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原動機付自転車(以下、原付)の免許を取得すると50cc以下のバイクに乗車する事が出来ます。
原付免許を取得するには適正試験と学科試験と安全運転技能講習を受ける必要があります。
これらの試験と安全運転技能講習を運転免許試験センターで一気に受ける場合には朝から夕方まで時間が掛かります。
県によっては講習を指定自動車教習所で受講して「講習終了証明書」を交付して貰い、運転免許試験センターに提出すれば、当日は試験のみで免許を取得する事が出来る場合も有るようです。
この安全運転技能講習ですが、一昔前は免許取得要件では無かった事をご存知でしたか?試験だけで取得できる時代が有ったようです。
今回はこの安全運転技能講習について紹介していきたいと思います。
安全運転技能講習の法制度化
平成4年に道路交通法が改正され、原付免許を取得する要件に安全運転技能講習が追加されました。
六 原付免許を受けようとする者に対する原動機付自転車の運転に関する講習
安全運転技能講習を免許取得要件にした理由は原付事故の増加です。
原付に乗車した事が無い人が、試験だけで公道に出るわけですから運転技術なんて皆無ですし、最初のうちは慣れない運転・公道ですから事故を誘発してしまいますよね。
そのため、道交法の知識を問うだけで無く運転技術等に関しても免許取得前に少しでも習得して貰えるように安全運転技能講習が免許取得の要件として加えられました。
ちなみに安全運転技能講習は試験ではありません。
あくまで安全の為の講習なので実技でウィリーしようが、原付を倒してしまっても試験合格が剥奪されるわけでは無いので安心して受講してください。
で、安全運転技能講習が法整備される前は全く何もしていなかったのかというとそういう訳でも有りません。
原付免許受験者に対して同じような原付技能講習を任意で実施していました。
しかし、強制では無かったため受講率はかなり低かったようです。
警察や安全運転推進委員会等は、この受講率の低さが事故増加の一因であると考え安全運転技能講習を多くの人が受講するように受験制度を変更しました。
例えば、兵庫県では安全運転技能講習を受講した者は平日も試験を受ける事ができ合格者には免許を即日交付するが、講習を受講しない者は土曜日のみしか試験を受けられないようにして免許の交付は非常に遅い2週間後とする決定をして、講習の参加を促しました。
このような制度変更から法整備に至る過渡期には様々な問題が発生します。
変更内容を全ての人がしっかりと理解できるわけでは有りませんし、勘違いをする人も出てきますからね。
上記で例示した兵庫県での安全運転技能講習に関して一悶着有ったのでその事例を紹介しておきます。
この事例は、まだ安全運転技能講習が免許取得の要件では無かった時の話です。
■事案
原付の安全運転技能講習を受講せずに土曜に受験し不合格となった者が、後日安全運転技能講習を受講し再度試験を受け合格。
この事に関して講習の受講料の強要であると兵庫県に対して訴訟を起こした事案
■判決内容
一審では請求を認められたが、控訴審において請求は棄却されました。
控訴審では、警察が公共の安全と秩序を守るために行った安全運転技能講習の制度内容は適切であり違法とする事は出来ない。
また受講する事が免許取得の要件であると誤解を招いた事は否めないが、受講を強要したとは認められないとして請求を棄却。
受講せずに不合格とされ、受講したら合格となれば受講料を徴収したいだけだと考える気持ちも分からなくも無いですけどね。
安全運転技能講習の内容
安全運転技能講習は実技指導と講談によって構成されています。
■講習内容
講習内容 | |
---|---|
基本操作 | ウィンカーやアクセル・ブレーキなどの基本操作 |
基本走行 | 直線やカーブの走行方法や止まり方など |
応用走行 | 道交法に則った走行方法 |
講談 | 安全運転の知識について |
受講する場所によっては内容が少し異なるかもしれませんが、大きくは異なりません。
■受講できる場所
運転免許試験センター、指定自動車教習所
■受講料
4,200円
* 指定自動車教習所で受講する場合は異なる場合があります。
■受講時間
約3時間
■受講する際の服装
原付に実際に乗車するので、動きやすい服装・靴
下手でも合格は取り消されませんので、自転車の延長だと思って気軽に挑んでくださいね。
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