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交通違反を犯してしまった場合には「反則金はいくらだろう」と考えてしまいますよね。今現在は「交通違反=反則金」と当たり前のように考えていますが、交通違反は犯罪行為ですので、原則としては刑事裁判や家庭裁判所の審判(未成年の場合)で裁かれるべきものです。
では、なぜ刑事手続きを受けなくていいのか?というと、昭和43年に制定された「交通反則金通告制度」によって、軽微な違反については「反則金の納付と行政処分のみ」で処理する事になったからです。今回は、この「交通反則金通告制度の仕組みや手続きの流れ」について説明していきたいと思います。
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交通反則金通告制度の仕組みと手続きの流れ
軽微な違反(一旦停止違反や信号無視など)をした場合には、警察官から交通反則告知書を渡されます(道路交通法第126条1項)。
この交通反則告知書は青い色をしているので通称「青キップ」と呼ばれており、記載されている内容は「違反の内容、反則金額、出頭日時・場所」などです。
反則金の仮納付の期限や納付方法
交通反則告知書を受け取った反則者は、告知書に不服が無ければ違反した日の翌日から7日以内に、反則金を指定された郵便局か銀行で仮納付をします。
仮納付を済ませれば、他に反則者がやることは有りません。強いていうなら銀行・郵便局の受領書を大切に保管する事ぐらいです。
やることはこれだけなのに、なぜ「仮納付」なのかと言うと、ただ単純に次の反則金の納付と区別するためですので、支払さえ済ませれば後は心配する必要はありません。
通告書と反則金の納付
仮納付をしなかった場合や忘れた場合には、警察署から反則金の納付の通告書が送付されてきます。この場合には、通告があった日の翌日から10日以内に反則金と送付に要した費用を支払えば、刑事処分を受けずに済みます。こちらも支払いは郵便局または銀行です。
もし納付期限が「土曜日・日曜日・祝日・大晦日・正月の三が日」だった場合には、次の平日が期限となります。
また、違反の告知に不服がある場合には、告知書に記載されている出頭日に指定された場所に赴き不服の申立を行います。申立が認められれば、反則内容は訂正されます。
交通反則金通告制度の制定理由
通常、交通違反を犯すと【原則として刑事手続】が行われます。
しかし、全ての交通違反に対して刑事手続を行うと、以下の様な弊害が発生します。
- 検察官・裁判所の処理件数が膨大になり、日本の司法制度そのものが上手く回らなくなる
- 全ての交通違反者に前科がついてしまう
これらの弊害を排除するために、軽微な交通違反に対しては「交通反則通告制度」を制定して、警察の処理のみで済ます事にしたのです。(刑事手続を省略出来るようにした)。
検挙する側としても検挙される側としても、利便性の高い制度ですね。ただ、交通反則通告制度に慣れてしまっている現在では検挙されて利便性を感じる事は皆無だと思いますが。
反則金を納付しないと刑事手続きにすすむ
反則金を支払う事で「刑事手続き」を避ける事が出来るのが交通反則通告制度です。
従って、反則金を納付しなければ、原則通りに刑事手続きを行う事になります。そのため、交通違反の内容に不服が無いのであれば、しっかりと期限内に反則金を納付するようにしましょう。こんなことで前科を付けられてはたまったものじゃ有りませんよ。
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