【専門家監修】代車料が認められる範囲について

Advertisement(広告)

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

代車

事故に遭い車両が損傷を受けた場合には修理に出したり、全損の場合には買い替えをする必要があり、車両を使用できない期間が発生します。

このような期間に代車を利用する事が考えられますが、この代車料は損害賠償として認められるのかが問題になります。

Advertisement(広告)
Advertisement(広告)

代車料の損害賠償請求

事故により車両の使用不能期間がある発生した場合には、代替車両の使用の必要性があり実際に使用し、その使用料が妥当な範囲であれば代車料は損害賠償として認められます。

ただし、使用の必要性がある場合に認められるので、サンデードライバーで特殊な事情(通院など)が無い限りは認められない事や、使用不能車両の他に使用できる車両を保有しているような場合には代車を使用する必要性が無いと判断され代車料は認められません。

判例紹介

運送用冷凍冷蔵車の代車について、実働車両と実在車両の関係で遊休車の存在を指摘されたが、稼働実態や定期点検の必要性を考慮してただ単に遊休車がある事から代車料を認めないのは適当ではないとした例

※この判例は代車料を認めたものですが、逆説的に遊休車の存在を否定する根拠がなければ代車料は認められないと考えられます。

また移動手段を電車やバスなどの公共交通機関を利用する事によって普段よりも不便な移動手段になった事をもって実際に代車を使用せずに代車料の請求をする事は認められません。

つまり代車料は実際に代車を使用した場合にのみ認められる事になります。

しかし、レンタカーなどの代車ではなくタクシーを代車代わりに利用した場合には代車料として認められます。

判例紹介

事故現場からの帰宅に利用したタクシー代も含め合計20万5,190円のタクシー代を代車料として認めた例

また代車料と並んで問題になるのが車両が使用できなくなった事により得られたはずの利益が失われた事に対する休車損害ですが、代車を利用する事によってこの損害は避けられると考えられるので、代車料を請求した場合には休車損害は認められません。

参考:「営業用車両の場合には休車損害が認められます

Advertisement(広告)
インズウェブ自動車保険一括見積もり
Advertisement(広告)

代車料を請求できる期間

代車の利用期間は通常修理や買い替えに要する期間となります。

長期に渡る場合には相応の理由が必要になり、例えば、修理工場が繁忙期や部品の取り寄せで時間が掛かるような場合や、保険会社の調査に時間を要する場合や、部品の取り替えについて加害者と揉めてしまい期間が長引くような場合にも認めれるでしょう。

判例紹介

■経済的全損が判明するまでの期間と車両の買い替えが完了するまでに必要な期間は約1ヶ月が相当としたが、保険会社の調査に時間を要した事を考慮して代車期間として40日間を認めた例

■加害者と被害者の交渉が円滑に進まなかった事を考慮して代車期間30日間を認めた例

■代車期間の請求が50日であった裁判で、修理の内容から判断して長期間は認められないとして代車期間を14日間として認めた例

使用していた車両が外国製であった場合の代車料

代車として認められるのは使用不能となった車両と同種、同年式など同じランクの車両です。

しかしベンツやBMWなどの外国ブランドの高級車の場合に代車もベンツやBMWなどにした場合には代車料が数百万になってしまうことがあるため外国高級車が認められるのかが問題になります。

このような外国高級車の場合には代車は日本車で足りるとする判例があります。

判例紹介

事故車がBMW750ILの代車について、請求金額86万2,575円であったがセルシオ等の国産高級車の代車料金に引き直して代車料74万8,000円を認めた例

Advertisement(広告)
Advertisement(広告)

まとめ

判例を見ていると事故によって代車を借りられる事だけを考えて保有している車両より高価な車両を代車として選んでいるケースが多いように思いました。

保険金が出るからいい車に乗れると思い借りたのだろうと思いますが、もう一度確認しておきますが代車として認められるのは「保有車両と同年式・同程度の車両」という事を忘れないでくださいね。

高級車の代車料で損害賠償として認められなかった分は自己負担になってしまいますので注意が必要です。

Advertisement(広告)
Advertisement(広告)

専門家からのコメント

中村 傑 (Suguru Nakamura)

大垣共立銀行を退職後、東京海上日動火災保険に代理店研修生として入社。研修期間を経て、2015年に独立開業。2020年に株式会社として法人成り、現在に至る。家業が自動車販売業であり事業承継者でもある。車と保険の両方の業務を兼務しており、専門領域が広い事が強み。

中村 傑(Suguru Nakamura) ブログ

保有資格:AFPMBA中古自動車販売士、等

コメント

実務的においては、例えば過失割合が0:100のケースで、相手保険会社から貸し出されるレンタカーの期間は30日である事が一般的です。

全てではないと思いますが、先ずは「30日から交渉する」というのが現場感としてあります。後は個別の事情を鑑み交渉するしかありません。

記事にも書かれている様に、貸し出されるレンタカーは、使用不能となった車両と同クラスになります。例えば、大破したワゴンRのレンタカーがレクサスとなる事はありえません。

