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(出典:三井住友海上)
三井住友海上はMA&ADのグループ企業です。あいおいニッセイ同和損保や三井ダイレクト損保も同じグループ企業の一員です。
三井住友海上の自動車保険「GK クルマの保険」は、少し保険料が高いけれども、事故対応・ロードサービスの質が良いといった典型的な代理店型の保険です。
自動車保険の商品名がGKという事で、テレビでもサッカーのゴールを堅守するという内容のCMが放送されています。契約者をしっかり守り・補償するといったコンセプトが有るんでしょうね。
それでは、三井住友海上の「GK クルマの保険」の補償内容や事故対応、ロードサービスなどについて見ていきましょう。果たしてCM通りの安心できる内容となっているのでしょうか。
以下の補償内容などの情報は、2017年4月1日以降の契約を対象にした保険約款等に基づいて作成しています。
三井住友海上の補償内容
三井住友海上が提供している保険内容を一覧形式で紹介します。
最終更新日:2017年3月23日
三井住友海上の自動車保険「GK クルマの保険」は、補償内容の一覧表からも分かるように、たくさんの保険・特約がラインナップされた保険です。基本的に、契約者がこれらの補償の中から必要な特約等をピックアップして自動車保険を組み立てていく事になります。
ただし、必ずセットしなければならない保険が有ります。「対人賠償保険・対物賠償保険・車両保険」のうちのいずれか1つです。また、この3つの保険の組み合わせ方によって、人身傷害保険が自動付帯又は任意付帯となります。
そのため、一覧表ではこの4つの保険を基本補償として表示しています。ちょっとややこしいですよね。まぁ自由に組み立てられると考えておいて良いと思います。
保険商品を提供している三井住友海上も簡略化する為に3つのプラン(基本・標準・充実)を用意しています。契約する際は1つのプランを選んで、特約等を付帯したり、外したりして組み立てていけば良いのではないでしょうか。
注:地震・噴火・津波「車両損害」補償特約は、以前から付帯していた人だけが付帯出来ます。これから地震等の損害を自動車保険でカバーしたい人は、地震・噴火・津波車両損害定額払特約を付帯する事で補償範囲とするようにしてください。
さて、補償内容の一覧表を見ると、見た事が無い特約や名称からではどう補償されるのかわからない特約がありますよね。これらは公式サイトやパンフレットに載っておらず、人知れず付帯されている特約達です(普通保険約款に記載されています)。
保険約款まで目を通す人はなかなかいないと思うので、ここで簡単にその内容を説明したいと思います。
珍特約①~記名被保険者同僚災害特約~
仕事にも契約車両を利用し、搭乗した同僚が事故で怪我をしたような場合などに契約者の同僚に対しての賠償責任を補償する特約です。
対人賠償保険では業務使用時の同僚に対する賠償責任は補償範囲外となっています。しかし、この特約が付帯されていれば、補償されます。(自賠責はこの場合でも補償対象です。)
珍特約②~対物賠償限度額「10億円」特約~
契約車両に積載した危険物による損害や航空機に対する損害が発生した場合には、対物賠償保険の保険金額が無制限の場合であっても、補償限度額を10億円とする特約です。
これらの事故では損害額が膨大になる事が予想されるので、この特約によって補償金額を限定しているわけですね。ただ一般的に、損害額がそこまで大きくなるほどの危険物を積載したり、ましてや航空機と接触するような機会はまず無いと思います。
ちなみに、対物事故の最高損害賠償額は約2億6千万円です(参考:交通事故の高額賠償事例まとめ【人身・物損・自転車事故も!】)。
珍特約③~特殊車「車両」補償範囲特約~
この特約は、契約車両がタンク車やふん尿車などの場合に自動付帯とされていて、補償の範囲を「これらの車両に装備されているホースは含みませんよ」とする特約です。
家庭用の車を所有する人にとっては全く関係の無い特約です。
三井住友海上「GKクルマの保険」では、色んな事故や状況を想定して、たくさんの特約が用意されています。その中には、普通に自動車を運転する人には無関係な特約もありますので、特約を多く付帯するのではなく、自分の生活や家族構成などに必要な特約だけを選択しなければなりません。
