人の車を借りる場合は、自分の任意保険に「他車運転特約」が付帯されているかチェックしておきましょう。
ただし、他車運転特約の補償内容は、自分の任意保険の契約内容に依存します。例えば、車両保険が付帯されていなければ、友人の車の車両損害は補償されません。この点も併せてチェックして下さいね。
どちらの任意保険も駄目な場合
友人の任意保険も自分の任意保険も補償されない場合には、1日単位で加入出来る「1日自動車保険」を利用しましょう。
また、1ヶ月程度借りるような場合には、「ドライバー保険」を利用する手も有ります。
補償の無いまま運転する事は控えましょう。
貸す時の保険の注意点
友人に車を貸す場合の注意点は、上記の「借りる時の保険の注意点」を貸す側もチェックするようにしましょう。
友人の運転で事故が起きたとしても、車を貸した所有者に損害賠償責任が発生する事も有ります。「車を貸す」行為は、重大な責任を伴うという事を忘れないで下さいね。
友達に車を貸したり、友達に名義貸しを行っていた場合の運行供用者責任
その他の問題点
自動車保険以外に発生する問題は、友人との軋轢(あつれき)でしょうか。
車の貸し借りが1度ならそこまで問題にはならないと思います。しかし、2度3度と回数が増えていけば、車を貸す側は「借りる友人」の事を煙たく感じ始めるでしょう。そうなれば、車の貸借だけでなく、それ以外の場面でも友人関係が悪化してしまう恐れが有ります。
また、事故を起こしてしまった場合の事を考えると、友人関係が悪化する事は想像に難く有りません。もし、上記の「保険に関する注意点」を守らずに、損害賠償等で話がこじれてしまうと、目も当てられませんよね。
たとえ友人であっても、車の貸し借りで関係が悪化してしまう事が有ります。そのため、友人の車はなるべく借りない、そして貸さない方が良いかと思いますよ。
関連記事をチェックする