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新型コロナウイルスが猛威を振るう中、2020年以降から生活様式が変わりつつあります。県外への移動自粛や自宅で過ごすことを強く推奨されている状況が一般的となっています。
それに伴い、個々の移動手段の考え方も見直されているようです。
では、コロナ禍により外出が減った今、世の中の自動車の使用状況はどうなっているのか。
また、加入している自転車保険を見直す必要があるのかを考えていきましょう。
「新型コロナウイルス」による自動車と自動車保険に対する意識変化に関する調査内容について
実際に新型コロナウイルスの影響により、自動車保険に加入しているユーザーの意識はどのように変化したのか、大手のSBI損保の調査結果を元に見ていきましょう。
コロナ禍による自動車保険に対する意識の変化
SBI損保の調査によると今回の新型コロナウイルスの影響で自転車保険の加入意識が変わった人はおよそ3割で、そのうち2割は「保険料を安いプランに乗り換えたい」という意見が多かったようです。
実際にコロナ禍で収入が不安定になった人も多いので、その影響もあるのではないでしょうか。
そのように考えている人の大まかな選択肢は
- 自動車保険会社自体を乗り換える
- 加入中の保険会社のプランを見直す
という方法になりますが、
実際に保険会社を乗り換えたい、もしくは乗り換えたという人が6割。プランを見直したい、もしくは見直したという人は4割強という結果になりました。
また次に多かった意見が「ネット等の非対面で手続きを行ないたい」というものです。
このご時世ですので、極力対面は避けたいという意識のもと、こういった意見を以前より増えてきたようです。
コロナ禍での使用頻度の変化
新型コロナウイルスによる影響で自動車の使用状況がどれくらい変わったのかをSBI損保が調査を行なった結果、「買い物やプライベートでの使用」については3割が減少したという結果となりました。
それに対して「通勤や通学での使用」や「仕事での使用」の減少は1割も満たない結果となり、生活の上で必要な使用目的については大きな変動が見られないようです。
自動車の需要と求めるものの変化
新型コロナウイルスの影響により、「自動車の購入や買い替えを中止・延期した」という人は、6.9%という結果となり、「自動車の購入や買い替えを検討している、もしくは購入・買い替えた」という人は12.2%という2倍近い差のある結果となりました。
一見、コロナ禍で収入が減少し中止・延期の方が多いイメージがありますが、購入や買い替えを検討している人は、必ずしも、もっと高価な自動車をという目的ではないようです。
実際にユーザーが自動車に対して求めるものを調査した結果に変化がありました。自動車に「デザイン」や「ステータス」を求める人は減少し、「安全性」と「手頃な価格」を求める人が増加したという結果となりました。
コロナ流行前よりも大きな変動は見られないものの一部のユーザーは実用的な自動車を求めているという動きがあるようです。
出典:「SBI損保」新型コロナウイルスによる自動車と自動車保険に対する意識の変化に関する調査
コロナ禍でドライブする人が増加?人々のドライブに関する意識調査について
2020年末に行なわれたJAFの新型コロナウイルスにおけるドライブに関する調査では、とても興味深い結果が出されました。
移動手段は自動車を選ぶ人が増加
移動手段は密になりやすく、人と接触しやすい公共交通機関よりも自動車での移動が感染対策のメリットとなると回答した人が9割以上という結果となりました。
その中で実際に車での移動が増えたと回答された人は、全国的には14.2%となっており、多い地域では東京を含む南関東が43.4%も増えたという結果となりました。
元々、東京などの首都圏では交通機関の利用が多いので、「他人と接触をしない」という個々の意識でこのような結果となったと考えられます。
ドライブ中の感染対策の意識
JAFの調査結果では、5人中4人が自動車でドライブ中の感染対策に取り組んでいるという結果となったことが分かりました。内訳としては、自動車に乗る際に感染対策を「する」と回答された人が半数を超える51.1%。
「まあする」と回答された人が33.4%と合計して8割を占める結果となりました。
