この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。
「自動車・バイク」を廃車にする場合、その車両に掛けている自賠責保険の未経過期間(解約から満期までの期間)に相当するお金は、解約手続きを行う事によって戻ってきます。
これを「自賠責保険の解約返戻金(へんれいきん)」と言います。
自賠責保険は、24ヶ月などの契約期間に相当する保険料を一括で支払っているので、「いくらお金が返ってくるのかな?」と気になる人も多いでしょう。
そこで、今回は自賠責保険の解約返戻金の一覧表を紹介するとともに
- いくら返ってくるのか?
- いつ戻ってくるのか?
- 未経過期間の計算方法
などについて紹介したいと思います。
それでは、自賠責保険の解約返戻金がいくらになるか見ていきましょう。
解約手続きに必要な書類も紹介しているので、併せてチェックしてくださいね。
なお、車両を売却する場合、基本的に自賠責保険の解約返戻金は売却金額に含まれます(売却を理由に自賠責保険の解約が不可能な為)。
そのため、売却する人も適正な解約返戻金額が含まれているかを、今回紹介する解約返戻金の一覧表と比較して確認するようにしてくださいね。
自賠責保険解約返戻金の一覧表(普通車・軽自動車・原付)
下の表が自賠責の未経過期間に応じた「普通車・軽自動車・原付」の解約返戻金の目安金額の一覧表です(24ヶ月契約の場合・単位:円)。
残り期間 | 普通車 | 軽自動車 |
---|---|---|
23ヶ月 | 11,910 | 11,810 |
22ヶ月 | 11,390 | 11,290 |
21ヶ月 | 10,860 | 10,770 |
20ヶ月 | 10,340 | 10,250 |
19ヶ月 | 9,820 | 9,730 |
18ヶ月 | 9,290 | 9,210 |
17ヶ月 | 8,770 | 8,690 |
16ヶ月 | 8,250 | 8,180 |
15ヶ月 | 7,720 | 7,660 |
14ヶ月 | 7,200 | 7,140 |
13ヶ月 | 6,670 | 6,620 |
12ヶ月 | 6,150 | 6,100 |
11ヶ月 | 5,640 | 5,590 |
10ヶ月 | 5,130 | 5,080 |
9ヶ月 | 4,610 | 4,580 |
8ヶ月 | 4,100 | 4,070 |
7ヶ月 | 3,590 | 3,560 |
6ヶ月 | 3,080 | 3,050 |
5ヶ月 | 2,560 | 2,540 |
4ヶ月 | 2,050 | 2,030 |
3ヶ月 | 1,540 | 1,530 |
2ヶ月 | 1,030 | 1,020 |
1ヶ月 | 510 | 510 |
ちなみに、自賠責保険は法律で加入が義務付けられている保険なので、どの保険会社でも解約返戻金は同額です。
このように、自賠責保険の解約返戻金は、残り期間に応じて少しずつ戻ってくるお金が少なくなります。
そのため、車に乗らないと決めたら、なるべく早く自賠責保険を解約した方がお得です。
いずれにせよ、今まで乗ってきた車両を手放すのであれば、現在契約している自賠責保険をそのままにしておくのは勿体ない話です。
解約すれば解約返戻金がもらえますからね。貰えるものはしっかり貰っておきましょう。
実際に、解約返戻金の金額の詳細を確認するには、契約している保険会社に電話をして、自賠責保険証の左上に記載されている証明書番号を伝えれば返戻金の額を教えてもらえます。
残り契約期間の計算方法
自賠責保険の残りの契約期間は、以下のように計算します。
残りの契約期間=自賠責保険契約満了日-自賠責保険解約日
注1:自賠責保険解約日は、保険会社が必要書類を受理した日を指します。
注2:端数の日数は切り捨てされます。
例えば、自賠責保険の契約満了日が10月31日、解約日が9月29日だった場合には、「10月31日-9月29日=1ヶ月と2日」となり、端数の「2日」が切り捨てられて、残り契約月数は1ヶ月となります。
仮に、このケースで解約日が10月1日だった場合には、残り月数が0ヶ月となってしまうので、解約返戻金は0円になります。
契約期間が残り1ヶ月~2ヶ月の人は、特に注意して下さい。
また、自賠責の残存期間は、廃車日や売却日を基準に計算しない点にも注意が必要です(業者に全ての手続きを任せた場合でも、売却日などと解約日には数日のズレが生じます)。
自賠責保険の残りの契約期間はこのように計算されるので、さきほども書いたように、なるべく早く解約手続きを行う事が解約返戻金を多く受け取れるポイントとなります。
いつ返金されるのか?