必要の無い特約はいつまで立っても役には立たず保険料の無駄になりますからね。契約する前に本当に必要かどうかを考えてから判子を押してください。
三井住友海上の事故対応
以下、三井住友海上の主な事故対応内容です。
- 24時間365日対応の事故受付
- 夜間・休日の事故でも初期対応(夜10時まで)
- チームを組んで事故対応
- 入院時スタッフ訪問サポート有り *1
- タイムリーな経過報告
- 示談交渉代行
- 書類省略サービス有り
パンフレットや約款、WEBサイト等を見ても事故対応の内容は詳細に記載されていません。そのため、実際どうなのか?と気になる人も多いはずです。
その疑問を解消するには、やはり実際に利用した人の意見を聞いてみるのが一番!そこで利用して欲しいのが、価格comやオリコンなどのランキングサイトです。
それらの事故対応部門ランキングを見てみると、三井住友海上は価格comで2位、オリコンで10位となっています。上位にランキングしているものの、サイトによってバラつきが有ります。という事は、担当者の事故対応力にもバラつきが有るのかもしれませんね。
*1:入院時スタッフ訪問サポート有り
自動車事故によって入院した場合に、担当者が事故対応の説明のために病院まで来てくれる【入院まごころ訪問サービス】を提供しています(契約者が希望した場合)。
入院する程の大きな事故では、様々な不安が付きまといます。「示談はどうすれば良いの?」「治療・入院費は保険金で賄われるの?」・・・等々。このような時に専門のスタッフが訪問してくれれば非常に安心出来ますよね。
「入院時」という制限を設けている理由は、軽い怪我で自宅に訪問されても”うっとおしい”と思う人もいるからでしょう。また、上記のように、担当者の訪問を必要としているのは入院するような重い怪我を負った人だからでしょうね。
三井住友海上「GK クルマの保険」のロードサービス
三井住友海上「GK クルマの保険」ではロードサービスが自動付帯されます。
以前は、廃止された「運搬・搬送・引取費用特約」を付帯しなければ受けられないサービスも有りましたが、改定によってサービスが向上しました。
- レッカー無料距離:約500km
- ▲修理完了後のクルマ搬送・引取費用
- ▲トラブル地点から目的地までの移動費用(1人2万円)*1
- ▲緊急宿泊施設紹介・宿泊代支給(1人1万円)*1
- 故障や様々な車のトラブルに対処(30分以内の作業料は無料)
- 落輪の引き上げ作業
- 自力走行不能時のレンタカー費用(1日7,000円)
*1:移動費用及び宿泊費用の補償を外して保険料の節約も可能
三井住友海上の自動車保険には、事故・故障により車がレッカーされた場合の移動費用や宿泊費用の補償がデフォルトのサービスとして付帯されています。移動手段である車が使用出来ない状況ではこのような補償は非常に有り難いものです。
しかし、あまり遠出をしない人にとっては不要な補償となる事も有ります。使用しないのに保険料を取られるのはバカバカしいですよね。そこで利用して欲しいのが「移動費用対象外特約」です。
この特約を付帯すればロードサービス(ロードサービス費用特約)から「移動費用や宿泊費用の補償」だけを外す事が出来ます。補償範囲を狭くする事になるので、支払う保険料は少なくなります。つまり、保険料を節約出来るんですね。
以前の三井住友海上のロードサービスは「並以下」の内容でしたが、契約者の事を考えた内容へと改善されています。
ロードサービス利用時の注意点
事故や故障などのトラブルに巻き込まれた場合に何が起こるか想像できますか?まず自分の車両が道路を一時的に塞いでしまいますよね。そうすると、当然ながら後続車両が渋滞を起こし始めます。
渋滞の原因になったドライバーは、一刻も早く自分の車をどかそうと考えるはずです。周りに迷惑をかけて申し訳ない、と思うのが普通ですからね。
ただこの時にレッカー業者に直接連絡してはダメなんですね。これが今回紹介する注意点です。
直接業者に連絡をしてしまうと、業者の作業費用は全て自己負担になってしまうためです。なので事故・故障に遭った場合には必ず保険会社に連絡してレッカー・ロードサービスを利用するようにしてくださいね。
三井住友海上の保険料の割引制度
三井住友海上には主として6つの保険料割引制度+セカンドカー割引・ノンフリート多数割引+リスク細分型割引が存在しています。
種類 | 割引内容 | 備考 |
---|---|---|