具体的な対策方法としては、送風機能や窓を開けて「換気をこまめに行なう」や「ハンドル等、人の手が触れる箇所を拭いて消毒する」が特に多い対策方法でした。
その次に「車内でもマスクを着用する」や「他人を乗せない」という方法でドライブ中であっても感染対策をされていることが分かりました。
ドライバーと同乗者で協力し合って、しっかりと感染対策を取られている人が多いようです。
プライベートで移動の際の意識
自動車を使用して、お出かけや旅行をされる人はドライブ先での密を気にしているという意見が9割以上と、とても多い結果となりました。
また、密になりやすい「娯楽施設」等よりも「自然豊かな場所」をドライブ先として選択される人も7割以上と多い傾向にあります。
SNSによる意識の変化
TVや新聞等のメディアで毎日のように報道されている新型コロナウイルスのニュースですが、そういったメディアの報道以上にSNSの声や周りの人の雰囲気がドライブの計画の決め手となっているようです。
SNSや周りの人の雰囲気を気にする人ほど、感染対策の意識が高いという傾向にあります。
若者の車離れがコロナで一変?ソニー損保の「2020年 新成人のカーライフ意識調査概要」
では、まだ免許取得して日が浅い、もしくは検討中・取得中という人が多いであろう2020年の新成人は実際にどのような意識を持っているのかをソニー損保の調査をもとに見ていきましょう。
新成人の自動車免許と自動車の保有率
2020年の新成人(1999年4月2日~2000年4月1日生まれ)の1000名を対象に普通自動車免許の保有率を調査したところ、56.4%と半数を超える人が免許を保有しているという結果となりました。
残りの内、取得中は3.6%、いずれ取得予定は22.5%と8割近い新成人が免許の保有をしている、もしくは保有予定ということでした。
保有率を地域別でみると公共交通機関が盛んな都市部では44.9%、地方は60.1%と保有率に差がありました。
やはり自動車が必要となることが多い地方の方が保有率は高いようです。
また、既に自身の自動車を保有している新成人は14.8%で購入予定は9.7%、いずれは欲しいは42.1%と半数以上の人が自動車を必要としているということが分かりました。
対して、購入するつもりはないという新成人は、約1/3の割合となりましたが、その理由を聞いたところ、「車両自体の購入費用がかかる」や「燃料費、修理費、駐車場代等の維持費がかかる」といった経済的な面への負担を懸念をする意見が多かったようです。
また、地方より都市部に住む新成人ほど、「公共交通機関が充実しているので自動車は必要ない」という意見が多い傾向にありました。
特に男性は自動車を持つことがステータスだと言われていた1990年代と比べると現実的な意味で保有率は減少しているのが実態のようです。
新型コロナウイルス流行後の心境の変化
前項のように若者世代の自動車離れが少しずつ増え始めている様子でしたが、新型コロナウイルスが流行を始めた2020年を境に若者世代の人達にも心境の変化が現れ始めました。
一度はコロナ禍の影響により激減していた教習所の生徒が2020年末頃から増加傾向にあるようです。
新型コロナウイルスの影響で授業のオンライン化や自宅で仕事を行なうリモートワークが活発となり、昼間に空いた時間が出来たという人が増えたことが要因の一つ。また、公共交通機関よりも人の集まりを避けることの出来る有効な移動手段として、自動車の利用が注目されたことにより、免許取得を行なう人が増加したと言われています。
特に都市部の教習所では2020年に発令された緊急事態宣言が明けて以降、数か月先まで予約が埋まっているというような状態のようです。
既に終了しておりますが、2020年10月31日まではGoToトラベルが合宿免許の対象だった影響と通常時よりも合宿費用が半額近くまで安くなった影響もあり、一時的に取得者が増加したというのも要因となっています。
このように新型コロナウイルスによって、若者世代の自動車に対する意識にも変化がみられていることが分かりました。
出典:ソニー損保「2020年 新成人のカーライフ意識調査」より引用
まとめ
新型コロナウイルス流行における自動車の使用状況や在り方について考えてきました。今回の各社が行なった調査結果でも分かるように世間の自動車への考え方は感染流行前と比べて、明らかに変わっていることが伺えます。
