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新しい車に乗り換える時や今より安い保険会社を見つけた時などに自動車保険の切り換えを検討する人は多いと思います。
ただ、切り替えって結構疑問に思うところが多いですよね。
「満期前に自動車保険をきり換えたら等級は引き継がれるのか?」
「契約途中に任意保険を切り替えたら支払った保険料はどうなる?」
「切り替え時の保険会社への連絡などの手続きは?」
などなど。
特に等級と保険料については気になるところでしょう。
何も確認せずに他社から切り換えると「等級が引き継がれない」可能性も有るので、まずは自動車保険の切り換え時の注意点を抑えてから手続きを行いましょう!
車を乗り換えた事によって、旧車から新車への自動車保険の切り替え(車両入替手続き)について知りたい人は以下の記事を参考にしてください。
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自動車保険を切り換える時の注意点・デメリット
自動車保険を切り換える時に注意して欲しいのが以下の4点です。
- 等級の引継ぎ・進行の遅れ
- 返還される保険料(解約返戻金)が目減り
- 中途解約で切り換える場合、インターネット割引が適用されない
- 空白の補償期間の発生
それぞれ詳しく見ていきましょう。
等級の引継ぎについて~手続きのタイミングが重要~
他社へ切り換える際に一番注意しなければならない点が「等級の引継ぎ」です。手続きを間違えると、等級の引継ぎが適切に行われず、再度6等級からスタートとなってしまう可能性が有ります。
これを防ぐには、手続きのタイミングが重要です。
- 満期日を待って切り換える場合・・・満期日から8日以内に保険始期日(保険が開始される日)がくるように手続きを行う
- 契約の途中で切り換える場合・・・「解約日」と「保険始期日」が一致するように手続きを行う
なお、契約の途中で切り換える場合も「保険始期日が解約日から8日以内」であれば、基本的に等級が引き継がれるはずです。
ただ日本損害保険協会が「契約途中に保険会社を切り換える時の注意点」として上記のように注意喚起しているので、それに従っておいた方が良いでしょう。
また、補償の空白期間を生まないためにも一致させておくべきです。
上記の時期を守って手続きを行えば、等級が無事引き継がれます。
【注意点1】損保と共済で切り替えする場合
ただし、損保・共済間での切り換えを検討している場合は、タイミングに関係なく、等級が引き継げない場合があります。
「どの共済からの切り換えなのか」「どの共済への切り換えなのか」がポイントになるので、この点は切り換え前にしっかりと確認しておきましょう。
【重要】「保険会社間」での自動車保険の等級の引継ぎ(他社への乗り換え)
【注意点2】事故有等級の場合
事故有等級の場合、他の自動車保険へ切り換えても事故有等級及び事故有係数適用期間が引き継がれます。
また、現在の契約期間中に事故を起こしている場合、引き継がれる等級は現在の等級から1等級または3等級ダウンした等級です。
他社へ切り換えても事故有等級はリセットされないので注意してください。
契約途中で切り換える場合には等級の進行が遅れる
ノンフリート等級は1年間の契約を満了する事で翌年の更新時に等級が1つ上がる仕組みになっています(その間、等級ダウン事故を起こしていない事も条件の1つです)。
そのため、契約期間中に他社へ切り換えてしまうと、等級自体は引き継がれるものの、等級が上がるタイミングは切り換えた時から1年後となってしまいます。つまり、「等級の進行が遅れる」というデメリットが有るんです。
たとえば、2018年4月1日~2019年4月1日が契約期間の自動車保険に入っていたが、2018年9月1日に保険会社を切り替えた場合、等級が1つ上がる時期は「2019年9月1日」になります。
自動車保険の切り替えをしていなければ、2019年4月1日に等級が上がるはずでしたから、等級の進行が5ヶ月遅れた事になります。
つまり、「切り替え前の自動車保険の契約期間はノンフリート等級制度の進行計算期間には含まれない」という訳ですね。
たかが1等級とはいえ、割引率で見ると結構差が出てきますので、満期前に自動車保険を切り換える時は
- 【保険会社を変える事で節約できる保険料の金額】
- 【ノンフリート等級の進行が遅れる事で発生する無駄な保険料】
○保険期間通算特則が適用されるなら等級の進行に影響はない
保険期間通算特則とは、切り換え前後の保険契約をそれぞれ短期契約とし、それぞれの保険期間を合算して1年間の保険契約とみなす制度です。
つまり、保険期間通算特則を利用できれば、満期前に保険会社を変更しても通常通り等級が進行していく事になります。
なお、保険期間通算特則を利用できる条件は、以下の通りです。
- 「解約日」と「保険始期日」を一致させる事
