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コンパクトで乗り易い軽自動車は、初めて車を購入する方にも人気ですね。
特に軽自動車の中古車は、市場に流通する数も多いことから非常に広い選択肢があるのが特徴です。
車種にこだわらなければ、日常の足代わりに走行距離が多くて年式が古いけどまだまだ現役で走れる軽自動車の中古車とか簡単に見つける事が出来ます。
しかしながら、安い軽自動車の中古車といえども、車としての機能がきちんと持続できなければ意味がありませんので、やはり軽自動車の中古車を購入する時には、安易に価格だけで決めずに、しっかりとチェックすべきところを抑えておきましょう。
軽自動車の中古車選びは普通車より難しい
軽自動車はご存じの通り、エンジンの排気量が660cc以下の車になります。
排気量的にはデミオやマーチなどのBカーの半分くらいになります。
また出力も、自動車馬力規制によって、軽自動車は64馬力となっています。
64馬力の軽自動車はターボ付きになりますが、ターボの付いた軽自動車は高速道路でも余裕で120km/h以上のスピードで巡航出来てしまいますね。
ただ、その一方で排気量の小さいエンジンで高出力を発揮する為には、エンジンはがんがん回って仕事をする必要があります。
ターボ付きの軽自動車で高速道路を100km/h以上で巡航する時のエンジン回転数は、ファイナルギアレシオにもよりますが、大体2200rpmから2500rpm以上くらいで、ターボがなければ3500rpm以上になるのではないかと思います。
それに比べ、1.3Lクラスの小型乗用車だと、大体2000rpm近辺で巡航出来るはずです。
また、発進加速や登坂道などの負荷の高い走行モードでも、乗用車に比べ軽自動車はパワーを出すためにエンジンを高回転まで回す必要があります。
エンジンが高回転まで回る頻度が増えれば、それだけ耐久劣化も進みますので、軽自動車の中古車は、走行距離に比べエンジン部品の劣化が激しい場合があります。
コスト優先の車づくりが前提になっているという事
軽自動車はその価格から、普通乗用車に比べて利益率が低いので、それだけ原価を抑えた車づくりが求められます。
原価を抑えて車を作るという事は、材料のグレードダウンや構造部材の簡素化などのコストダウンが随所に織り込まれています。
なので、基本的に軽自動車は、エンジンの使用条件による劣化だけでなく、車全体の品質もお値段相応の車であるという事を知っておかなければなりません。
軽自動車の中古車で重用なのは走行距離
そういった事から、軽自動車の中古車を選ぶうえでやはり最も重要なのは、走行距離という事になります。
車の知識があまりない人は、年式が新しくても、走行距離が多い車は避けた方が無難です。
逆に年式が古くても、走行距離が少ない車は狙い目であるケースが多いです。
目安としては、やっぱり軽自動車の中古車を買うならば、走行距離は3万キロ以下の車を選びたいですね。
どこのメーカーの中古車も、5万キロくらいからマイナートラブルが増え始めます。
これはコストとの兼ね合いにより、軽自動車に使われている部材や構造設計が5万キロ走行程度の寿命前提となっているものが多いからです。(重要保安部品は別です)
10万キロ走った中古車は買いか?
中古車は走行距離や年式に応じてその値段が変わってきます。
特に走行距離は、買取査定や下取りの際にも重要なポイントでであり、当然ながら中古車価格への影響も大きいですね。
特に、走行距離が10万キロを超えるを越える中古車は、人気車種で無い限り玉数も少なく安く売られているので、日常の足や次の車購入までの繋ぎとしては大変お買い得の車です。
一般的には、走行距離が10万キロを超えるといろんなトラブルが増えたりして、車としては「ポンコツ」の仲間入りをするように思われていますが、それはもう随分と前の話であって、最近の自動車の耐久寿命と品質は、10万キロ程度走ったくらいでは全く問題ありません。
その一方で、いまだ中古車市場の価格相場の流れとしては、走行距離が10万キロを超えるとその中古車販売価格もガクッと下がります。
車の重要保安部品としては品質低下も少なく現役バリバリで使えるのに、中古車価格だけは10万キロを境に下がるわけですから、中古車を購入する側からすればとってもお買い得な物件という事になります。
10万キロ以上走った中古車でも、しっかりメンテナンスしていれば大丈夫
走行距離が10万キロを超えていても、それまでにしっかりとメンテナンスがされている中古車なら、購入後の重大なトラブルも殆どなく、20万キロ以上は余裕で走れます。
実際、タクシーを例に挙げると判るように、3か月毎の法定点検のおかげで30万キロ以上も現役で活躍しています。
現在の国産車の耐久信頼性とその品質は、大体どこの自動車メーカーも15年20万キロ保証を前提に開発していますので、10万キロ程度の走行距離なら全然大丈夫という事ですね。
ただし、10万キロ以上走行した車で注意が必要なのは、タイミングベルトの寿命です。
車のエンジンを動かすためには、吸気と排気のバルブをタイミングよく駆動する必要がありますが、この役目を担っているのがタイミングベルトという部品です。
このタイミングベルトは、寿命が8万キロから10万キロといわれており、10万キロ以上走った中古車の場合は微妙なところになります。
ちなみにこのタイミングベルトが切れると、エンジンが停止して走行不能になります。
なお、最近はタイミングベルトではなくタイミングチェーンという金属のチェーンを採用している車も多いので、この場合は心配無用です。
10万キロ以上走った中古車でも全然大丈夫だけど、その見極めは?
