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自動車保険を選ぶ際、”事故対応”は重視するポイントの1つですよね。
ただ「どの保険会社の事故対応が良いのか?」と悩んでいるのではないでしょうか。
そんな時に是非活用して欲しいのが「自動車保険の事故対応満足度のランキング」です。
さっそくですが、ランキングTOP3をご覧ください。
■2020年 自動車保険「事故対応満足度ランキング」
順位 | 価格com | オリコン |
---|---|---|
1位 | AIG損保 | ソニー損害保険 |
2位 | 三井住友海上 | 東京海上日動 |
3位 | ソニー損害保険 | 損保ジャパン |
4位 | 損保ジャパン | AIG損保 |
5位 | 日新火災保険 | 三井住友海上 |
6位 | 東京海上日動 | イーデザイン損保 |
7位 | 楽天損保 | セゾン自動車 |
8位 | あいおいニッセイ | チューリッヒ |
9位 | イーデザイン損保 | アクサダイレクト |
10位 | チューリッヒ | あいおいニッセイ |
このように大手のランキングサイト「オリコン」や「価格com」では、事故対応に焦点を当てて、自動車保険利用者の生の声が反映されたランキングが作成されています。
事故対応を重視した自動車保険選びをしたい人にとって、実際の契約者の評価・評判が反映されたランキングはきっと役立つはずです。
複数の自動車保険を比較する際にも有用な情報となります。
そこで今回は、自動車保険の事故対応満足度の総合ランキングやより詳細なランキングなどを紹介したいと思います。
それではさっそく事故対応の総合ランキングから見ていきましょう。
事故対応満足度ランキング2020
順位 | 価格com | オリコン |
---|---|---|
1位 | AIG損保 | ソニー損害保険 |
2位 | 三井住友海上 | 東京海上日動 |
3位 | ソニー損害保険 | 損保ジャパン |
4位 | 損保ジャパン | AIG損保 |
5位 | 日新火災保険 | 三井住友海上 |
6位 | 東京海上日動 | イーデザイン損保 |
7位 | 楽天損保 | セゾン自動車 |
8位 | あいおいニッセイ | チューリッヒ |
9位 | イーデザイン損保 | アクサダイレクト |
10位 | チューリッヒ | あいおいニッセイ |
このランキングの上位に位置する保険会社は、より多くの人に満足のいくサービスを提供していると考えられます。
つまり、担当者・サービスの質が平均的に良いという事ですね。
ただ2サイトのランキングには違いが多少生じています。
おそらく、その理由は「事故対応の安定感」に有るのではないでしょうか。
つまり、両サイトで同じような順位にランクインしている自動車保険は、良くも悪くも安定した事故対応を提供し、多くの人から同じような評価を得ている事になります。
一方、順位にバラつきが有ったり、片方にしかランクインしていない自動車保険は、事故対応が不安定と考えられ、高い評価を得る事もあれば、低い評価を得る事も有る、というわけです。
具体的にいえば、両サイトで1位と5位にランクインしているAIG損保は安心して契約できますが、オリコンにしかランクインしていない共栄火災海上保険や三井住友海上火災保険はやや不安な一面が有る、と言えます。
では、事故対応に付随したサービスに関するランキングも見てみましょう。
価格comでは事故対応の総合ランキングしか集計されていないので、ここからはオリコンの情報のみとなります。
保険金受取額・支払いスピードランキング
車両保険や人身傷害保険などで満足のいく保険金額が早期に支払われるのか、というのも非常に重要なポイントですよね。
また、対人賠償保険や対物賠償保険など被害者へ保険金がスムーズに支払われれば、事故が円満に解決して通常の生活に早く戻れる事にも繋がります。
「保険金受取額・支払いスピードランキング」は、こうしたサービスをしっかりと行っているかどうかを表すランキングとなります。
その結果がこちらです。
順位 | 自動車保険 |
---|---|
1位 | 三井住友海上あいおい生命 |
2位 | メットライフ生命 |
3位 | 損保ジャパン |
4位 | オリックス生命 |
5位 | 富国生命 |
6位 | アフラック |
7位 | 明治安田生命 |
8位 | 東京海上日動あんしん生命 |
9位 | 第一生命 |
10位 | メディケア生命 |
サポートサービスランキング