- 現在の契約で保険金を請求していない事
ただし、この保険期間通算特則は東京海上日動や損保ジャパンなどの一部の代理店型の保険会社しか扱っていません。利用できるケースが少ないのが現状です。
また、契約期間の途中にあえて自動車保険を切り換える目的は、保険料が安い自動車保険に契約を変更する事ですよね。
代理店型の自動車保険はそもそもの保険料が高いので、保険期間通算特則によってデメリットが解消されたとしても、本体の目的を達成できない可能性が高いです。
そのため、代理店型の自動車保険に切り換えたいという人以外は、保険期間通算特則の事をあまり気にする必要はないと思います。
なお、保険代理店の販売員が切り換えのメリットとしてこの特則を全面に押し出してくるかもしれませんが、本来の目的を見失わないように注意してくださいね。
解約時に返還される保険料(解約返戻金)が目減り
自動車保険を中途解約する場合、解約時に支払った保険料が返還されます。これを解約返戻金といいます。
年払いの場合、解約返戻金は、ほとんどの自動車保険で「短期率」という数値を用いて計算されます。この短期率が曲者で、残り期間に応じた月割計算よりも解約返戻金が目減りしてしまうんです。
たとえば、年間保険料が40,000万円の契約を半年の契約期間を残して解約した場合、短期率で計算された解約返戻金は40,000円×30%=12,000円となります。
一方、月割で計算すると半分ですから20,000円です。この場合では、解約返戻金が8,000円目減りしてしまいます。
どのタイミングで解約しても、基本的に損をする事になるので、自動車保険を切り換える際は目減りする保険料についても検討するようにしてください。
中途解約で切り換える場合、インターネット割引が適用されない
現在契約している自動車保険を満期前に解約して、他社に切り替える場合、つまり中途解約をする場合には、ほとんどの保険会社でインターネット割引が適用されない点には注意が必要です。
というのも、インターネット割引は、ネットを介して見積・申込をする事で10,000円などの割引を受けられる割引制度なのですが、中途解約をして切り替える場合にはネットからの申込が出来ず「電話での申込」となるためです。
以下の表は、各ダイレクト型自動車保険の中途解約に対するインターネット割引の適用可否をまとめたものです。
保険会社 | ネット割引の可否 |
---|---|
ソニー損保 | 不可 |
イーデザイン損保 | 不可 |
SBI損保 | 不可 |
チューリッヒ | 不可 |
そんぽ24 | 不可 |
アクサダイレクト | 不可 |
三井ダイレクト | 不可 |
セコム損保 | 不可 |
セゾン自動車 | 可 |
このようにセゾン自動車火災保険以外では、インターネット割引が適用されません。
なお、3年や5年などの長期契約を結んでいる場合は、その契約の保険始期日と年違いの保険始期日となるように切り替え手続きをすれば、インターネットによる手続きが可能な保険会社が多いです。もちろん、ネット割引も適用されます。
例:3年間の長期契約の保険始期日が2018年4月1日の場合、2019年4月1日又は2020年4月1日が保険始期日となるように切り替え手続きを行えば、ネットでの手続き・割引が可能です。
中途解約を検討する際に保険料を比較すると思いますが、各保険会社が提示する見積保険料はインターネット割引適用後の金額になっているので、割引適用前の金額で比較するようにしてください。
切り換えのタイミングがズレると空白の補償期間が発生
自動車保険を切り換える際に注意してほしいのが「補償期間の空白」です。
「現在の契約の満期日まで待って切り換える場合」も「中途解約して切り換える場合」も満期日又は解約日と次の契約の保険始期日との間に隙間が生じてしまうと、その間無保険状態となってしまいます。
無保険状態の時に事故を起こすと、当然自動車保険の補償を受ける事はできません。ここは本当に注意が必要です。
そのため、「満期日または解約日」と「保険始期日」が同日となるように、余裕をもって切り換え手続きを行うようにしましょう。もしタイミングにズレが生じてしまった場合は、切り換えた自動車保険の補償が開始されるまで車の運転は控えましょう。
自動車保険を切り替える際の手続き・方法
自動車保険を切り替える際の注意点をおさえたところで、切り替え手続きについて見ていきましょう。
「満期日前に切り換える場合」と「満期日に切り換える場合」に分けて紹介しますね。
なお、いずれの場合も「等級の引き継ぎ」や「補償期間の空白」などを考慮して、「解約日または満期日」と「切り換え先の自動車保険の保険始期日」が同日になるように手続きを進めていきましょう。
【満期日前に切り換える場合】契約している保険会社の解約手続きが必要
契約期間の途中で解約して切り替える場合、「契約している保険会社の解約手続き」と「切り替え先の保険会社の申込手続き」を同時並行で行います。
切り替え手続きのおおまかな流れは以下の通りです。