また、代車の日額についても保険会社は貸出の都度、必ず確認している為、市場価格より大きく乖離している場合には認められない場合があります。

過去に私のお客様が追突事故を起こした際の相手側のレンタカー会社が、市場価格の倍以上の代車日額を請求してきた事がありました。最終的には、市場適正価格での示談となりましたが、保険という「皆で助け合い、支え合う仕組み」ですので、特定の誰かが火事場泥棒の様に懐を豊かにする事があってはならいと思います。

Advertisement(広告)
インズウェブ自動車保険一括見積もり
自動車保険見積もり

『自動車保険』を比較・分析・賢く選ぶ

自動車保険は個人の年齢、自身が補いたいリスクなど、人によって様々なニーズがあると思います。ただ自身のニーズにあった商品を一社一社見ていくのも、大変な作業です!

もちろん、懇意にしている保険会社があれば、それを利用するのも手ではありますが、「合理的」「経済的」に考えたい方は、数社から見積もりを取るのが良いでしょう。

そんな時には、【一括見積り】で、自動車保険を比較し、「自分のニーズにあった商品」を見つけたり、「ある程度保険会社を絞ること」が最も効率的でしょう。

最新Newsを『X』で確認!『X』開始しました

【人気各社に個別見積もり】

ある程度、自身で保険会社が絞られている方は、個別に見積もりしていく事も個別の内容把握や対応が少なくなるので、オススメです。

気になる自動車保険会社だけに無料で個別見積もり!

自身の状況を反映させ、大まかな契約概要を把握する

自身である程度、保険会社が絞られている方は『個別見積もり』もオススメでしょう。

  1. 【個別見積もり】ソニー損保
  2. 【個別見積もり】セゾン自動車火災保険(おとなの自動車保険)
  3. 【個別見積もり】楽天損保
  4. 【個別見積もり】アクサダイレクト
  5. 【個別見積もり】チューリッヒ

まだ自身のニーズや年齢・家族構成など、保険会社を絞りきれてない方には一括見積もりで自分に合った保険会社を見つけることが重要です。一度試してみましょう。

【ダイレクト型ランキング1位】

「保険料の安さ」「事故対応の満足度」「ロードサービスの充実度」など全ての項目を総合的に勘案した自動車保険会社の2024年総合ランキング(独自分析)でトップに位置するソニー損保

【独自分析!名前の通り「50代以降」や「子育て世代」にお勧め】

「保険料の安さ」「事故対応の満足度」「ロードサービスの充実度」など全ての項目を総合的に勘案した自動車保険会社の2024年総合ランキング(独自分析)でソニー損保と共に、トップに君臨するセゾン自動車保険(おとなの自動車保険)

【楽天経済圏の方にオススメ!楽天損保】

最大のポイントは自動車保険料の支払いで「楽天ポイント」を貯められる点でしょう。『楽天カード』での自動車保険支払いの場合、楽天ポイントが、なんと『3倍』貯まります。100円で1ポイントが貯まるので、保険料月50,000円の場合、1000ポイントが貯まります。さらに自動車保険料を楽天カードで支払った場合、プラスで500ポイント貯まるので、月1,500ポイントの楽天ポイントが獲得でき、1ポイント1円で使用可能です。

【サービスと保険料で人気「アクサダイレクト」】

インターネット割引では、ウェブサイトで見積もりをした場合、条件達成で最大2万円のインターネット割引が適用可能に!また無事故の年数が長ければ長いほどお得になる20等級継続割引では、条件の達成で「1年目」「2年目」「3年目」「4年目以降」の4区分された割引が適用されます。

またアクサダイレクトでは、必要に応じて面談担当者が自宅を訪問して説明するAXAフィールドサービスを展開。事故時に電話だけのやり取りだけでは不安な方でも、対面でやり取りをすることにより、安心して手続きを進めることが可能です。

まだ自身のニーズや年齢・家族構成など、保険会社を絞りきれてない方には一括見積もりで自分に合った保険会社を見つけることが重要です。一度試してみましょう。

関連記事をチェックする

  1. 交通事故
    自動車の格落ち(評価損)はどの程度まで認められますか?
  2. 物損事故
    物損事故に適用される法律と人身事故との違い
  3. 積荷
    塀や店舗、車の積荷を壊した場合の損害賠償と判例
  4. 車と虫眼鏡
    修理費用と比較する車の時価の調べ方と判例で使用された評価方法!
  5. 塗装
    全塗装は修理費用として認められる?修理の相当性に関する判例まとめ
  6. 営業用車両
    営業用車両の場合には休車損害が認められます
  7. 物損事故
    物損事故の損害賠償請求項目のまとめ
  8. 交通事故
    【専門家監修】車同士の事故の賠償(修理)負担額は過失相殺される
Advertisement(広告)

【Car Lounge】車情報サイト

車情報サイト「Car Lounge」

様々な車のモデル、新車情報や人気車種の情報が満載!中古車情報や車のお役立ち情報も沢山掲載されています。

気になる車や様々な情報をチェックしたい方、車情報サイト【Car Lounge】もチェックして下さい!

コメント

この記事へのコメントはありません。

コメントする