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今回紹介する自動車保険の体験談は停車中の追突事故に関する話です。
被害者側からすると「もらい事故」、加害者側からすると「オカマ掘った」なんて言いますよね。
今回は完全に被害者側に過失が無く、100%加害者側に過失が有るパターンで、その示談交渉で揉めたという話です。
果たしてなぜ揉めたのでしょうか。
体験談を見て行きましょう。
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体験談
それは一昨年の事、子供を幼稚園に送り、自分も職場に行こうとしていた忙しい朝の出勤時の話。
信号が青になったのに前の車が動かない。
クラクションを鳴らそうとした時、後ろから車が突っ込んできた。
首ががくんとなって、強い衝撃が襲ってきた。
「やられた!」とがっくり・・・
道の脇に止めて、警察に検証してもらい、保険会社も呼んでお互いに話し合い。
追突してきた人は、○○会社の営業マンで、「すみません!すみません!」と、とても恐縮していて、すごくいい人のような印象を受けた。
ケガも全くなかったし、人身事故にされると仕事にも触るとの事で、結局、示談交渉にすることとなった。
追突なので100%相手が悪いから、自分の入っていたJAの自動車共済は示談交渉に関われないと知らされた。
でも、相手もいい人みたいだし、保険もきちんと入っている人なので何の心配もしていなかった。
ケガがないと安心していたけれど、しばらくたってむち打ちの症状がでてきた。
でもそれは、なんの滞りもなくスムーズに相手の保険会社が支払ってくれた。
ところが、車をなおす段になって困った事がおきた。
私の車が古すぎて、追突された部分を直すと車の評価価格を上回ってしまう。
その時まで、修理代が車の評価価格を上回っても、その分は保険で下りないと言う事を知らなかった。
「100円のライターを直すのに150円は出せない」
確かにそうかも知れない。
しかし、子供が幼稚園を卒園したら車は夫の車一台だけにして、自分の車は手放そうと思っていたのであと一年は乗り続けたかった。
追突されて派手にへこんで、後ろのカギも閉まらなくなっていた為、このまま乗るのもどうしても嫌だった。
しかし、決まりは決まり。どうしようもない・・・
追突した相手に差額分払ってもらいたかったけれど、あの時はあんなにいい人に見えたのに、全くナシのつぶて・・・悲しいを通り越して人間不信に・・・
その後、JA窓口で保険の更新の時に、無過失事故時の弁護士費用を補償する特約を知った。
多分こんな事故を経験する前なら、「ふ~ん、でも保険料高くなるしいらないわ!」とあっさり却下していたと思う。
しかし痛い目にあって、車の保険にいろいろついている特約にはきちんと意味がある事を知った。
正直、保険料を高く取る為にあの手この手で特約を勧めてくるのかと思っていました。(窓口のお姉さんごめんなさい・・・)
今まで、自動車保険は安さだけを求めてあまりその中身について考えた事はなかったのですが、きちんと、自分で必要な保証を勉強してチョイスしていく事が大事なのだと身にしみて感じています。
いくつになっても、勉強ですね。
この手の事故は誰にでも起こる可能性が有ることです。
体験者の方も書かれていますが、自分には関係ないことと高を括る前にリスクをしっかりと把握して自動車保険の特約等を考える必要が有りますね。
論点整理
では、今回の体験談の論点整理をしていきましょう。
■保険会社が示談交渉できない点■
今回のように被害者に過失が一切無い場合には被害者に変わって保険会社が示談交渉をすることが出来ません。
そうなってくるとこちらは素人ですから中々上手く交渉を進めることが出来ません。
そういう時のためにしっかりと「もらい事故」でも示談交渉のサポートをしてくれる特約であったり、体験者の方のように無過失事故時の弁護士費用特約を付けておきましょう。
■停車中に追突された場合の過失割合■
信号で停車中にオカマを掘られた場合には被害者側の過失はゼロになることが多いかと思います。
もちろん状況によりけりなので絶対そうなるとは言えませんが。
色々な場合の過失割合については下記記事を参考にしてみてください。
■事故後に起こったむち打ちについて■
このように後ろから追突されると、その時は良くても事故後にムチ打ちが発症する可能性は結構高いです。
以前は一旦示談が成立した後でムチ打ちが発症しても支払いに応じてくれない保険会社が多かったですが、最近の判例では事故後のムチ打ちは例外ケースとして支払いの対象になっています。
ただ、面倒なことに巻き込まれない為にもしっかりと示談でその旨を書いておくことは重要です。
■修理代は自動車の時価以上には出ない■
保険なんだから修理代がどうなってるとか、自動車の時価がどうなってるとか関係なく全額出せよ!と思われるかもしれませんが、それは無理な話です。
保険会社も営利企業ですからね。
修理代と時価の関係性は結構複雑なので別途記事にしています。
そちらを参照して下さい。
あとはケチらずにちゃんと車両保険に入ることですね。
自分に責任が無いのに何故わざわざ車両保険を使わないとダメなの!?という人は加害者に誠意を見せてもらうしか有りません。
こういう時に弁護士費用特約を付けていれば安心かもしれません。
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