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自動車を長く乗り続け、年数も走行距離が増えていたら買い替えを考える時期だと考える方も多いと思います。
- 「買い替えをした時の流れがよく分からない」
- 「何からはじめたらいいのか分からない」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、自動車を買い替える時の手続きの流れや自動車保険の手続きについて注意点含めご紹介します。
車の乗り換え時にする事
車の保険には2種類あります。
- 車の所有者に加入が義務付けられている自賠責保険
- 任意で加入する自動車保険
自賠責保険は、車を乗り換えるときや売却するときに、販売店や買取業者が手続きを行ってくれることがほとんどでしょう。保険料も全国一律なので、販売店や買取業者に手続きを任せて問題ないでしょう。
一方で、任意の自動車保険は自身で手続きをしなくてはいけません。
車の乗り換え前にチェックすべき点
(1)車のローンの残高確認
車を買い替えようとする際に、注意しておきたいのが車のローン残高です。ローンを組んでいたのであれば、どのくらいの金額が残っているか、払い終えているかどうかを確認してみましょう。
買取り金額でローン残高を返済できる場合
ローンが残っている場合、買取専門店に伝えることで、買取金額からローン残債を一括で返済してくれます。その残った金額で新車の購入資金に充当できます。
買取り金額でローン残高を返済できない場合
基本的には残り金額を一括で支払わなければいけませんが、業者によっては新しい車にローンを上乗せできるサービスを提供しているところもあります。
(2)車輌入替申請
車両入替とは、保険の契約車両の変更、つまり保険契約期間内に新しい車に乗り換えた際に現在の契約中の車から、新たに購入した車に保険を切り替える作業のことを言います。
車両入替に関する手続きは、納車日前に終わらせておくことが基本です。事前に行っておけば、納車日に新しい車に補償が切り替わるため、無保険の時期が発生しません。
車両入替え申請は、ほとんどの保険会社が「乗り換える車が納車された翌日から30日以内に手続きを完了すること」としており、納車後でも車両入替え申請は可能です。ただし、車両入替えを申請してから手続きが完了するまでの期間は無保険になってしまうため、必ず納車前に手続きを終わらせておきましょう。
手続きを忘れてしまうと、新しい車に補償がつかなくなり、事故が起きたときに保険金がおりなくなるので注意しましょう。
手続き自体は簡単で、「車検証」もしくは「車検証のコピー」を用意して、車を所有してから30日以内に保険会社へ電話連絡やインターネット申請するだけで完了となる所がほとんどですので、手続きを忘れないよう、「車検証」が発行されたらすぐに手続きしましょう。
(3)自動車税の納税確認
車の売却した際には自動車税納税証明書が必要です。自動車税を払い忘れていれば、名義変更をすることができませんので注意しましょう。
滞納すると遅延金も請求されることになるため、早急に自動車税の納付を済ませるようにしましょう。
(4)車の名義変更
車の売却や新車を購入したりする場合は、名義変更をしなければいけません。名義変更とは、車の所有者を変える手続きです。大半の場合は買取り専門店等が代行して手続きをしてくれますので、必要な書類のみ用意するようにしましょう。
(5)自動車保険料の確認
車両入替をすると、保険の補償内容や等級は同じでも、車のタイプによって保険料が変わる場合があります。車は型式ごとに、事故実績に基づいて算出された「型式別料率クラス制度」という割引利率が定められており、乗り換えた車の型式によって保険料が安くなったり、高くなったりすることがあります。
保険料が安くなった場合は差額が払い戻され、高くなった場合は追加で支払う必要があります。保険料が高くなった場合、指定された期日までに差額を支払わないと手続きが完了しませんので、早めに対応するようにしましょう。
合わせて読みたい:自動車保険を乗り換えると等級はどうなる?
