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交通事故に遭ったり見かけたりした時に、事故に巻き込まれて怪我をした人に対して応急措置・応急手当をしなければならない時があります。
免許を持っている人であれば、教習所の講義の中で応急措置について学習したと思いますが記憶というものは非常に曖昧なので、もう講習の内容を全然覚えていないという人も多いでしょう。
そのため今回は応急手当の心得から実際の手順またAEDの操作方法について紹介していきたいと思います。
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応急措置・応急手当の心得
手順や方法を紹介する前に救命措置の基本的な心得を紹介します。
交通事故を中心に話をしていきますが水難事故や火事などの場面でも基本的な心得は同じですのでしっかりと読んでそういった事故現場に遭遇した時に活かして貰えたらと思います。
- 二次災害の防止
- 周りの人にも助けを求める
- 消防への119通報
- 勇気を持って人命救助を行う
二次災害の防止
二次災害とは助けようとした人も怪我をしたり遭難したり被害に遭ってしまう事を言います。
例えば交通事故で考えると「車道上に倒れている被害者を助けるために駆けつけたところ後続車にはねられた」なんて事が2次災害に該当しますね。
その他にもガソリンに引火して車両が炎上する事も考えられます。
そのため応急措置・応急手当を行う際には二次災害に巻き込まれないように周りの状況に注意を払って行うようにしてください。
周りの人にも助けを求める
周りの人に「負傷者がいる事を知らせる」「119番通報を行ってもらう事」「医師や看護師がいないかの確認をしてもらう(率先して対応していると思いますが)」「交通整理を手伝ってもらう」など互いに助けあって応急措置・応急手当を行うようにしましょう。
全員で助け合う事で人命救助の確率はぐんと上がります。
あと、頚椎(首の骨や神経)を負傷している可能性がある場合に、むやみに怪我人を移動させると頚椎を損傷してその後、体にマヒなどの後遺障害を負ってしまう事も考えられますので1人で対処する事なく周りの人と連携し交通整理を行うなどして救急隊員が到着するのを待つべきでしょう。
消防への119通報
119番通報は消防車や救急車を呼ぶ事だけが目的ではありません。
通報を受ける担当者も消防職員なので応急措置・応急手当の知識は当然に有しています。
パニックになる前に電話をして助言・指示などを貰いながら応急措置・応急手当に当たるようにしましょう。
勇気を持って人命救助を行う
目の前で事故があって怪我人が居たとしても、いざ実際に事故現場に立ち会うとやはり一歩目がなかなか踏み出せない人もなかにはいるでしょう。
ですが、怪我人が心肺・呼吸停止状態や大量に出血しているような場合に何もしなければ確実に死亡してしまいます。
(photo by wikpedia Cale curve)
図を見てもらうとわかるように心肺停止から3分で50%の死亡率となっています。
この数値はあくまで目安ですが応急措置・応急手当を行う事で怪我人の生存率が高くなる事が分かると思います。
勇気を持って人命救助に当たりましょう。
以上が応急措置・応急手当の心得となります。
それでは心肺停止・呼吸停止の怪我人に対しての一次救命措置の方法・手順について紹介していきます。
救命措置の手順・方法
一次救命措置の手順・方法について紹介しますが、まず応急措置・応急手当の心得で記載した「二次災害の防止」「周りの人に助けを求める事」「消防への119番通報」をしっかりと行ってください。
では、以上の事をしっかりと行った上での一次救命措置の方法・手順またそれぞれの注意点については以下の通りです。
■①怪我人の意識の確認
怪我人の肩を軽く叩きながら耳元で声を掛け意識を確認します
■②周りの人との役割分担
119番通報やAEDの手配など周りの人と協力する事
■③心肺停止の確認
胸部・腹部の動きを5秒~10秒観察し呼吸の有無を確認する
■④胸骨圧迫
心肺停止と判断した場合、胸骨圧迫を行います。
手のひらを重ねて、胸骨の下半分辺りを5㎝(子供の場合は3分の1ほど)ほど下がるぐらい圧迫し毎分100回のテンポで30回圧迫します。
この際1回毎に元の胸の高さまで戻るように圧迫しましょう。
■⑤気道確保
額を抑え、もう一方の手でアゴ先を持ち上げるようにし気道を確保します。
■⑥人工呼吸
怪我人の鼻をつまみ胸を見ながら1秒ほど息を吹き込み、鼻から指を離し自然に空気が出るようにします。
人口呼吸を2回、胸骨圧迫を30回これを1セットとしてAED又は救急隊員が到着するまで繰り返します。
周りに人がいれば交代しながら行いましょう。
交代する場合は胸骨圧迫の中断時間を短くしましょう。
一次救命措置中にAEDが到着した場合にはAEDを用いて救命措置を行います。
AEDの使用方法
AEDは心肺停止となった人に対して電気ショックを与え正常なリズムに戻す為の医療機器です。
このAEDについての使用手順や方法について紹介しますが、基本的にAEDは音声で指示を出してくれますので、その指示に従いながら操作する事になります。
■①怪我人の衣服を取り除く
この際も心肺蘇生は中断しないように。
■②怪我人の胸部の確認
濡れている場合や薬が塗られている・貼られている場合は取り除きます。
■③電極パッドを貼る
電極パッドにイラストがありますのでその通りに貼るようにしましょう。
■④AEDが心電図解析を行う
心電図解析中は心肺蘇生を中断し怪我人から離れてください。
■⑤電気ショック
充電が終了し、AEDから電気ショックの指示が出るので怪我人に誰も触れていない事を確認して電気ショックボタンを押します。
■⑥心肺蘇生開始
電気ショック後は再度心肺蘇生を開始しAEDの指示に従います。
心肺蘇生からAEDの使用まで一連の一次救命措置の流れについて紹介してきました。
これらを怪我人が正常な呼吸を回復するまで、又は意識が戻るまで、そして救急隊員が到着するまで行う事になります。
文字だけではわかりにくいかもしれませんので、日本赤十字社の一次救命措置の動画も載せておきますので参考にしてください。
AEDの設置場所
AEDは医療施設や学校、公共交通機関などに設置されていますので自分がAEDを取りに行く場合は歩行者や近くの家の人に場所を聞いて取りに行きましょう。
もし誰もいなければこちらのAED設置場所を検索できるサイトがありますので利用するようにしてください。
救命措置公的講習について
自分なんかが救命措置をして状態を悪化させてしまったらどうしよう・・・と不安になる人もいると思います。
そんな不安を拭い去るために、消防署や防災センターなどで救命講習を受ける事ができます。
様々な講習内容がありますが、上記のような一般の人が行う救命措置は普通救命講習を受けることによって学ぶ事ができます。
興味のある人は、最寄りの消防署に救命講習について問い合わせしてみると、快く回答してくれますよ。
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