交通事故紛争処理センターとは

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交通事故の被害に遭うと示談交渉を行う事になります。最近では、加害者側の損保会社担当者が代行人として示談交渉の場に出てきます。任意保険会社の社員ですから、知識も経験もあなたより上です。

また、加害者側は支払う保険金をなるべく少なくしたいので、賠償金を低く提示してきます。被害者が思う金額と相手方が提示する金額に大きな隔たりが有ると、なかなか示談は成立しません。

このように、当事者間の話し合いでは中々解決しそうにない場合どうすればいいのでしょうか?訴訟をするしか無いのでしょうか?実は、中立的な第三者の立場から示談成立のお手伝いをしてくれる「交通事故紛争処理センター」という機関が有ります。

同じような機関の1つに「日弁連交通事故相談センター」という機関が有ります。


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交通事故紛争処理センターとは

交通事故紛争処理センター(以下、紛セ)は、交通事故での損害賠償等で困っている人に、中立的な立場の嘱託弁護士が無料で示談成立のお手伝いをしてくれる「公益財団法人」です。

紛セは、高等裁判所が所在する8都市(東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、高松、福岡)と埼玉と金沢に有る相談所の2つを合わせて合計10ヶ所有ります。

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紛セが設立された経緯

損保会社が「示談代行付保険」を販売し始めた時に、保険会社による示談の代行が「弁護士法に抵触するのでは無いか?」という問題が発生しました。

保険会社の示談代行は非弁行為(弁護士法違反)に該当するか否か

日弁連と損保協会が協議した結果、損保会社が一定の条件を守って示談の代行をする限りは「弁護士法には抵触しない」という結論になったのですが、この時【交通事故の損害賠償をめぐる紛争について、示談のあっせんを目的とする中立機関を設置する】という約束が両者の間でかわされました。

その結果として設立されたのが「交通事故紛争処理センター」です。簡単にいうと「手続きが煩雑で、時間もお金もかかる訴訟に代わって、交通事故の問題を解決出来る機関を作りましょう」という趣旨で出来た法人です。

紛セは平成23年度において、24,500件の相談を受けて、そのうち7,500件の和解を成立させています。ある程度の効果を出していると言えるでしょう。

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交通事故紛争処理センターに和解や示談の相談を行う時の流れ

①まず紛セに申し立てをすると、担当弁護士が被害者の話を聞きます。(最初は被害者の話だけを聞きます。)

交通事故証明書や事故状況報告書、相手方の保険会社に関する情報など、示談に必要な書類を事前に用意しておくとスムーズです。

②被害者側から話を聞いたら、次に加害者側にも来てもらい話を聞きます。紛セの弁護士が両方から話を聞き、資料を見て示談斡旋案を提示します。

③被害者側・加害者側のどちらかが示談斡旋案に不満がある場合、加害者側の保険会社が損保で有れば、両者合意の上で審査会の審査へと移行し、「裁定」を求める事が出来ます。

裁定とは「この交通事故紛争の示談として妥当な金額は○○円である」と示す事を意味します。


被害者にとっての裁定のメリットは以下の三つ。
  • 審査会のメンバーは元裁判官・学者・弁護士の3名で行われるので、より中立的な判断が下される。
  • 紛セの運営資金は、自賠責の運用益等で賄われているので、無料で相談することが出来る。
  • 損保会社は紛セの裁定を尊重する事になっているので、損保会社としては確定判決と同様の効力を持つ。(裁定で出された金額は必ず払ってくれるという意味)
また、被害者側は裁定に拘束されませんので、裁定に不満が有る場合にはこれを破棄する事も出来ます。ただ、破棄してしまうと、残された方法は「訴訟」だけです。

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その他紛セを利用する時の注意点

・加害者側の保険が共済の場合には「裁定」に強制力は有りません。⇒示談決裂となる可能性が高い。

・進行が遅い。人身事故の場合には3~5回の斡旋で解決に至りますが、3ヶ月毎くらいでしか話し合いが行われないので、解決までに時間がかかります。また、相手側から「示談」ではなく「訴訟」で解決したいという要請が出ると、さらに遅くなります。

示談斡旋機関(紛セVS日弁連)の賢い選び方

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