合わせて読みたい:自動車保険の等級が下がる条件と保険料の変化[FP・専門家監修]
乗り換え時に注意すべき点
(1)1つの保険で複数台を契約することはできない
自動車保険は車に紐付いているため、1つの契約で複数の車をカバーすることはできません。複数の車を所有する場合は、新たに別の自動車保険に加入する必要があります。
(2)等級が消滅する可能性がある
同じ保険会社で車両入替をする場合、等級は引き継ぐ事ができます。注意しなければならないのは、車を乗り換えるタイミングで新しい保険会社に切り替える時です。新しいの保険会社に変えても、多くの場合は等級を引き継ぐ事ができますが、保険が満期となる日の翌日から7日以内に手続きをしないと、等級が消滅しまいますので注意しましょう。
合わせて読みたい:【乗り換えに役立つ】自動車保険の等級引継ぎ手続き完全ガイド
車の平均寿命は10~13年、走行距離目安10kmと言われています。(出典:一般財団法人自動車検査登録情報協会)
ひとつの目安として、3年、5年、7年といった「車検前」に車を買い替える人が多いです。
13年を超えると自動車税が引き上げあられ、燃費、メンテナンス費の負担も大きくなるので、乗り続けるメリットは低くくなり、買い替えを考える人が多いでしょう。また、転勤、結婚、子供が生まれるなど、生活が変化する時も買い替えのタイミングと言えます。
これらをしっかり考えて、車の乗り替えを時期を検討しましょう。
車の買替え時の準備物について
車の購入時に必要な書類は以下の通りです。
下記記載は基本的な書類ですので、実際には購入する店舗で事前に確認しておきましょう。
自身で準備するもの
(1)印鑑(実印)
実印とは、市区町村の役所に登録した、公的に認められたハンコのことを言います。役所にハンコを登録することを印鑑登録といい、登録されたハンコを実印と呼びます。
(2)印鑑証明書
印鑑証明書は、実印を証明する書類で、市区町村の役所やコンビニ(マイナンバーカード必須)で取得できます。基本的には、発行から3ヵ月以内の印鑑証明書が必要となるでしょう。契約の際には実印と併せて持参しましょう。
(3)自動車保管場所証明書(車庫証明書)
車庫証明書は車の保管場所を確保していることを証明する書類です。車庫の所在地を管轄する警察署で申請します。取得までに最大1週間程度かかり、申請時に必要な書類も多いので、早めに準備を始めましょう。
都道府県によっては、申請時に必要な書類をインターネットでダウンロードできるので、事前に記入を済ませておくとスムーズに手続きできるでしょう。
書類に必要事項を記入後、付近の警察署に提出します。その後、数日程度で車庫証明書が発行され、再度警察署まで出向いて窓口で受け取りましょう。車庫証明書は平日しか申請できないので、注意しましょう。
車庫証明書は販売店に取得代行してもらうこともできますが、自分で行うと費用が安く済ませることができます。近くの警察署で手続きを行うだけですので、時間に余裕がある人などは自身で対応しても良いかもしれません。
販売店が準備する書類
(1)自動車検査証(車検証)
一般的に「車検証」と呼ばれる自動車検査証は、車が自動車保安基準に適合していることを証明する書類です。車の種類や使用者、所有者などの情報が記載されています
(2)自賠責保険証
自動車損害賠償保障法で定められた「自賠責保険」への加入を証明する書類です。車の購入時に加入が義務付けられています。自賠責保険は事故の際の被害者救済を目的とした保険で、対物や運転者などの補償は含まれていないのが特徴です。
合わせて読みたい:車を友人に売却したのに自賠責保険の案内は自分に来た場合の対処方法
(3)委任状
委任状は、車の購入に必要となる手続きを販売店に代行してもらうときに必要な書類です。署名、捺印をして提出しましょう。
車の買い替え時に意識しておくべき事
車の買い替えは、大きなお金がうごくと同時に手続きも簡単ではありません。
(1)必要手続きのスケジュール感を把握しておく事
必要書類と購入費用の準備等、考えることも多いと思います。また、購入に併せて自動車保険の手続きが必要となり、最低1カ月程度はかかりますので余裕をもって準備を進めた方が良いでしょう。
(2)車検のタイミング
車の買い替えがお得だといえるタイミングは車検前です。理由は(1)車検費用を節約できる点と(2)車検の事務手間がなくなる点が主なメリットでしょう。「車検前」に買い替えをする際は、タイミングを逃すと、車検代や部品代等、余計な出費を払うことになるので注意が必要です。決して安い金額ではないので意識しておきましょう。