■解約手続き(契約中の保険会社で行う)
-
- ① 契約を切り替える事を伝え、必要な書類(契約内容変更依頼書等)を郵送してもらう(電話・ネットで解約できる保険もある)
- ② 書類に必要事項を記入し返送する
- ③ 書類に不備が無ければ手続き完了(後日、解約手続き完了のお知らせが届く)
■申込手続き(切り替え先の保険会社で行う)
- ① 保険会社に中途解約である事を伝え、保険料の見積もりを取ってもらう
- ② 見積を確認し、契約内容を決定する
- ③ 申込書に記入するなど、契約手続きを行う
解約日は、解約の申し出日以降の日付を設定できます(解約の連絡をした日の当日を解約日として手続きを勧める事も可能)。
ただし、保険会社によっては解約手続きに関する書類の受理日以降を解約日とする場合もあるので、契約している保険会社に要確認。
一方、切り替え先の保険始期日は、代理店型なら最短で当日、ダイレクト型なら最短で申込日の翌日を指定できます。
スケジューリングが難しいところですが、そこまで急ぐ必要はないのかなと思います。書類の不備などによって「解約日」と「保険始期日」がズレてしまってはいけませんからね。
なので1週間から2週間先を切り替え予定日として設定し、確実に手続きを進めていきましょう。
【満期日に切り換える場合】契約している保険会社に連絡が必要な場合がある
満期日に自動車保険を切り替える場合には、基本的に特別な手続きは必要ありません。通常通り、切り替え先の自動車保険で加入手続きを進めていくだけでOKです(解約手続きは不要)。
ただし、現在契約している自動車保険によっては「自動更新特約(名称は色々)」が付帯されている事があるので、その場合には更新しない旨を連絡する必要があります。
なお、自動更新特約によって契約が更新された旨の通知が来ていたとしても、保険会社に連絡をすれば更新手続きを解除してくれます。
いつから自動車保険の切り替え手続きができる?
一般的に、自動車保険の切り替え手続き(申込手続き)ができるようになるのは、保険始期日の約3ヶ月前からです。そこまで焦って手続きを行う必要はありませんが、この頃から保険料を比較して切り替え先の自動車保険をどこにするのか、選別していきましょう。
なお、早期に契約を結ぶと保険料の割引を受けられる保険会社もあります。(参考:早期契約割引が有る保険会社一覧)
いずれの場合も必要書類は同じ
各手続きで「契約内容変更依頼書」や「契約申込書」などが必要になる場合がありますが、これらの書類は保険会社側が用意するものなので気にする必要はありません(ネットや電話で手続きする場合は不要な場合もあります)。
契約者が用意する必要書類は以下の通りです。
- 車検証
- 運転免許証
- 保険証券
なお、解約返戻金が発生する場合は、振込先の口座番号が必要になるのでメモしておきましょう。
乗り換えは補償内容見直しのチャンス
乗り換えは補償内容の見直しのチャンスでもあります。
1年間無事故で保険料が安くなるのに合わせて、これまでより補償を充実させたり、家族限定特約がある場合に家族の中で誕生日を迎えて年齢条件を変更できないかなどを確認しましょう。
年齢条件の変更は契約期間中でもできるのですが、忘れてしまいがちです。
乗り換えの機会に保険料が安くなる要素がないかを、チェックをするのがポイントになります。
たとえば、これまで代理店型のA社に加入していたとします。
その時は29歳で15等級、26歳以上補償、夫婦限定、日常・レジャー目的、ゴールド免許で走行距離5000キロ未満、対人対物無制限、人身傷害3000万円、搭乗者傷害500万、車両保険一般型で年間保険料は75190円でした。
ダイレクト型のB社に乗り換える際は30歳になっており、16等級、30歳以上補償、夫婦限定、レジャー目的、ゴールド免許で走行距離5000キロ未満で、対人対物無制限、人身傷害は5000万円にアップ、搭乗者傷害も1000万にアップさせ、車両保険一般型とすると、年間保険料は48370円と大幅安くなる事もあります。
保険会社の変更や年齢条件の見直しなどにより、補償は充実させたのに保険料が安くなることもあります。
単に保険料を下げることばかり考えず、補償充実への見直しも検討しましょう。
まとめ
「自動車保険の切り替え」についての注意点やデメリット、手続きなどを紹介してきました。
特に中途解約による切り替えを検討している人は、注意点・デメリットを理解して判断するようにしてくださいね。
なお、満期日まで切り替えを我慢しようと思った人は、現在の契約内容の見直しを行って保険料の節約を行っておきましょう。
- 不要な補償を付帯していないのか?
- 使用目的や運転者限定条件などが適切に設定されているか? など
無駄に高い保険料を払っていた・・・なんて事もあるので、確認してみてくださいね。
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