この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。
高速道路上は、路肩も含め原則駐停車禁止です。
違反した場合は、点数が加点され反則金を支払わなければなりません。
ただし、故障した場合など、やむを得ない理由が有れば例外として駐停車が認められています。
もし高速道路で駐停車せざるを得なくなった場合は、事故を防止する為の処置・行動を取るようにして下さい。
【原則】高速道路上は駐停車禁止-違反点数や反則金はどれくらい?
冒頭でも書いたように、道路交通法により高速道路上では原則駐停車は禁止されています。
(停車及び駐車の禁止)
第七十五条の八 自動車(これにより牽引されるための構造及び装置を有する車両を含む。以下この条において同じ。)は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。
違反した場合は駐停車違反となり、一般道路の場合と同様に点数と反則金が課されます。
また、運転手がその場から離れてしまい、すぐに車を運転出来ない状態であれば、放置駐車違反として点数と反則金が課されます。
違反名 | 点数 | 反則金(普通車) |
---|---|---|
駐停車違反 | 2点 | 12,000円 |
放置駐車違反 | 3点 | 18,000円 |
(出典:交通違反の点数一覧表 警視庁)
ただし、やむを得ない理由が有る場合などは、例外として高速道路でも駐停車して構いません。
高速道路で駐停車しても良い場合
以下のような場合は、例外として高速道路でも駐停車する事が出来ます。
- ① 地震発生時など、危険を回避する為の一時停止
- ② 事故・故障・急病など、止むを得ない場合に十分な幅の有る路肩や路側帯に駐停車
- ③ 料金支払いの為の料金所での停車
- ④ SA・PAでの駐停車
【注意】危険回避の為の一時停止
①の「危険」は地震や火災などが考えれます。
そのまま運転するのは非常に危険なので「やむを得ない停車」として認められています。
ただし、注意して欲しいのは全部の車が一時停止するとは限らない点です。
例えば、地震が発生した場合でも、揺れに気付かない運転手もいれば、気付いたとしても危険性が有ると思わない運転手もいます。
このような運転手が後ろを走行していた場合、急に一時停止をすると追突される危険性が有ります。
そのため、急ブレーキで停車するのではなく、まずハザードランプを点灯し、それから減速をするようにしましょう。
電話をするために路肩又は路側帯に停車するのは違反?
高速道路を走行していると、路肩や路側帯に車を停車して電話をしているドライバーをたまに見かけます。
確かに高速道路上であっても、運転をしながら携帯電話・スマホを操作する事は違反となり、このドライバーの行動は正しいように思えます。
しかし「電話をする行為」は上記②の止むを得ない場合には含まれません。
つまり、駐停車違反となるわけです。
電話は最寄りのSA・PAで駐車してから掛けるようにしましょう。
高速道路で駐停車する際の正しい対処法
上記②の通り、事故・故障・急病などやむを得ない理由が有る場合は高速道路上での駐停車が認められています。
この時、ただ駐停車すれば良いわけでなく、やるべき事がいくつか有ります。
これから「やるべき事(正しい対処法)」について説明しますが、実際に行う時は細心の注意を払って行うようにして下さい。
駐停車車両への追突事故や降車中の人身事故が多発しているためです。
それでは「やるべき事(正しい対処法)」について見ていきましょう。
【手順1】ハザードランプを点灯して路肩又は路側帯に停車
前述したように、まず追突防止の為にハザードランプを点灯させます。
そして、点灯させたまま路肩又は路側帯に車を停車させます。
事故や故障などで車が動かず、路肩又は路側帯に停車出来ない事も有ります。
その場合は仕方無いので【手順2】に移って下さい。
本線上に駐停車させる事になるので、降車・移動の際は十二分に注意して下さいね。
【手順2】同乗者はガードレールの外などに避難
停車後、同乗者は車から降りてガードレールの外など安全な場所に避難します。
この行動を取らない人がドライバーも含めて非常に多いです。
車内の方が安全に思えるからでしょう。
しかし、路肩に停車中であっても後続車に追突される恐れが有り、車内に留まる事は非常に危険です。
本線停車中ならなおさらです。
そのため、車から降りて安全な場所に避難して下さい。
避難する際は後続車両に注意して降車・移動を行いましょう。
なお、避難する場所は車から少し離れた位置(車の後方)にしましょう。
車の側ではたとえガードレールの外にいても追突事故に巻き込まれる危険性が有るためです。
【手順3】三角表示板や発煙筒を車の後方に設置
後続車両に停車車両が有る事を知らせる為に三角表示板や発煙筒を設置します。
設置する位置は車の50m以上後方です。
この際、後続車両に十分注意して設置して下さい。
なお、発煙筒は助手席の足元に有ります。
使用方法はキャップを開いて、マッチのように先端部分を擦って点火させます。
高速道路で三角表示板等を設置するのは非常に危険ですが、後続車両に危険を知らせる必要性が有り、また運転手に設置義務が課せられているので、細心の注意を払って設置して下さい。
設置後はガードレールの外など安全な場所に避難して下さい。
【手順4】道路緊急ダイヤルや非常電話などで通報
そして最後に携帯電話又は道路上に設置されている非常電話で通報します。
非常電話とは、高速道路上に1km毎に設置されている電話です。
自動的に道路管理者に電話が繋がるようになっています。
携帯電話での通報先は以下の通りです。
- 事故の場合・・・110番(警察)
- 故障等の場合・・・#9910(道路管理者)
通報する内容は以下の通りです。
- 事故・故障の状況(例:パンクして路肩に停車、車と車の追突事故で本線に停車)
- 停車場所(例:○○まで何kmなどの看板やキロポスト)
- 負傷者の有無(例:意識の有無、出血の程度など) 等
キロポストとは、各高速道路の起点となる位置からのキロ数が表示された標識です。
緑地に白の文字でキロ数だけが書かれた標識と白地に緑の文字で書かれた標識(小数点で100m単位まで表示)が有ります。
キロポストの数字を伝える事で道路管理者等は瞬時に停車位置を把握する事が出来ます。
通報をすると、高速道路に設置されている電光掲示板に「この先故障車有り」や「停止車両有り」などと表示され、追突される可能性を低くする事が出来ます。
また、本線に停車しているのであれば、高速機動隊などが派遣され交通規制を行ってくれます。
これらの通報が終わってから、保険会社やロードサービスなどに連絡を入れるようにしましょう。
事故や故障が発生した場合は、冷静に行動するのは難しいかと思いますが、まずは身の安全を第一に考え、そして今回紹介した手順を焦らず1つずつ行っていって下さいね。
関連記事をチェックする