次に購入する車が、残りの車検まで期間が短い中古車の場合、乗り換えた後すぐに車検を受ける必要が出てきます。車検後の乗り換えは、短いスパンで二度も車検代を支払うことになる可能性もあるので、「現在乗っている車」と「これから乗る車」の車検のタイミングは把握しておきましょう。
新車を購入予定の場合は、初回の車検は新車登録から3年後となるので、短いスパンで車検を行うような事態は発生しません。
また前述した通り、現在乗っている車にローン残高があれば、現在残額と売却額をきちんと把握し、車の買い替え費用を確認した上で検討しましょう。
(3)乗り換え時の等級引き継ぎについて
「家族への等級引き継ぎ」や「等級引継ぎで実際どれくらい保険料がお得になるのか」、「自動車保険の等級引継ぎに関するその他の注意点(事故あり係数など)」の詳細は下記記事をご参照ください。 合わせて読みたい:【乗り換えに役立つ】自動車保険の等級引継ぎ手続き完全ガイド
新しい保険会社の決定や自動車保険選択の注意点
既に自動車保険に加入している人は、同じ保険会社で契約するのでも良いでしょう。なぜなら、自動車を買い替えた際は「車両入替」手続きのみで時間と手間が省くことができます。
ただこれを機に、今入っている自動車保険が「良い」のか「安い」のか、今のライフスタイルに自動車保険があっているのか、一度チェックすべきタイミングでもあります。少しでも気になる方は、改めて自動車保険の現状と他社比較をチェックしてみましょう。ライフスタイルや年齢の変化、家族の増加により保険料が変化しており、現時点での最適な自動車保険を選ぶことは家計にとってもプラスになるでしょう。
気になる保険会社や大手の保険含め、見積り依頼をして現状を把握しておきましょう。
新しい自動車保険に加入した場合
既存の自動車保険契約の解約
新しい保険に加入をしたら、現在の保険は忘れずに解約しましょう。解約返戻金が生じる場合もありますので保険会社に確認し、解約日は新しい保険の契約日(納車日)とズレが生じないように注意してください。解約を忘れて新しい保険に加入し、二重保険にならないようにしましょう。
合わせて読みたい:【専門家監修】自動車の任意保険を契約途中で解約するのは得か損か?
既存の自動車保険契約を継続する場合
車輌入替の申請手続き
前述の通り、自動車を買い替えても既存の自動車保険を継続する場合、「車両入替」手続きを行う必要があります。
車両入替とは、保険の契約車両の変更、つまり保険契約期間内に新しい車に乗り換えた際に現在の契約中の車から、新たに購入した車に保険を切り替える作業のことを指します。車両入替に関する手続きは、納車日前に終わらせておくことが基本です。納車日に新しい車に補償が切り替わるため、無保険の時期が発生しません。車両入替え手続きには新しい車の車検証が必要となるため、車検証が手に入る時期に手続きしておきましょう。
車の乗り換えする際の大まかな流れ
自動車の買い替え日が確定したら、「自動車保険」の切り替えは必ずしましょう。
自動車保険は、「自賠責保険」と「任意保険」の2種類があります。自賠責保険は、自動車購入時に必ず入る強制加入保険です。任意保険は、加入義務はありませんが万が一事故を起こした際に、保険会社が負担額を補償してくれる大切な保険です。自動車保険は、自動車の買い替えをしても自動的に更新はされませんので必ず本人手続きが必要です。
自動車を買い替えると同時に、現在の自動車保険を解約し新しい保険に加入するか、保険契約はそのままで車両入替の手続きをするかのいずれかを行います。どちらについても手続きを行わないと事故が起きた際に保険会社は、補償をしてくれませんので、必ず保険会社に手続きの確認をしましょう。
(1)買い替える自動車を決める
買い替えの自動車が決まったら、購入費用と納車日を確認しましょう。「自賠責保険」は、販売店が手続きを代行してくれますが、念の為必ず確認しましょう。
(2)保険会社に連絡する
任意保険は、本人が保険会社に連絡を入れます。新しく保険に加入するか、車両入替の手続きをするかで手続きは異なりますが、保険会社に確認しましょう。
現在契約の自動車保険の「等級」は、自動車を買い替えた際も維持できます。ただし、「記名被保険者(主に運転する人)」が変更になる際は注意が必要です。等級については後の記事で説明します。
(3)必要書類を準備する
