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高速道路などで落とし物を見かけたことがあるという方はいませんか?
大きな荷物の場合、車がぶつかってしまって大惨事にもなりかねません。
そこでトラックドライバーをはじめとして、積載物が落下しないように荷台に固定するなど、安全義務が課せられています。
もしこれが不十分であった場合、転落等防止措置義務違反という交通違反に問われる可能性がありますよ。
転落等防止措置義務違反は違反点数もつきますし、反則金も発生します。
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転落等防止措置義務違反とはどのような交通違反なの?
トラックに積載物を積み上げたとき、落下しないようにベルトなどを使って固定しますよね。
ところがこの固定が甘かった、うっかり忘れたままで運転した場合、荷物が運行中に落ちてしまうことも十分考えられます。
車を運転しているとき、路上に何か物が落ちているのを見かけたことはありませんか?
これはもしかするとどこぞのトラックが落としていったものかもしれませんね
。実はこの荷物を落とす行為、転落等防止措置義務違反という交通違反に該当しますよ。
転落等防止措置義務違反は道路交通法第71条の4号に基づいて決められていることです。
この中で「貨物の積載を行うような車両に乗る場合には、積載しているものが落っこちてしまったり、飛び散ってしまったりしないような必要な対策を行わないといけない」にと言うような記載があります。
そしてこちらには2もあって、その中で「車に積載しているものがもし道路に落っことしてしまったり、散らかしたりした場合には速やかに落としてしまったものを戻したり、非産物を除去して二次災害の発生しないような措置を講じなければならない」とも明記されていますよ。
このルールに抵触した場合に、転落等防止措置義務違反に相当するわけですね。
まず最初の条項についてですが、積載物の固定を怠った結果荷物を転落させたり、飛散させたりして2次的被害を発生させてしまうと転落等防止措置義務違反になります。
2つ目の方は道路上に荷物を落とした、飛散させたときに必要な措置を行って、危険回避しなかった場合が転落等防止措置義務違反になるというわけですね。
転落等防止措置義務違反になった場合のペナルティはどのような感じ?
転落等防止措置義務違反に問われた場合、当然のことながら違反切符を切られます。
そして処罰を受けることになります。
転落等防止措置義務違反で検挙された場合、まずは行政処分に基づき違反点数が付きます。
転落等防止措置義務違反の場合、違反点数は1点ですよ。
ほかにもいろいろと交通違反がありますが、それと比較して転落等防止措置義務違反はそれほど違反点数は高くないですね。
その意味では転落等防止措置義務違反は交通違反の中では微罪といえるかもしれませんね。
また転落等防止措置義務違反で切符を切られた場合、反則金が課せられます。
転落等防止措置義務違反に伴う反則金は、どの種類の車両を運転していたかによって変わってきます。
大型車を運転しているときに転落等防止措置義務違反となった場合、反則金は7000円で、普通車と二輪車は6000円となっています。
また、小型特殊車や原動機付自転車の場合は5000円となります。
どのような事例が転落等防止措置義務違反になる?
道路上に落下物をそのままにしていると、転落等防止措置義務違反に問われる可能性があります。
しかし事例などを見てみると、一般道よりも高速道路上の落下物に対して転落等防止措置義務違反を問われることが多いようです。
成田市から香取市にかけて、大量のプラスチック片が路上で見つかりました。
その原因を探ったところ、とある産業廃棄物処理業者がトラックで運搬しているときに、荷台から落としていることが判明しました。
そこで香取署はこのプラスチック片を運んでいたトラックドライバーに対して、転落等防止措置義務違反による反則切符を交付しました。
なぜプラスチック片が大量に路上に放置されてしまったのか、それは運搬しているときに荷台に固定していたベルトが切れてしまったことに原因のあることがわかりました。
このようにドライバーのちょっとした油断や気のゆるみによって、転落等防止措置義務違反に問われることになりますよ。
また路上に大量のプラスチック片が散乱している状態は、路面コンディションも急速に悪化します。
そのうえで通行した車両のタイヤが深刻なダメージを受けることも考えられますね。
そして突如としてタイヤがバーストしてしまい、それに伴い運転に深刻な支障を伴うこともあり得ますよね。
転落等防止措置義務違反はそのものが問題であるだけでなく、別の事故やトラブルを誘発する可能性があるわけですよ。
常日頃から転落等防止措置義務違反の対策とトラックなど積載物を載せて走行することの多いドライバーは心がけるべきですね。
転落等防止措置義務違反対策をするには?
転落等防止措置義務違反を犯してしまうと反則切符を切られるのはもちろんですが、別の事故の原因ともなりかねません。
そこで転落等防止措置義務違反対策をしっかり行うことが大事ですよ。
転落等防止措置義務違反対策の基本は、とにかく荷物が走行中落下しないように注意することにつきます。
そのためには、積み荷の固定を徹底して行うことです。
先ほどの転落等防止措置義務違反の事例の中には固定していたベルトが途中でちぎれることもあり得ます。
ワイヤーやロープのような固定器具の状態は定期的に確認することです。
もし劣化の進んでいるものがあれば、速やかに新しいものと交換することが転落等防止措置義務違反対策につながりますよ。
またワイヤーやロープで固定する場合には、固定箇所を多めに取りましょう。
そうすれば積載物がより安定して、転落等防止措置義務違反に問われるリスクも軽減できますよ。
砂利などの運送する場合、ロープなどでは十分に固定できません。
このような場合、転落等防止措置義務違反対策をするためにはシートで全体を覆うと落下物防止に役立ちますね。
特に強風の中を走行する場合、ワイヤーやシートなどをかけていても風で途中飛ばされてしまう危険性もあります。
転落等防止措置義務違反防止のためにも普段より念入りにワイヤーやシートなどをかけることがおすすめですね。
そして高速道路などの場合、早く運搬しようとして速度制限を超過していませんか?
すると風の抵抗がより大きくなって、ワイヤーやシートが外れやすくなります。
落下物を回収するにはどうすればいいの?
落下物が大きい、もしくは広範にわたって散乱している場合には個人ではどうしようもありませんよね。
ましてや高速道路で落下物を出してしまった場合、拾いに行くのは危険です。
もし落下物を出してしまった場合、転落等防止措置義務違反に問われる可能性がありますが具体的にどうすればいいかについてみていきますね。
道路緊急ダイヤルというものがあります。
これは高速道路などの落下物に対応するための緊急電話の一種です。
固定電話はもちろんのこと、携帯電話からでも連絡は可能ですよ。
「#9910」とダイヤルすると受け付けてもらえます。
ちなみにこちらの道路緊急ダイヤルは、自分が走行している道路を管理している会社に直接かかります。
24時間いつでも受け付けてもらえます。
その際は三角表示板などを立てて、よりトラブルが起きていることを周囲に知らせるように努めることも大事です。
もちろんこのような通報をしても、転落等防止措置義務違反に問われる可能性はあります。
しかし転落等防止措置義務違反になっても早く道路管理者に通報することで、速やかな落下物の撤去を行って、二次災害を避けることが大切です。
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