【専門家監修】高齢者事故の原因と時間帯を考察!60代・70代以上におすすめの自動車保険

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近年、高齢運転者による悲惨な事故が報道されています。

皆さんはそのような報道を見聞きして、どこか他人事だと思ってはいないでしょうか。

あなたのご家族に運転免許を保有する高齢者がいらっしゃるならば、いつ自分の身に降りかかってきてもおかしくないのです。

まずは、高齢者事故の実態や交通事故の原因、特徴について「しっかり知る」というところからはじめて、続いて防止策まで考えていくことにしましょう。

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年齢別事故件数の状況

<全年齢の死亡事故発生件数について>

出典:警視庁ホームページ(交通事故統計・発生状況)

日本の交通事故件数については、自動車技術の向上もあり、年々減少しているのが現状です。

ただ上記図の通り、高齢者の事故件数は横ばいとなっております。

高齢者の事故にどんな特徴があるのかデータから分かる事を解説していきます。

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交通事故の時間帯や季節による事故発生件数に特徴はある?

<全年齢の死亡事故発生時間帯のグラフ>

まず、高齢運転者に限らず、全ドライバーが事故を起こしやすい時間帯があります。それは夕方4時から7時頃です。これは何となく納得できますよね。

ちょうど「薄暗くなる時間帯」だからです。

ですから、この時間帯は高齢者に限らず、全ドライバーが気を付けなければならない時間帯と言えます。

出典:損害保険料率算出機構ホームページ

季節別!自動車死亡事故の件数

では、事故が起きやすい「季節」はあるのかというと、これもおおよその傾向があります。ズバリ「夏は少なく秋は多い」です。6月、7月くらいから11、12月くらいにかけて段階的に増えていく感じです。

これも納得できると思うのですよ。なぜなら、どんどん日没が早くなっていくわけですからね。

つまり薄暗くなる時間帯がどんどん早まる。特に秋の夕方4時台から5時台、この時間帯は「魔の時間」っていうくらい事故が多くなります。

まだ夏だったら明るいはずの時間帯が、秋になるともう暗いわけですよ。この「油断」ですよね。

ここまでは高齢者に限らず、全ドライバー共通のお話です。

出典:損害保険料率算出機構ホームページ

高齢者の自動車事故の傾向

<75歳以上(高齢者)の死亡事故季節別グラフ>

では、いよいよここからは高齢運転者の傾向です。

それは、夏の夕方から秋の夕方にかけての「事故の増加率」がかなり多いということ。もちろん一般のドライバーでも増えます。しかし、高齢者はその「増え方」が他の年齢層と比較し、かなり多くなっているのです。

ここで、損害保険料率算出機構のレポートを引用しておきます。

「75歳以上の高齢運転者が起こした死亡事故に絞ってみていきましょう。多くの月で日中(8~15時台)の事故が多い中、11月と12月は16~17時台の事故が最も多く、特に11月の16~17時台は突出しています。同じ時間帯の7月との較差は9.8倍(5件⇒49件)となっており、前述の全年齢の3.3倍と比べると、高齢運転者が起こす事故でより顕著であるといえます。

増え方が『全年齢では3.3倍』。でも『高齢運転者では9.8倍!!』

「秋の夕暮れになると高齢運転者が起こす事故は約10倍になる!!」と覚えておいていいと思います。

出典:損害保険料率算出機構ホームページ

75歳以上の運転、死亡事故は高水準継続

出典:警視庁

75歳以上の高齢ドライバーが過失の最も重い「第1当事者」となった車やバイクの交通死亡事故が、2020年は333件だったことが18日、警察庁のまとめで分かった。

前年より68件減ったものの、運転免許保有者10万人当たりの件数は5.6件。75歳未満の2.7件と比べ2倍以上の高水準が続いている。

車やバイクによる交通死亡事故2408件のうち、13.8%は75歳以上のドライバーが占める。過去最高だった18年の14.8%以降、14%前後で推移しており、警察庁幹部は「加齢に伴う身体機能や認知機能の低下を踏まえた対策が欠かせない」と指摘する。

死亡事故333件を種類別にみると、電柱などとの衝突が91件。転落など路外に出てしまう事故は54件発生した。法令違反別の分析では、ハンドル操作ミスやアクセルとブレーキの踏み間違いなどの「操作不適」が29%(96件)と最も多く、注意散漫で信号を見落とすなどの「漫然運転」が13%(42件)、交差点での確認不十分といった「安全不確認」が8%(26件)だった。

加齢に伴う身体機能や認知機能の低下は避けれないものですが、より一層の注意や自動車技術の向上、自動ブレーキや自動運転分野の技術向上に期待したいものです。

出典:日経新聞

夕暮れ時に高齢者はどのような事故を起こすのか

事故といっても色々ありますよね。人にぶつかってしまう事故。車どうしでぶつかる事故。勝手に電柱にぶつかる事故。

結論から言いますと、夕暮れになると高齢運転者は「人にぶつかりやすくなります。」

<75歳以上(高齢者)の交通事故時間帯別分析グラフ>

上記グラフから分かるように、実は、夕暮れになっても車にぶつかったり電柱にぶつかったりする事故の割合は、明るい昼間の時より減ります。

ただし人にぶつかる割合はなんと「2倍」になります!!