買い替える自動車の「自動車検査証」を準備しましょう。新しい自動車の登録番号(ナンバープレート)や車体番号が書かれた証書は、保険契約時に必ず必要となります。販売店に、自動車検査証が、いつできるかを事前に確認しておくと、自動車保険の切り替えがスムーズに行えます。
事前に、自動車保険契約に必要な情報を保険会社へ連絡しておくとよいでしょう。自動車検査証は、納車と同時にいただけますので手元に届いたら保険会社に提出します。
(4)自動車保険料の確認
自動車保険契約手続きを行うと保険料が確定します。車両入替の際は、自動車保険の満期日、自動車の車種によって異なりますので、保険会社に確認しましょう。
(5)納車日を迎える
納車日と同時に自動車保険が切り替わります。当日までに、必ず保険契約を完了させて安心して納車日迎えましょう。万が一、保険契約が完了しないまま自動車に乗って事故をしても保険会社は補償してくれません。
時間と手間はかかり面倒に思わるかもしれませんが、きちんと手続きを完了させましょう。
FP(ファイナンシャル・プランナー)からのコメント
中村 傑 (Suguru Nakamura)
大垣共立銀行を退職後、東京海上日動火災保険に代理店研修生として入社。研修期間を経て、2015年に独立開業。2020年に株式会社として法人成り、現在に至る。家業が自動車販売業であり事業承継者でもある。車と保険の両方の業務を兼務しており、専門領域が広い事が強み。
コメント
車の買い替えに伴う自動車保険の手続きの際に、必ずご検討頂きたいのは、「車両保険の付帯」についてです。
一般的に、お車を買い替えされる際は、古い車から最新の車へと買い替えされる事が多いかと思いますが、その際の車の装備として異なるのは、安全装備の有無です。
特に最近の車は、自動ブレーキの制御の為に、フロントガラスにカメラが搭載されている車両が多いですが、フロントガラスが飛び石等で割れてしまった際のフロントガラスの交換費用は年々増加傾向にあり、軽自動車で15万円前後、ミニバンで20万円オーバーとなっております。
値段高騰の理由としては、作業工賃、純正ガラスしか使えない、作業後のディーラーでの点検が必須である事が主な理由です。実費負担では、かなり手痛い出費ですので、車両保険の付帯を検討するようにしましょう。
水島静香(Shizuka Mizushima)
国内損害保険会社に主に営業として20年勤務。損害保険会社での経験とFPの知識を活かして複数のWebメディアへ寄稿している。
保有資格:FP2級
コメント
車を買い替える時は自動車保険の車両入替手続きが必要です。納車日が決まったら早めに手続きしてください。
納車当日は買い替え前の車にも新しく買った車にも、どちらにも乗る人が多いでしょう。前日までに車両入替手続きをしておけば補償がうまく切り替わるので安心してください。
車を買い替えたのに車両入替の手続きをしなかった場合は、新しい車で事故があっても補償されない場合があります。
納車日から約1ヶ月以内であれば入替の自動補償特約によって補償されることもあります。しかし、1ヶ月以上経っても手続きをしないままだと、保険料を払い続けていても補償の対象から外れることになります。実際に車両入替手続きしないまま事故にあい、補償されなかったケースを何回か経験しました。
この記事では買い替えした時に必要な手続きが解説されています。新しい車の納車日が決まった時点で忘れないようすぐに手続きすることをおすすめします。
まとめ
ここまでで、自動車保険契約に関する手順と注意点を説明させて頂きました。
- 自動車の買い替えは、最低でも1カ月程度は要する
- 自動車買い替え時に必要なステップは大きく分けて6つ
- 新しい保険に加入する際、既存契約があれば解約を失念しない事
- 等級を引き継ぐ際は注意や事前シミュレーションが必要
最後に、自動車保険契約について新規加入、車両入替の際に併せて補償内容を見直すことをおすすめします。現在の自動車保険が本人にあっている補償なのかを確認しましょう。
例えば、新車で自動車を購入した際、「新価特約」というオプションの補償があります。
新しい自動車を購入し、事故により大きな損傷を受け新車に買い替えた場合等に実際にかかる新車購入費用等が補償されます。修理ではなく新車に買い替えることができるメリットはありますが、その分保険料が上乗せされるデメリットもあります。自動車保険を再度見直す良いタイミングでもありますので、様々な自動車保険を一度比較検討することも重要でしょう。
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