サポートサービスとは、事故受付のコールセンターの対応や事故担当者の対応、ロードサービスなどが含まれます。
事故に遭った時に、事故の受付から示談による事故解決まで全ての手続きがスムーズに進めば、すごく安心できますよね。
また、保険金の請求など分からない事が次から次へと出てきますが、丁寧に説明してくれると非常に助かるものです。
このようなサービスを迅速かつ丁寧に行っている自動車保険がこちらです。
順位 | 自動車保険 |
---|---|
1位 | ソニー損保 |
2位 | チューリッヒ |
3位 | AIG損保 |
4位 | イーデザイン損保 |
5位 | 東京海上日動 |
6位 | 三井住友海上 |
7位 | セゾン自動車 |
8位 | アクサダイレクト |
9位 | 日新火災 |
10位 | 損保ジャパン |
ここまで事故対応に関するランキングを「総合部門」を含め3部門について見てきました。
事故対応を基準に自動車保険を選ぶ場合は、どの部門でも上位にランクインしている以下の自動車保険がオススメとなります。
- AIG損保
- ソニー損保
- 東京海上日動 等
なお、事故対応以外のランキングなども参考にして保険会社を選んでみて下さいね。
ランキング以外にもチェックしておきたい事故対応のポイント
“事故対応”と一言でいっても各自動車保険が提供しているサービスには違いがあります。
その違いがランキングに反映されているはずですが、具体的にどのようなサービスの違いが有るのかはランキングからは分かりません。
そこでここからはランキング以外にもチェックしておきたい事故対応のポイントをいくつか紹介していきたいと思います。
事故現場への急行サービス
事故を起こしてしまうと、誰しも気が動転してしまうものです。
ある程度知識が有ったとしても、頭が真っ白になってしまって何をしたら良いのか分からなくなってしまう事も有るでしょう。
それでも、事故現場での被害者や警察・救急への対応は、事故当事者が行わなければなりません。
基本的に保険会社の社員が事故現場に駆けつける事は有りません(代理店の人が駆け付けてくれる事は有ります)。
しかし、保険会社の中には事故現場に駆けつけてくれる現場急行サービスを提供してくれる会社も有ります。
それが「セコム損害保険」と「セゾン自動車火災」です。
- セコム損害保険・・・SECOMの緊急対処員が現場に急行
- セゾン自動車火災・・・ALSOKの隊員が現場に急行
事故現場での安全確保や警察・救急への連絡などをサポートしてくれるので、事故を起こしてしまい不安に感じる状況においては心強いサービスですよね。
休日・夜間の初期対応
初期対応とは、事故受付の完了後すぐに保険会社が行ってくれる事故対応を指します。
主に以下のような内容です。
- 事故相手への連絡
- 病院・修理工場への連絡・手配
- 代車の手配
- 担当者の選任 など
これらの事を迅速に行ってくれたら、契約者としてはかなり安心出来ますよね。
しかし、初期対応は事故を受け付けた時間次第で翌日に持ち越される事が多いです。
そして「何時までの事故受付なら当日対応してくれるのか」という点は保険会社によってバラバラなんです。
また、「休日の事故でも初期対応を行ってくれるのか」という点も保険会社によって異なります。
以下の表は、主な自動車保険の事故当日に初期対応を行ってくれる事故受付時間をまとめたものです(2019年5月時点)。
保険会社 | 平日 | 土日・祝日 |
---|---|---|
楽天損保 | 時間に関係なく対応 | 時間に関係なく対応 |
損保ジャパン | 時間に関係なく対応 | 時間に関係なく対応 |
日新火災 | 時間に関係なく対応 | 時間に関係なく対応 |
セゾン自動車保険 | 20時まで | 20時まで |
ソニー損保 | 20時まで | 20時まで |
チューリッヒ | 20時まで | 20時まで |
三井ダイレクト | 19時まで | 19時まで |
SBI損保 | 19時まで | 17時まで |
このように、保険会社によって夜間・休日の初期対応の取扱いが事故受付時間によって異なります。
そのため、自動車保険選びで事故対応を重視するならば、こうした初期対応の違いについてもチェックするようにしましょう。
なお、保険会社によっては、初期対応に加えて、初期対応の結果を「1時間以内」や「当日中」に報告して、今後の流れについて説明してくれる保険会社も有ります(ソニー損保や富士火災(特約付帯)など)。
【注意】事故受付と初期対応は違う!