タイミングベルトも、オイル交換などのメンテナンスがきちんとされている車であれば、10万キロを超えても全然問題ない場合が多いですが、10万キロ以上走行の中古車の購入を検討する際は、タイミングベルトが交換されている車両を選ぶのが安心のポイントですね。
だだ、10万キロ以上走った中古車を購入する際に、整備手帳などがきちんと残っていて、タイミングベルトの交換履歴が判る車ならいいのですが、実際には中古車の場合は記録が残っていない事も多いです。
そうなると、自分でチェックするのは難しいですし、中古車販売店も高年式で走行距離の多い車は早く捌きたいので、販売に不利になるような事は言わないかもしれません。
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中古車購入時におさえておくべきポイント
中古車は未使用車(新古車)を除き、前ユーザーによってある程度使用されている状態なので、各部の消耗や劣化があるのは仕方が無いのですが、出来れば中古車を購入する際にはそういった部分が新品に交換或いはメンテナンスされているのが望ましいですね。
中古車を購入するにあたって、購入後の出費を抑えるという観点も含め、チェックしておきたい6つポイントについて紹介します。
- タイヤ
- エンジンオイルとオイルフィルター
- エアコン消臭、エアコンフィルター
- バッテリー
- フロアマット
- 室内消臭
タイヤの摩耗状態の何分山はアテにならない
中古車を購入するにあたり、まずチェックしたいのがタイヤです。
タイヤのチェックポイントで一般的に言われるのは摩耗状態ですが、これは中古車でフロント何分山、リア何分山といった表現がされていますが、実はこの表現は結構曖昧で、新品の全くする減っていない状態を10分山として、そこから半分くらいなら5分山、まあ7割ぐらい残っているようなら7分山と、あくまでも個人の感覚による判断です。
なので、人によってその感じ方はまちまちで、共通の判断基準にはならないと思っておいた方が良いです。
こういった表現は、ヤフオク等の個人売買に多く見られますが、ネットで中古車を探す場合はこういった表現をしている中古車販売店や個人からは購入しない方が良いでしょう。
タイヤの摩耗状態を表記するのであれば、残り溝が何ミリといった定量的に表記している方が良いですね。
タイヤのサイズや種類によって若干異なりはしますが、一般的なタイヤの溝深さは、新品の状態で、
- 普通乗用車用夏タイヤで約7~8mm
- 軽自動車用夏タイヤで約6~7mm
- スタッドレスタイヤで約10mm
- 4WD用のマッド&スノータイヤで10~12mm位
となっていますので、これを基準にタイヤの摩耗状態を判断し、自分の用途から考えてどれくらいでタイヤ交換時期になるか?を考えてみるとよいですね。
タイヤは摩耗状態より経過年数が重要
中古車のタイヤチェックで、摩耗よりも重要視したいのが、タイヤの経過年数です。
タイヤはゴム製品なので、年数が経つと劣化して固くなります。特に長期間動かしていないタイヤの場合だと劣化が早く、サイドウォールがひび割れてきます。
タイヤは弾力性を失うとグリップ力が極端に低下しますので、溝が残っていてもしっかりと路面をグリップする事が出来ずに、スリップやブレーキ時の制動距離が伸びるといった、重大事故に繋がりかねない状態になってしまいます。
なので、タイヤの経年劣化の状態というのは非常に重要で、溝が残っていても年式の古いタイヤ、特に5年以上経過したタイヤは非常に危険です。
とはいっても、タイヤの経過年数はどうやって確認すればいいの?ということですが、タイヤメーカーによって表記は異なりますが、タイヤのサイド面のホイールに近いところに製造年月が刻印されています。
例えば・・・
その他のタイヤメーカーも同様に製造年月日が表記されていますので、中古車を探す際には予めタイヤメーカーの公式サイト等でチェックしておいた方が良いでしょう。
エンジンオイルにあわせてフィルターも交換を
ディーラー系の販売店で中古車を購入する場合は、大体エンジンオイルは新品に交換しての販売になりますが、それでもオイルフィルターは交換されていない場合もあるので、中古車の商談の際にはフィルターも含めて交換してもらうように交渉しましょう。
一般の中古車販売店の場合だと、エンジンオイルすら交換しないような店もあるので、仮に中古車販売店から購入する場合はエンジンオイルとフィルター交換を条件に交渉し、納車時には実際にオイルレベルゲージでオイルの状態を確認しましょう。