今まで焦点が当てられていなかったところまで考えられるようになってきており、時代の変化とともに今後更に個々の自動車や自動車保険への顧客のニーズも変わっていくことでしょう。
常に現状にアンテナを張ることが重要です。
今、自動車自体の用途が自分にマッチしているか、自動車保険のプラン、会社は自分にとって適切なのか。自動車や自動車保険について今一度見直していくことでメリットがあるかも知れません。
FP・専門家からのコメント
松田 聡子(Satoko Matsuda)
ファイナンシャルプランナー。群馬FP事務所代表。明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保での法人コンサル営業を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには退職金制度の導入コンサル、個人向けにはiDeCoやNISAを有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングで人生100年時代をマネーの面からサポート。また、金融ライターとしてWEBメディアに寄稿中。
【経歴】
- 明治大学法学部法律学科 卒業
- 約15年間システムエンジニアとして金融・物流の業務アプリケーションの設計・開発に従事
- その後、国内生命保険会社にて法人に対しての財務強化や福利厚生の提案営業に従事
- 2007年より独立系FPとして法人・個人の相談業務をスタート。確定拠出年金の講師や職業訓練の講師としても活動
【資格】
コメント
新型コロナウィルスの影響で自動車保険の見直しを考える人が多くなりました。見直しの内容としては補償内容だけでなく、保険会社を見直すケースが増えています。
仮に代理店型の自動車保険から通販型に見直す場合、今までは代理店の担当者が提案していた補償内容を、自分で組み合わせる必要があります。
そのため、現契約の個々の補償内容を確認し、理解したうえで見直し後の補償内容を決めるようにしましょう。注意すべきなのは、通販型であれば必ず保険料が安くなるわけではなく、事故率の高い年齢であれば保険料が上がる可能性もある点です。必ず複数社と現契約の保険会社で比較して選ぶようにしてください。
自動車保険の一括見積サイトを活用することも1つの方法です。
山﨑 裕佳子(Yukako Yamazaki)
通関士として貿易会社に勤務の後、メーカー、銀行など様々な仕事を経験。2019年に2級FP技能士、AFP取得。その後、FP会社にて記事の執筆や監修を経験し、フリーランスとして独立。
コメント
コロナ禍でご自身の移動手段を見直された方もいらっしゃると思います。
車の使用目的の変化や、車の買い替えのタイミングは自動車保険を見直す良い機会となります。
しかし、自動車保険は多岐にわたっており、何を選べば良いのか迷うことも多いかと思います。特に最近は非対面が推奨されていることや、保険料の安さからネット加入の自動車保険が人気を集めているようです。
つい保険料のみを比較して安いプランに加入、または乗り換えをしがちですが、大切なのは補償内容です。加入しようとしている自動車保険がどこまでをカバーしているのか、またご自身に適正なものであるのかを精査し、納得してから自動車保険を選ぶようにしましょう。
天野こな美 (Konami Amano)
トヨタカローラ姫路株式会社に約5年間勤務。損害保険募集人資格保有。
<保有資格>損害保険募集人
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新型コロナウイルスの流行は、自動車の使い方にも大きく影響を与えました。自動車の使用頻度が極端に少なくなった人もいれば、多くなった人もいるでしょう。場合によっては自動車保険の見直しが必要なこともあります。
その中でも注意したいのは「使用目的」の欄です。
通勤で車を使っていた人がテレワークになった場合、自動車の使用頻度が大幅に減ったと思います。
通勤・通学に自動車を使う回数が月15日以下の場合、保険の使用目的が「日常・レジャー」に変わるケースがあるからです。
日常・レジャーに変わると、事故リスクが低いをみなされ保険料が安くなることもありますよ。
この機会にもう一度保険の証券を確認してみましょう!
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