自賠責保険の解約返戻金は、解約日から早くて1週間、遅くても2週間ほどで口座にお金が振り込まれます。
もちろん、必要書類に不備が無ければの話です。
ただし、郵送で解約手続きを行う場合は、郵送に要する日数も考慮してください。
数日程度ですけどね。
もし、保険会社で解約手続きをしてから1ヶ月が経過しても、解約返戻金が振り込まれない場合には、何らかの人為的ミスが発生している可能性があります。
その場合には、保険会社に「どうなってるの?」などと連絡するようにしてください。
書類などが放置されている場合も有りますからね。
解約手続きが遅れた事によって自賠責の解約返戻金が減少してしまった場合には、その分も負担してもらうように交渉してくださいね。
保険会社側のミスなのですから、当然負担してくれるはずです。
自賠責保険を解約するにはどこで何をすればいいのか
自賠責保険は強制加入の保険なので、好き勝手な理由で解約する事が出来ません。
解約が出来るのは、ナンバープレートを返して「もう車に乗らない」という状況にあること、つまり自動車を「滅失」したり「廃車」にするという状況であることが必要です。
では、自賠責保険の解約の手続きについて簡単に見て行きたいと思います。
解約する場所
契約している保険会社で解約できます。
【問い合わせ先】
保険会社 | ご連絡先 |
損害保険ジャパン株式会社 | 0120-281-552 |
東京海上日動火災保険株式会社 | 0120-530-580 |
三井住友海上火災保険株式会社 | 0120-281-554 |
AIG損害保険株式会社 | 0120-016-693 |
楽天損害保険株式会社 | 0120-610-788 |
全国労働者共済生活協同組合連合会 | 0120-00-6031 |
あいおいニッセイ同和損害保険会社 | 0120-395-101 |
共栄火災海上保険株式会社 | 0120-445-778 |
セコム損害保険株式会社 | 0120-756-399 |
日新火災海上保険株式会社 | 0120-007-741 |
大同火災海上保険株式会社 | 0120-671-071 |
自賠責保険の解約に必要な書類
- 印鑑
- 自賠責保険承認請求書(保険会社の営業窓口に置いてあります。)
- 本人確認ができる書類(運転免許証や顔写真付きの住民基本台帳カード、パスポート等)
- 銀行通帳(返戻金は振込で支払われるので、振込口座がわかるものであれば可)
- 保険標章(ステッカー)・・・保険標章は「車検の無いバイクの場合(250CC以下のバイク)にのみ必要」となります。
- 廃車(返納)を証明する書類(*1)
*1 普通車の場合は「解除事由証明書、登録事項等証明書、一時抹消登録証明書」などが必要です。
⇒運輸支局または自動車検査登録事務所で交付してくれます。
軽自動車の場合は「解除事由証明書、検査記録事項等証明書、自動車検査証返納証明書」などが必要です。
⇒軽自動車検査協会または全国軽自動車協会連合会で交付されます。
保険会社によって必要な書類が違う場合もあるので、契約している保険会社に確認してください。
なお、代理人が解約手続きを行う事も可能です。
その場合には委任状も用意するようにして下さいね。
任意保険の解約・中断手続きもお忘れなく!
廃車や売却等で車を手放す場合には、任意保険も解約する必要があるので任意保険会社への連絡もお忘れなく!
また、等級についてもしっかりと保存しおきましょう。
自賠責保険には等級という概念はないので問題ありませんが、任意保険は違います。
何の手続きもせずに、任意保険を解約すると、今まで積み上げてきた等級が無かった事になってしまいます。
つまり、将来また車に乗る時に、初心者が自動車保険に加入する場合の等級である6等級からのスタートになってしまうという事です。
保険会社にお願いして、中断証明書を発行してもらえば、旧等級を10年間維持することが出来ます。
必ず貰っておきましょう。
(自分が車に乗らなくても中断証明書さえ取っていれば、他の家族に高い等級を移す事も可能です。)
専門家(FP・損保プランナー)からのコメント
菊地 季美子(Kimiko Kikuchi)
生命保険会社2社に合計8年の在籍後、損害保険へ転向。3年の営業店事務経験ののち損害保険代理店に転職、自動車保険・火災保険の設計を担当し、相談件数は在籍3年で800件を超える。現在はフリーランスでFP資格試験の講師、セミナー、執筆活動を行っている。
保有資格: FP技能士3級・2級、日本FP協会認定AFP、トータルライフコンサルタント、損害保険プランナー
コメント
自賠責の解約手続きは、保険会社のウェブサイトで手続き書類をダウンロードして手続きができる所もあります。
ところで、自動車を買取店に下取りに出した場合、自賠責の解約返戻金はもらえるのでしょうか?
自動車販売店では自賠責の解約手続きはできないため、保険料を返還する代わりに、自賠責の残り期間分ごと自動車を下取りし、その残り期間分の保険料を含めて査定額を計算します。
残り期間が3ヶ月以上あれば査定額に反映されますが、1ヶ月・2ヶ月の場合は残念ながら査定額には反映されません。
ですから、自動車を買取店に下取りに出す際に自賠責の残り期間が3ヶ月を切っていたら、自分で保険会社に対して自賠責の解約手続きを行えば、1,2ヶ月分の解約返戻金が戻ります。
コメント
この記事へのコメントはありません。