オイルレベルゲージを抜いてみて、真黒なさらさらのオイルが付着していたら間違いなくオイル交換はされていません。
エンジンオイルはこまめに交換されているか
実際、中古車の場合だと前オーナーがどのようなメンテナンスをしてきたのかが判らない分部も多いのですが、メンテナンスノート等できちんとメンテナンス記録が残っていれば、大体のメンテナンスの状況は把握する事が出来ます。
走行距離の多い中古車を購入する場合は、エンジンオイル交換がこまめに行われているかというのは結構重要で、目安としては大体5000km毎にオイル交換がされているかといったところですね。
ただ、複数のユーザーが乗り継いだ中古車だと、全部記録が無い場合も多いのでその場合の出来る手段は、現車確認ということになります。
ボンネットを開けて、エンジンヘッドカバーにあるエンジンオイルの給油キャップを開けてみて、カーボンのようなスラッジがキャップの裏側やヘッド内部に付着している場合は、エンジンオイルのメンテナンスがきちんと行われていない可能性大ですので、そういった状態の中古車の購入は控えた方が良いでしょう。
ネットで車を購入する方法を整理
「中古車の見極めが難しい方は、ネットでの中古車販売がおすすめ」と前述しましたが、ネット購入と言っても色々です。
インターネットで中古車を購入するには、さまざまな方法がありますが、実際にネットで中古車を購入するとなると、どの方法がいいのか?それぞれの方法毎に、メリット・デメリットを整理してみました。
ネットで中古車を選ぶ際の参考になれば幸いです。
インターネットで中古車を購入する方法は下記の3通り
インターネットで中古車を探して購入する方法は、大きく分けると
- ヤフオク等のオークションで探して購入する
- 中古車検索サイト経由で探して購入する
- 無料の中古車探しサービスで探してもらい購入する
と言った方法があります。
それぞれの方法のメリットやデメリットについて
購入方法 | 売買形態 | メリット・デメリット | おすすめ度 |
---|---|---|---|
ヤフオク等のオークションで探して購入する | 個人業者 | ・個人売買だと諸費用や消費税が掛からないため安く購入する事が可能※業者出品はあんまり旨みなし ・詐欺などのトラブルに巻き込まれるリスク大 ・登録手続を全部自分でやる必要ありオークションで購入経験がないと難しい ・オークションである程度取引実績が無いと入札できない | ★ |
中古車検索サイト経由で探して購入する | 業者 | ・車種や年式、走行距離などがある程度決まっていれば豊富な情報から検索できる ・問い合わせ時は業者に直接メルアドが知られない ・似たような車の情報が多すぎて選ぶのに時間がかかる ・自分では本当に良い車なのか判断できない ・狙っていた車が既に売却済みになってしまい、同じような車が見つからない | ★★★ |
無料中古車探しサービス | 業者 | ・希望条件を伝えれば、条件に合った中古車を探して提案してくれる ・市場にまだ出ていない非公開車両の中から選ぶので、既に売却済みにならない ・大手中古車販売店からの提案なので品質保証も安心、返品も可能 ・欲しい車のイメージしかなくても探してくれる ・細かい希望等は、専任スタッフから確認等の電話連絡がある | ★★★★★ |
おすすめ度は、自分の希望条件に近い中古車を購入できるか?詐欺や購入後のトラブルのリスク、購入後の保証の有無、良いコンディションの車両を購入可能か等を総合的に判断しています。
専門家・損害保険募集人からのコメント
天野こな美 (Konami Amano)
トヨタカローラ姫路株式会社に約5年間勤務。損害保険募集人資格保有。
<保有資格>損害保険募集人
コメント
最近では、メルカリやジモティーといったオンラインの個人売買サービスでも中古車が流通するようになりました。
個人売買の場合、ディーラーや販売業者と比べてかなり安い値段で販売されていることが多いです。特に個人売買は、出品者側も気が付かずに整備不良の車両を販売しているケースが見受けられます。
この記事でも紹介している通り、中古車を買う場合は最低限のリテラシーを持って購入しなければなりません。
心配な人はディーラーや信頼できる販売店での購入をおすすめします。
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