事故受付とは、契約者からの事故報告を受け付けるだけです。
主に聞かれる内容は、氏名や連絡先、保険証券番号、簡単な事故内容などです。
どの保険会社も「事故受付」は24時間365日対応していますが、「初期対応」はいつでもしてくれるわけでは無いので、勘違いしないように注意して下さい。
事故対応状況の把握のしやすさ
契約者が「示談」や「保険金の支払い状況」などの事故対応の進捗状況を、いつでも把握出来る「契約者マイページ」や「メール配信」サービスなどを提供しているかも重要なポイントです。
修理工場や病院、事故相手などの対応は、保険会社が全て行ってくれますが、契約者自身が「今現在どういう状況なのか」を把握出来ないと「示談が難航しているの?」などと不安になってしまいます。
例えば、イーデザイン損保ではスマートフォンからでも契約者ホームページで事故対応の進捗状況の確認、また担当者との質問・相談のやり取りを行う事が出来ます(電話・郵送での確認も有ります)。
このように保険会社の営業時間に関係なく、外出中でも「事故対応状況」を把握可能なサービスが有れば、無駄な不安を抱く事なく安心して保険会社に任せる事が出来ます。
なお、契約者マイページなどのサービスはダイレクト型の保険会社は完備しています。
一方、代理店型の保険会社は契約者ページを提供していない会社や特約を付帯しなければ利用出来ない会社も有りますので、チェックが必要です。
また、保険会社によっては、スマホ・携帯に対応していない場合が有ります。
家にパソコンが無い人などは対応端末等の確認もしておきましょう。
例えば、チューリッヒのメールサービスは、スマホ・携帯のメールアドレスは対象外となっています。
1事故1担当者制とチーム制について
事故対応には、専任の担当者が配置され、示談等の業務を行います。
事故報告が完了した後に、専任担当者から「事故対応を担当させていただく○○です。」と、連絡が入ります。
この専任担当者は保険会社によって「1事故1担当者制」と「チーム制(対人担当、対物担当など)」に別れます。
どちらもスペシャリストが専任されるので、優劣は付けがたいですが、複数の人と連絡を取るのが面倒だと感じるなら、「1事故1担当者制」の保険会社を選ぶと良いでしょう。
事故対応の良し悪しを判断する際に勘違いしやすいポイント
各自動車保険の事故対応の良し悪しを判断する際に勘違いしやすいポイントが2点あります。
- サービスセンターの拠点数
- ダイレクト型か代理店型か
この2点について説明しておきますね。
サービスセンター拠点数の多さはあまり関係ない
サービスセンターとは、事故対応を行うスタッフが常駐して、契約者への対応や示談、保険金支払い業務などを行う場所です。
このサービスセンターの拠点数は、代理店型が多く、ダイレクト型が少ない傾向に有ります。
しかし、サービスセンター拠点数の多さは、事故対応の良し悪しには関係有りません。
なぜなら、保険会社が契約者や事故相手とのやり取りに利用する手段は基本的に「電話」だからです。
そのため、サービスセンター拠点が事故現場から遠方に有ったとしても、事故対応に支障は生じません。
ただ、担当者がなるべく近くにいた方が安心だ、という人もいると思います(同じ市外局番から電話が有ったら近くにいると感じますしね)。
このような人は拠点数の多さを事故対応の基準として考えても良いかもしれません。
【参考】事故対応のサービス拠点数一覧
以下は、2019年5月時点の各保険会社の事故対応サービス拠点数の一覧表です。
サービス拠点がなるべく近くに有る方が良いという人は参考にして下さい。
詳細な地域については、各保険会社に問い合わせて下さい。
保険会社 | 拠点数 | 主な所在地 |
---|---|---|