これは歩行者のみなさんへの注意喚起になりますが、きちんと横断歩道を渡らず、横着して横断歩道以外のところを横断すると、高齢運転者に轢かれる確率が高まってしまいます。

<75歳以上(高齢者)の交通事故の原因>

夕暮れになってただでさえ人間が見にくくなっているのに、横断歩道以外という予想外のところに人が現れる…これははっきり言って現れる人も悪いです!!

上記グラフにあるように、死亡事故の一番の原因は「発見の遅れ」となっております。「操作不適」も26.6%を占め、死亡事故の原因となっております。

<75歳以上(高齢者)の自動車ライト点灯の有無>

徐々に薄く暗くなる時間帯が早い秋。夏はまだこの時間、明るかった。でも季節はもう秋。とっくに薄暗くなっているのにライトをつけ忘れるという油断があると思います。

そんななか、予想外のところから現れる…「あっ!!!」…ドン!

事故はこんな感じで起きるのです。

交通事故総合分析センターのデータに記載されている通り、実際夕暮れに事故を起こした高齢運転者の「4割」は、ライトをつけていないとのデータがあります。

薄く暗くなったら、高齢者に限らず、どの年齢層の方も慢心せず、ライトを点灯させ、悲しい事故が起こらないよう、安全運転を心がけましょう!

出典:公益財団法人交通事故総合分析センター ホームページ

高齢者の自動車事故は減らせるのか?

家族に免許を保有している高齢者がいる場合、高齢者が自発的に免許を返納してくれればいいわけですが、色々な事情でそうもいかないケースが多いですよね。

そんな状況で事故を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。

まず重要なのは高齢者自身が「己を知る」ということだと思います。あるいは「己を知る」ように周囲が導くということでしょうか。

なぜ秋の夕暮れになると、高齢運転者が起こす事故は『10倍』にもなるのかというと、高齢者が「明るさへの変化に対応しにくくなっているから」と考えられます。

視覚機能の低下、目の病気、反射能力の低下など、高齢になる事により対応能力が落ちている点はあるでしょう。いずれにせよ高齢者自身が「自分は対応しにくくなっているのだ」と自覚していることが大切です。

しかし、高齢者に向かって直接的に「対応しにくくなっているんだから気をつけろよ!!」というと角が立ちますよね。

逆に「うるせえ!!人を年寄り扱いしやがって!!」という反発心を抱かれるのが関の山です。

ところが親が高齢の場合、子供も結構いい歳だったりしますよね。つまり子供自身ももう若くなく、身体の色々な部分に老化が始まっていたりします。そこで「自分ももう若くないから、こういうところに気をつけている」という話し方をするという方法があります。つまり相手に気をつけろというのではなく、自分が気を付けているという言い方をすることによって間接的に相手の自覚を促すというやり方ですね。もう一つは「俺の会社の誰々さんの親がこの前こんな事故を起こしてさ」という感じで人のことを話題にしつつ相手に自覚を促すパターンもあります。

いずれにせよ、人格的に優れていて人の忠言も素直に聞く高齢者ばかりではないので、自覚を促すやり方には注意が必要です。

高齢者だけに当てはまる事ではないですが、自分に自覚と注意する意識さえ持てば、自ら夕暮れ時の運転を避けたり、やむを得ず夕暮れ時に運転する場合は速度に注意したり、歩行者に注意したり、早めにライトを点灯したりするようになり、結果として事故を防止につながるのです。

結局、本人の自覚が無いと全く意味がないわけです。

信号機をつけたって、「信号を守る」という規範意識がなければ事故は防げないのと同じことです。

ただ今般、自動ブレーキやAIによる運転時の補助作動など、自動車事故低減させる技術が向上しています。今後このような技術の向上により、高齢者の事故だけでなく、交通事故全体が減少していくと嬉しい限りです。是非、注目していきたいですね。