福祉車両割引 | 3% | - |
長期優良割引 | 1.5% | *1 |
ゴールド免許割引 | 約10% | - |
新車割引 | 保険毎に割引率が異なる | - |
公有割引・準公有割引 | 不明 | *2 |
セカンドカー割引 | 初年度7等級スタート | *3 |
ノンフリート多数割引 | 台数によって割引率が異なる | *4 |
1DAYマイレージ割引 | 契約回数によって異なる | *5 |
リスク細分型割引 | 使用目的割引 運転者限定割引 年齢条件割引 等級別料率制度 料率クラス制度 | - |
*1 20等級かつ事故有係数が0かつ1年間無事故の場合
*2 国・地方公共団体又は準公有団体が所有かつ使用する場合
*3 セカンドカー割引の細かい適用条件については、公式サイトQ&Aをご覧になって下さい。
*4 ノンフリート多数割引についても、公式サイトQ&Aを参考にしてください。
*5 三井住友海上が提供する「1DAY保険」の利用者が対象の割引です。割引率などの詳細についてはこちらをご覧ください。
2017年1月1日以降、イモビライザー割引は廃止されました。
2017年3月現在、三井住友海上の自動車保険についてはお得なキャンペーンは行われていません。
三井住友海上の顧客満足度
ここでは「2020年度のオススメ保険会社ランキング」から三井住友海上の顧客満足度を紹介します。
下記表のロードサービス部門のランキングは、当サイトが独自に調査・比較した結果を掲載しています。それ以外の部門はオリコンのランキングを掲載しています。
順位 | 価格com | オリコン |
---|---|---|
1位 | AIG損保 | ソニー損害保険 |
2位 | 三井住友海上 | 東京海上日動 |
3位 | ソニー損害保険 | 損保ジャパン |
4位 | 損保ジャパン | AIG損保 |
5位 | 日新火災保険 | 三井住友海上 |
6位 | 東京海上日動 | イーデザイン損保 |
7位 | 楽天損保 | セゾン自動車 |
8位 | あいおいニッセイ | チューリッヒ |
9位 | イーデザイン損保 | アクサダイレクト |
10位 | チューリッヒ | あいおいニッセイ |
三井住友海上は事故対応部門で価格コムで2位にランクイン、オリコンランキングでもランクインしています。事故などのトラブル時には頼りになる自動車保険と言えますね。
サービスの質は曖昧な部分が有りますが、保険料は見積もれば簡単に比較する事が出来ます。
まずは自動車保険の一括見積で各保険会社と比較してみてはどうでしょうか?
三井住友海上の口コミ・評判
・事故をした時の安心感・信頼感が違います。保険金の事からこちらの怪我の事までしっかり気を配ってサービスを提供してくれます。
・保険料はやっぱり高い。高いけどいざって時のサービスにお金を払ってると思って我慢してます。
・自動車保険に全く詳しくない私が色々質問しても嫌な顔1つせず丁寧に答えてくれました。
・担当者の顔を見て契約する事ができるので、ダイレクト型と比べると安心感が違います。
・相手の保険会社が三井住友海上だった場合は、満額の保険金が支払われる事は期待しない方がいい。必ず裏切られますよ。
・新人研修とかで嘘のつき方とか教えてるんだと思う。社員の勉強熱心振りはアッパレです。
・事故の相手の保険会社が三井住友海上。連絡は遅いし、対応は悪いし。無視したら裁判しましょうか?だって。怖すぎる。
・自分が加入した場合はいいかもしれない。でも被害者の事を考えると加入はあまりオススメできない。
その他の口コミ
・三井住友海上を契約している人は、車を購入した時にディーラーで一緒に保険を契約する人が多いのかな。ディーラーも実入りが良い物を進めるよね普通。
・三井住友海上で契約してるけど、車あんまり乗らないんだよね。乗る時だけ付帯できる保険ってないのかな。
まとめ
三井住友海上の「GK クルマの保険」は、ロードサービスが優れた自動車保険と言えますね。レッカー無料距離が約500kmというのは業界TOPレベルです。
ただロードサービスだけで自動車保険を選ぶのは少し変な話ですよね。あくまで無料で付帯されるサービスですから。やはり、保険料と事故対応、この2つを吟味して選ぶ必要が有るでしょう。この点からすると三井住友海上は微妙かもしれませんね。
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