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損保会社の示談担当者の仕事は、端的にいうと被害者との示談交渉を「スピーディーに適切な金額」でまとめ上げる事です。尚且つ、損保側に過大な負担金が発生しないように示談をまとめあげられる人材は、「損保会社の社員としては非常に優秀な人材である」と言うことが出来ます。
不払いより厳しい「払い渋り」-損害率を下げると表彰される異常な世界
上の記事は、いくらなんでも被害者を蔑ろにしすぎな感は有りますが、そうは言っても損保会社は営利企業ですから「不払い問題」で世間から袋叩きにあおうとも、ある程度の払い渋りは今でも有るようです(以前と比べると格段に払い渋りのケースは減っているようですが)。
そこで、今回は不払い体質だった以前の損保会社が「どんな手法を使って示談金を抑えようとしていたのか?」について紹介したいと思います。まずはタイトルにも有るように未亡人の話。
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未亡人でも慰謝料を抑えられるなら・・・
これは柳原美佳さん著書「自動車保険の落とし穴」に書かれている話。
旦那を事故で亡くした未亡人がいるとします。
本来であれば2,000万円くらいの慰謝料が支払われるところ、損保の示談担当者は1,000万円から示談交渉をスタートさせます。往々にして大黒柱を失った家庭は、収入が激減しますよね。
そこを狙って、「奥さん、今示談書にハンコを押してくれたら500万円上乗せして1,500万円なら払いますよー」なんて言葉をかけて、示談に持っていく。
※ 金額は例です。
その他の損保会社の示談交渉術
他にも、損保担当者は、一般人の感覚からすると考えられない交渉術を用いることも有るようです。こちらも抜粋して紹介します。
■ケンキリさせる
自費診療で治療されると保険会社の負担金が増えるので、健康保険での診断に切り替えさせる。
いわゆる「ケンキリ」と呼ばれるもの。
ただ、これは交渉術でも何でもなく当然の事だと思います。こちらの記事でも書いていますが、例外を除いて病院は「健康保険を使った治療」を拒否する事が出来ません。
にも関わらず、自費診療を薦めてくる病院は「どうせ保険会社が払ってくれるんだからいいでしょ」と考えている訳です。従って、その病院自体があまり良くないと言えます。
普通に考えて見てください。自費診療で治療をうけていたら、例え正当に賠償金が計算されたとしても、賠償金以上の治療代を病院から請求されるかもしれませんよ?そんなお金支払う余裕有りませんよね。
そういうリスクを避けるためにも治療は健康保険を使って受けた方が良いです。この例はむしろ損保会社の担当者の方が正しいですね。
■過失割合をデタラメにして過失を認めさせる例
普通、センターラインオーバーの事故は加害者側に100%過失が認められる事が多いです。しかし、示談担当者はこういう場合でもウソの過失割合を被害者に提示して、逆に過失を認めさせる事が有るようです。
担当者:「こういう事故の時は、大体7:3くらいの過失割合になることが多いので、それで手を打ちませんか?」
被害者:「いやいや、それはいくらなんでもこちらに過失が有り過ぎでしょ。せめて8:2にしてください」
こんな感じ。本来であれば10:0の過失割合が交渉術で8:2になりました。損保会社としては少しでも過失を認めさせれば損失を少なく出来ますから、取り敢えずふっかけてみろ!という事なんでしょうかね。
今でもここまで酷いことが行われているとは思いたく有りませんが、示談の際にはそういうリスクが有るという事を知った上で、交渉に臨みましょう。
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