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日常点検は法定点検である事を知っていますか?
道路運送車両法第47条の2に日常点検整備として明記されています。
ただ日常点検をしなかったからといって罰則があるわけではありません。
しかし尾灯等の整備不良で交通違反の減点1点・反則金7,000円、制動装置等の整備不良で減点2点・反則金9,000円をうけることはあります。
確かに車検や定期点検でプロの整備士が自動車を点検してくれていますが、それは1年や2年といった長期的なスパンでの話です。
その間(車検と車検の間という意味)に車両トラブルが起きないなんていう保証してくれません。
そのため自動車の使用者は日常において車両の点検を行う必要があるんです。
点検と言っても整備のプロのような点検を求めているわけではなく一般の人が点検できる範囲でいいですよ!
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日常点検項目
大きくは以下の3つの箇所の点検をする必要があります。
またそれぞれに何個か点検するポイントがありますのでそれぞれについて以下で見ていきましょう。
なお、車両によって正常な動作や規格が違いますので日常点検をする際には車両取扱説明書やメンテナンスノートを参照しながら行って下さい。
- 車内の点検
- 車外の点検
- エンジンルームの点検
車内の点検
■ブレーキペダル
ブレーキは自動車を安全に運転するにはとても重要な機能です。
そのためブレーキの点検は必ず行うようにしてください。
ブレーキに異常があれば制動距離が伸びたり、咄嗟(とっさ)の対応がしにくくなったりしますのでとても危険です。
- ブレーキペダルの踏みしろ(床との距離)
- 踏む時の感覚(あまい、かたい等)
- 安全な場所でのブレーキの効き具合のチェック 等
以下のような場合にはブレーキに異常がある可能性があります。
- 踏みしろが少ない
- 踏み込んだ時の感覚があまく感じる
- 踏み続けた場合にさらにブレーキペダルが入り込む 等
■パーキングブレーキ(サイドブレーキ)レバー
パーキングブレーキは自動車を駐車する際に必ず使用するものです。
ですので、もしパーキングブレーキに異常があれば坂道などで車を停止させる力が弱くなり勝手に動き出してしまう危険があります。
- パーキングブレーキの引きしろ(多すぎないか、少なすぎないか)
- 電動パーキングブレーキの場合は1秒以上押す又は引き警告灯が点灯していないか確認
以下のような場合にはパーキングブレーキに異常がある可能性があります。
- 引いた時のカチカチ音が規定以上する場合
- 警告灯が点灯した場合
■ウィンドウォッシャー
走行前はフロントガラスが汚れていなくても走行中に無視やゴミのせいで汚れてしまう時があります。
こういった場合にその汚れを取るのがウィンドウォッシャーですが、噴射口が詰まっていたり、うまく噴射できない場合には前方が見えにくい状態の走行となり危険です。
- 噴射口が詰まっていないか
- 噴射の向きや角度が正常かどうか
以下のような場合にはウィンドウォッシャーに異常がある可能性があります。
- ウォッシャー液の勢いが無い、出ない
- ワイパーの払拭範囲の中央にウォッシャー液が噴霧しない
■ワイパー
雨の日の走行には必要不可欠な自動車の装置です。
ワイパーが正常に作動しなければフロントに付いた水滴を取り除くことできずに視界が悪い状態で走行する事になってしまいます。
点検する際にワイパーの空まわしはガラスを傷つける事があるので、ウィンドウォッシャーの点検と同時に行いましょう。
- 低速・高速の動作性
- ウォッシャー液がキレイに拭き取れるか
以下のような場合にはワイパーに異常がある可能性があります。
- 拭き取り状態が悪い
■エンジン音や掛かり具合
車の命とも言えるエンジンの点検です。
エンジンの調子が悪いと突然エンスト(エンジンストップ)になってしまう場合があります。
もし走行中にエンストしたら後続車両に追突される危険があります。
- エンジンの掛かり具合(すぐに始動するか)
- アイドリングの状態(むらがないか異音はしないか)
以下のような場合にはエンジンに異常がある可能性があります。
- エンジンの始動が悪い
- 異音がする
■エンジンの低速又は加速の状態
エンジンの走行中の状態の点検作業です。
エンジントラブルが発生した場合には上記を同様追突の危険があります。
- 低速走行時にノッキングやエンストを起こす事がないか
- スムーズに発進するか
- アクセルの踏み具合通りに加速するか
車外の点検
■タイヤの空気圧
タイヤの空気圧が多すぎたり少なすぎたりすると操作がしにくくなったり燃費が悪くなったりする原因となります。
またバースト(破裂)の危険もあります。
空気圧のチェックは見た目か、わからなければタイヤゲージ(空気圧測定器)を使って点検しましょう。
- 接地部分のたわみ具合(空気圧のチェック)
- スペアタイヤのチェックも忘れずに
適正な空気圧は運転席側のドア又はドアを開けた車体部分にラベルが貼られていると思うので確認してみてください。
■タイヤの損傷具合
道路はキレイではなくむしろ汚くいろんなゴミが落ちています。
走行中には気付きにくいですがタイヤは色んなものを踏み時には釘やガラスなどが刺さっている事があります。
このようなタイヤの傷やゴミを放置すると空気圧の減少、パンク・バーストの危険が高まりまってしまいます。
- タイヤに付着したゴミを取り除く
- 亀裂や損傷がないかをチェック
■タイヤの溝
タイヤの溝は車のブレーキやカーブや加速の際に地面しっかり捉える為の重要な要素です。
溝の減少はスリップや制動距離(止まるまでの距離)を伸ばす要因になるので、日常点検の中でしっかりチェックしましょう。
- 溝の深さが1.6mm以上あるか
- スリップサインが出ていないか
画像の▲の印がスリップサイン表示マークです。
この印の先のタイヤの溝が無くなっている状態を「スリップサインが出ている」と言います。
この印はタイヤの周上約6箇所にあり、どこか一箇所でもスリップサインが出ていればタイヤは法律上使用付加となり、新しいタイヤに代えなければいけません。
■ランプ類
車を運転する際に他の車の動き(右に曲がるのか?減速するかなど)は何を見て把握しますか?車のランプを見て把握するんじゃないでしょうか?夜になればその割合はさらに高くなってくると思います。
これはあなたの車の動きも同様に他の運転手はランプを見て把握しているはずです。
そのため日常点検においてランプはしっかりとチェックしておかなければならない部分です。
- ブレーキランプ、ヘッドライト、ウィンカーなどが点灯しているか
- ランプの汚れや損傷
- 照射方向や光の強さをチェック
エンジンルームの点検
エンジンルーム内の点検は以下の項目の液体が切れていないかをチェックしていきます。
車両によってそれぞれの位置が違いますので、車両取扱説明書を見てエンジンルーム内のどこに何があるのか確認しながら点検作業を行ってください。
また必ずエンジンが冷えている走行前に行ってください。
- ウィンドウォッシャーの液量
- ブレーキ液の量
- バッテリーの液量
- 冷却水の量
- エンジンオイルの量
上記の液体の量がそれぞれ上限と下限(目印があります)の間にあること確認します。
液体が不足している場合には上限まで補給してください。
なお冷却水は応急処置の場合は水道水でも構わないようですがサビなどの原因となりますので、専用品を補給するようにしてください。
まとめ
以上のように15箇所の点検ポイントをチェックし、交換や補充が必要であったりなにか異変があれば早期に対処又はプロの整備業者に点検・修理してもらいましょう。
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