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交通事故にあった場合、被害者は依頼する弁護士によって受け取れる損害賠償金が変わる事は多いにあります。
依頼せずに自分自身で頑張るよりは適当に選んだ弁護士の方が金額は多くなるかもしれませんが、信頼できる実績がある交通専門の弁護士に依頼するのとしないのとでは雲泥の差が出ることもしばしば。
では、自分にあった交通事故専門の弁護士を探すにはどうしたらいいでしょうか?
「2種類」の交通事故専門弁護士
弁護士を探す前提として、世の中には自動車事故関係の弁護士には2種類いるとを知っておきましょう。
それは以下の2種類です。
- 損保、共済を顧客のメインにしている加害者側の弁護士
- 一般の被害者を顧客にしている被害者側の弁護士
加害者側の弁護士の数は多く、被害者側の弁護士は圧倒的に少ないです。
加害者側の弁護をメインとしている弁護士が被害者側の弁護にたつことも稀にあり得ます。
そうなった場合には強い味方となり得ますが、被害者の加入している保険が、自身が日常的に業務を依頼してもらっている損保会社のものだった場合その弁護士は被害者の依頼を断ることになります。
しかも通常、加害者側の弁護士は複数の保険会社の弁護を引き受けているので実質的に加害者側の弁護士が被害者側の弁護につくことはなかなか無いと言えます。
弁護士の見つけ方・探し方
ではたくさんの弁護士が事務所を抱えており、さらに2種類の交通事故弁護士がいる中から被害者側の弁護士はどうやってみつければいいか?
弁護士の見つけ方については以下の3つが近年の一般的な方法でしょう。
- 知り合いに信頼できる交通事故専門の弁護士を紹介してもらう。
- インターネットを活用して、交通事故専門の弁護士を検索し、良さげな弁護士に連絡をする。
- 交通事故や保険に関する書籍を本屋で読み、内容が分かりやすく信頼できそうな著書に連絡をとる。
知り合いに紹介してもらうというのは以前は一番メジャーな方法でしたが、最近はインターネットが常識となってきているのでインターネットを活用する方法が一番メジャーですね。
「交通事故 弁護士」などで検索をするとすぐに交通事故を得意としている弁護士が検索結果としてたくさんでてきます。
もしご高齢の方でインターネットはちょっと。。という方でも知り合いにインターネットで調べてもらうということも多いと思います。
ところがその便利なインターネット検索にも注意点があります。
インターネットで弁護士を検索するときの注意点
インターネットが身近なものとなり様々な情報を簡単に手に入れられるようになった反面、情報量が多くなり逆に困惑するという事態にもなりかねません。
また、ビジネス面においては広告宣伝費に金をかけると上記にある「交通事故 弁護士」というキーワードで検索したときに上位に出てくるようにするということも可能です。
そういった意味では、依頼者側で弁護士をインターネットで探しているときに、必ずしも本当に交通事故を専門とした弁護士が上位に出てくるとは限りません。
様々な専門領域。。例えば相続・離婚訴訟・過払い金請求・医療過誤・労働問題など、個人のクリニックでやたらと診療科がたくさん看板に記載されているのと同じ様に小規模の弁護士事務所でも何でもかんでも集客の為に業務内容を多く書いている弁護士のホームページもあり、その一つとして交通事故というキーワードを入れている方もいます。
そういった弁護士の場合は
交通事故をホームページで謳ってはいるものの業務をすることはできるけど得意ではない、さらには一度も案件を受けたことがないという事もあり得ます。
そういった弁護士や医者に仕事を依頼すると、ベストな結果にたどり着かない可能性があります。
実際のところ交通事故専門の弁護士というのはインターネットで検索したときに出てくる検索結果と比べるとはるかに少ないのが現状です。
というのも通常の弁護士にとって交通事故に関する業務というのは保険業法や損保会社とのやりとり、保険の仕組みなど交通事故関連業務にしか使えない知識や経験を大量に蓄える必要がありなかなか参入障壁が高いからです。
ひどい場合になると交通事故に遭い、弁護士事務所に相談にいき人身障害補償保険を使えるかを聞いたところ、「人身傷害補償保険って何??約款みせてください」というような弁護士もいます。
そのような弁護士に自動車事故案件を依頼することはかなり不安ですよね、
そもそも得意でないならそういった案件を受任する事自体どうかと思いますが、弁護士も案件がないと生活ができないですからね。。。
いい弁護士を探すことは自己責任でもあります。
まとめ
このように見てくると情報のあふれる最近のネット社会で最高の弁護士を見つけるのはなかなか難しいともいえますね。本気で探すなら、自分の住んでいる地域だけでなく広範囲で検索をして、2〜3人の弁護士に相談して見つからなかったとしても妥協せずに納得いく弁護士が見つかるまで頑張ることが必要ですね。
損害賠償は金額も大きいですし、何より専門外の弁護士に担当されて納得のいく結果が得られない場合悔やんでも悔やみきれません。
それだけ頑張って探すだけのメリットは十分にあると思いますよ!
専門家からのコメント
中村 傑 (Suguru Nakamura)
大垣共立銀行を退職後、東京海上日動火災保険に代理店研修生として入社。研修期間を経て、2015年に独立開業。2020年に株式会社として法人成り、現在に至る。家業が自動車販売業であり事業承継者でもある。車と保険の両方の業務を兼務しており、専門領域が広い事が強み。
【コメント】
一般的に普通の生活をしていて弁護士にお世話になる事はないのが普通です。弁護士の知り合いがいるというのは、経営者くらいだと思います。
私も保険業界に入るまで、弁護士と接点を持つ事はありませんでした。現在は、5人ほどの弁護士の先生と交流させて頂いており、内容に応じて相談する弁護士を決めています。
弁護士とひとくくりに言っても様々な方がおみえです。
損害保険会社の顧問弁護士となり、保険会社の事故の案件の訴訟を担当する弁護士、大手弁護士事務所に籍を置く弁護士、個人事務所を開業する弁護士。良い弁護士の見極めというのは難しいですが、交通事故の訴訟を委任する場合については、全く面識がない方よりも、知り合いの紹介など、何らかの繋がりがある方を頼った方が経験上良いと思います。
後は、重要となるのは相性です。一般的に交通事故の訴訟(裁判)となると、実際に裁判が行われるまで1年近くの時間を要しますので、自分の意を汲み取ってくれる方に委任するのが望ましいと思います。
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