損保ジャパン | 297ヶ所 *1 | 各都道府県 |
セゾン自動車保険 | 約250ヶ所 *1 | 損保ジャパンと連携 |
東京海上日動 | 242ヶ所 | 各都道府県 |
そんぽ24 | 約200ヶ所 | 損保ジャパンと連携 |
三井住友海上 | 221ヶ所 | 各都道府県 |
あいおいニッセイ同和損保 | 200ヶ所 | 各都道府県 |
日新火災 | 約100ヶ所 | 沖縄以外 |
AIG損保 | 127ヶ所 | 北海道、宮城、東京、愛知、大阪、広島、福岡など |
共栄火災 | 約70ヶ所 | 滋賀、鳥取、佐賀県以外 |
ソニー損保 | 26ヶ所 | 北海道、宮城、東京、愛知、大阪、広島、福岡など |
セコム損害保険 | 16ヶ所 | 北海道、宮城、東京、愛知、大阪、香川、広島、福岡など |
三井ダイレクト | 12ヶ所 | 不明 |
アクサダイレクト | 17ヶ所 | 北海道、宮城、群馬、東京、静岡、愛知、福井、大阪、高知、広島、福岡 |
楽天損保 | 10ヶ所 | 北海道、宮城、東京、静岡、愛知、大阪、香川、広島、福岡 |
チャブ保険 | 7ヶ所 | 北海道、宮城、東京、愛知、大阪、福岡、沖縄 |
チューリッヒ | 5ヶ所 | 北海道、東京、大阪、長崎 |
イーデザイン損保 | 4ヶ所 | 東京、大阪 |
ゼネラリ自動車保険 | 3店舗 *2 | 東京、大阪 |
SBI損保 | 2ヶ所 | 東京、大阪 |
*1 自動車保険以外のサービス拠点数も含まれています。
*2 営業店舗は3店舗有りますが、全ての店舗で事故対応しているかは不明です。
ダイレクト型の自動車保険についての勘違い
ダイレクト型自動車保険の事故対応は悪いというイメージを未だに持っている人がいるかもしれません。
おそらく、顔を合わす事なくインターネット上で保険の申込を行うからなどが理由だと思われます。
しかし、さきほど紹介したようにダイレクト型であろうが代理店型であろうが、事故対応は基本的に「対面無し」の電話で行います。
代理店の人が現場や自宅に来てくれる事も有りますが、代理店の人は保険の販売が専門であって、事故対応は専門外の人がほとんどです。
また、実際にオリコンの事故対応満足度ランキングでは、ダイレクト型と代理店型が混在しています。
そのため、ダイレクト型か代理店型かという基準ではなく、保険会社1社1社の事故対応力で判断する事が重要です。
事故対応が最悪でも冷静に対処する事が必要
事故対応を基準にして保険会社を選んだとしても、連絡が遅かったり、全く丁寧に対応してくれなかったり、と最悪な場合も有り得ます。
保険会社がしっかり事故対応をするべき所ですが、最悪の場合も想定しておいた方が、もしもの時の為にパニックにならずに済みます。
加害者・被害者どちらになっても冷静に対応出来るように、以下の記事を参考にして事故対応をイメージしておきましょう。
■事故現場での対応
なお、事故から示談解決までの一通りの流れを押さえておきたい人は、以下の事故体験談もお読みください。
まとめ
自動車保険を選ぶ基準として「事故対応」が最も大事だと考える人は少なく有りません。
それもそのはずで、万が一の事故の際に事故対応が最悪だったら、損害賠償に対する不安が拭えず、また事故相手から苦情が入ったりして、平穏な日常になかなか戻る事が出来ず、毎日ストレスを感じながら過ごさなければならなくなってしまうからです。
また、保険料に対するパフォーマンスが悪いわけですから、支払った保険料は結果として高かったと感じてしまうでしょう。
そのため、自動車保険を選ぶ際には、きっちりとした「事故対応」を提供してくれるか否かというのは1つの重要なポイントとなります。
保険料を無駄にしない為にも、事故対応の良い保険会社を選ぶようにしましょう。