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日本政府の対応状況

人口における高齢者の割合が高まっているわけですから政府も色々な施策を打ち出しています。たとえば新型車から『オートライト搭載を義務化』しました。

オートライトというのは暗くなったら自動でライトが点灯する機能ですね。

そして、そのような安全な技術が付帯している車を購入しやすくする『サポカー補助金』も導入しています。

さらに、インフラ方面では道路照明を増設したり、標識を大きく、明るくしたりする施策をすすめています。

安全な技術の最先端といえば自動運転ですが、日本はその自動運転の「安全基準」を積極的に作成しています。

車というものは世界で販売される商品なので、その保安基準をどうするかということはなかなか難しい問題なのです。

どこかの一国が勝手に決められるわけではなく、貿易上の問題とか国際議論とかいろいろなハードルがあるのです。そのようなハードルをしっかり踏まえながら日本は自動運転の安全基準を作成するという取り組みをはじめているのです。

事故が起こった時の対策として保険は必要不可欠

どんなに事故に気を付けていても、起こしてしまう可能性はあります。その可能性に目をつぶることは現実的でないだけでなく無責任です。

事故を起こした人間が高齢者だったからといって同情されて、責任を負わずに済むなどということもありません。

当たり前ですが、必ず自動車保険に加入しましょう。

また年齢や家族構成、住んでいる場所により、リスクは変わっていくものです。自身の状況にあった自動車保険を選び、見直しするようにしましょう。

そして「自身のニーズ」に合ったサービスや「潰しておきたいリスク」を把握するようにしましょう。

自動車保険は個人の年齢、自身が補いたいリスクなど、人によって様々なニーズがあると思います。ただ自身のニーズにあった商品を一社一社見ていくのも、大変な作業です。

もちろん、懇意にしている保険会社があれば、それを利用するのも手ではありますが、「合理的」「経済的」に考えたい方は、数社から見積もりを取るのが良いでしょう。

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まとめ

ここまでの話をまとめておきましょう。

  1. 高齢者は秋の夕暮れに事故を起こしやすい。
  2. 高齢運転者の事故を防ぐには「己を知る・知らせる」ことが重要である。
  3.  政府もサポカー補助をはじめとして、積極的な施策をしている。
  4.  自動車事故のリスクは、自分の状況や家族の状況などによって変化するものです。自動車保険も自身の状況によって見直しするようにしましょう。

いかかでしたでしょうか。高齢運転者の事故について述べてきましたが、実は若者の事故も負けず劣らず多いが現状です。

高齢者のことばかり言っている場合ではありません。

報道などで高齢運転者の事故を見聞きしたときには、高齢運転者の事故をいかに減らすかという思考と同時に自分自身の安全意識をもう一度見直す機会にしたいものです。

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専門家・FPからのコメント

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金子 賢司 (Kenji Kaneko)

金子 賢司(Kenji Kaneko) Twitter

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。
以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

<保有資格>CFP住宅ローンアドバイザー生命保険協会認定FP損保プランナー

コメント

自動車保険は高齢者が被保険者となる場合は保険料が割高になります。インターネットの保険で節約したいところですが、インターネット保険は高齢者の加入に難色をしめしたり、通常の代理店型の自動車保険よりも割高に設定されていることがあるため、しっかりと比較をすることが大切です。自身に高齢者の親族がいて、インターネットが苦手で自動車保険の比較をすることをためらう人もいるかもしれません。また、高齢の親族がどうしても車の運転を希望する場合は、インターネットと代理店型の自動車保険の比較をお手伝いして、しっかりとした自動車保険に加入をするサポートをしてあげましょう。

鈴木 翔太 (Shota Suzuki)

<経歴>
2011年4月 東京大学入学
2012年4月 訪日外国人向け観光サイトにおいて記事を作成するバイトを開始(作成記事数30以上)
2016年3月 東京大学文学部卒業
2017年4月 損害保険会社(損保ジャパン日本興亜)に就職。自動車事故受付~支払を担当する部署に配属。
2018年4月 法人営業部門に配属。自動車保険・火災保険・傷害保険等幅広い保険商品の営業を担当。

コメント

知らないデータが多く、非常に有益な記事でした。ただし、こちらの記事は「高齢者事故を起こさないために」というところに主眼を置いているように感じます。少なくとも対人・対物は無制限で加入するよう注意喚起する方が良いと思いました。経済的に苦しい高齢者は、少しでも保険料を削ろうとして、対物を1,000万円にするなどの選択をしていることがあります。誤ってコンビニの外壁を損傷させた場合等は、修理中の売上まで請求され、賠償額が数千万円になるケースがあることもあるので、注意が必要です。

ご参考:監修者一覧

 

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