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サスペンションの主な役割はタイヤと車体を繋ぎ、路面からの衝撃を吸収する事です。
また、車体を支えたりタイヤが路面からなるべく離れないようにする役割も担っています。
乗り心地と走行性能を向上させるための装置と言えますね。
■サスペンションの役割まとめ
- 路面からの衝撃を吸収
- 車体を支える
- タイヤが路面から離れないようにする(路面追従性と言います)
そしてサスペンションにはいくつか種類が有り、それぞれにメリット・デメリットが有ります。
そこで今回はサスペンションの種類について見ていきたいと思います。
車選びの際にはサスペンションの種類もチェックしてみてはいかがでしょうか。
サスペンションの種類
主なサスペンションの種類は以下の通りです。
- マクファーソン・ストラット
- ダブルウィッシュボーン
- トーションビーム(トレーリングアーム)
- マルチリンク 等
これから紹介する上記4種類のサスペンションのメリット・デメリットなどは一般的な内容となっています。
車の性能やサスペンションの設計などによって同じサスペンションでも発揮する能力に差が有ります。
マクファーソン・ストラット
現在、フロントタイヤのサスペンションに最も多く用いられているのがマクファーソン・ストラットです。
その理由は低コストかつスペースを取らないためです(*)。
これはマクファーソン・ストラットのメリットとも言えます。
* その他のサスペンションよりも部品数が少ない為
車体の前方にエンジンを配置し前輪を駆動輪とする車、いわゆるFF車が現在の主流なので、スペースを取らないマクファーソン・ストラットがフロントタイヤのサスペンションとして多く採用されているのでしょう。
一方、デメリットはその他のサスペンションよりも性能面で劣る点です。
構造上、強い横の力が加わると、サスペンションとしての性能を十分に発揮出来なくなります。
ダブルウィッシュボーン
ダブルウィッシュボーンはスポーツカーや高級車に採用される事が多いサスペンションです。
その名の由来は「鳥の鎖骨」に形が似ているからだそうです。
基本的に上下2本のアームでタイヤの動きを制御しているので、マクファーソン・ストラットのように横の力を受けてもサスペンションの性能が落ちる事は有りません。
安定した乗り心地と走行性能を発揮出来るのがダブルウィッシュボーンのメリットとなります。
しかし、部品の数が多くなる事や取り付ける為にスペースを要する事から、高コストで居住性が悪くなるというデメリットが有ります。
マルチリンク
マルチリンクはダブルウィッシュボーンで採用されていたアームの本数や形状を変化させた構造となっています。
そのため、ダブルウィッシュボーンの発展形とも言われています。
また、決まった形は無く、車種毎にアームの本数や形状が異なるのも1つの特徴です。
ダブルウィッシュボーンの発展形と言われるだけあって、メリットはダブルウィッシュボーン以上に安定した乗り心地と走行性能を発揮する点です。
一方、デメリットはダブルウィッシュボーン以上に部品数が多くなり、高コストで居住性が悪くなる事が挙げられます。
トーションビーム(トレーリングアーム)
トーションビームはFF車のリヤタイヤに採用される事が多いです。
構造は非常にシンプルなものとなっていて、コストを低く抑えられるのがメリットです。
一方、デメリットは既に紹介してきた3つのサスペンションよりも乗り心地や走行性能が劣る点です。
なぜなら、トーションビームは左右のサスペンションが連動して動く「車軸懸架」となっているからです。
例えば、左のタイヤだけ段差を乗り越える場合を想定しましょう。
この時、トーションビーム採用車では、左のタイヤだけでなく右のタイヤも連動して上下に動いてしまいます。
そのため、乗り心地や走行性能は悪化してしまうことになるのです。
ちなみに、「マクファーソン・ストラット」「ダブルウィッシュボーン」「トーションビーム」の3つのサスペンションは左右独立懸架です。
同じ例で説明すると、左のタイヤだけ段差を乗り越えても、基本的に右のタイヤは上下しません。
そのため、安定した乗り心地と走行性能を発揮出来るわけです。
サスペンションの交換時期の目安
サスペンションはショックアブソーバーやブッシュ、スプリング、アームなどで構成されています。
このうち部品の交換が必要になるのはショックアブソーバーとブッシュでしょう。
この2つの部品の交換時期の目安は一般的に以下の通りです。
- ショックアブソーバー・・・約4年
- ブッシュ・・・約10年
車の乗り方や普段走る路面の状態などによって交換時期は異なります。
また、以下のような症状が現れたらサスペンションの交換を検討した方が良いかもしれません。
- ギシギシ・ゴキゴキなどの軋み音がする(ブッシュが劣化している場合に多い)
- 車の上下動がなかなか収まらない(ショックアブソーバーが劣化している可能性が高い)
- タイヤの偏摩耗 等
時間的な事だけでなく、こうした症状も見落とさないようにして下さいね。
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