失業者・無職者の場合の基礎収入の考え方【死亡,後遺障害】

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交通事故に遭遇した時点で被害者が失業中であったり、無職だった場合は基礎収入をどのように算定するでしょうか?

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失業者の基礎収入

失業者の場合は休業損害とは異なり、事故時点で収入がないからといって稼働期間終期まで収入が得られないとするのは不合理なので、原則的には逸失利益を肯定することになります。

一方、失業者ではなく高齢や不労所得が十分にある場合など、今後の稼働による収入獲得があまり想定できない場合は逸失利益は否定されます。基本的な考え方は休業損害の場合と同じなので、「失業者の場合の休業損害」を参考にしてください。

判例紹介

①失業中の逸失利益につき、失業後職業安定所等に通うなどして再就職先を探している最中に本件事故にあったものと認められるとして、事故前1年間の年収額を基礎に算定した例

②固定時66歳・男・無職につき、約15年前に大腸がんの手術を受けて以来退職して家事労働に従事し、就職活動をした事実は認められないが、事故当時の健康状態に問題はなく公務員である妻の大幅減収や自身の年金収入額が生活に十分でないことからある程度就労する必要があったと考えられるとして、賃金センサス(男性・学歴計・年齢別65歳以上)平均賃金の6割である245万6,700円を基礎収入とした例

③司法試験受験勉強中の被害者につき、賃金センサス(男性・大卒・全年齢)平均賃金である671万2,600円を基礎として、39年間にわたり、35%の労働能力喪失を認めた例。

④固定時27歳・男・アルバイトの後遺障害につき、事故時の実収入は賃金センサス(男性・学歴計・年齢別25〜29歳)平均賃金の43%だが、留学の経験を活かして将来増収を期待できること、高校卒業後、アメリカ留学して文系の准学士号を取得した事は高専・短大と同程度の学歴といえることから、平成17年賃金センサス(男性・高専短大卒・全年齢)平均賃金を基礎として算定した例。

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