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自分は車の盗難被害になんて合わない!
そう思っている方も多いと思いますが、実は、安全な日本においても車の盗難は毎年発生しています。
その件数は、2022年において5,734件!
【車の盗難件数推移】
- 2017年:10,213件
- 2018年:8,628件
- 2019年:7,143件
- 2020年:5,210件
- 2021年:5,182件
- 2022年:5,734件
と減少傾向なものの、今も多くの車が盗難されています。
しかも、”盗難されやすい車”が存在するというのです。
逆に言えば、”盗難されやすい車”に該当しない車種は、”盗難されにくい車”と言えるでしょうか。
オーナーとしてはこういった情報を知り、日頃から駐車する場所にも気を配る等の盗難対策を施す必要があります。
そこで今回は、盗難車ランキングを紹介するとともに、なぜそのような傾向があるのか?について迫っていきたいと思います。
また、都道府県別や駐車場所別の盗難ランキングについても紹介します。
盗難車ランキング2020年版〜2022年版
トヨタ車は海外でも人気が高く、高値で売買されることが盗難が多い要因と考えられています。トップ10入りしている車種は全てトヨタ車となっています。
この集計に関して、レクサスは車種(LX、LS、RX、ES)別に集計されており、LX単体で見ると156件だが、ランクインしている「3車種」全ての盗難件数を合計すると、284件と一気にトップにランクインし、盗難されやすい車となっています。
上位にランクインしている「ランドクルーザー」などは、道が悪くても走破性が高く、「レクサスLX」や「アルファード」、「ハイエース」は人や荷物の大量運搬に適している事で、海外で人気が高いと考えられています。
盗難車ランキング2015年版~2018年版
2015年以降の盗難の被害に遭った車のランキングを警察庁や国土交通省などが構成する官民合同プロジェクト「STOP THE 自動車盗難」に基づいて作成しました。
まずは過去のデータを見てみましょう。
■2018年の盗難車ランキング
順位 | 車種 | 件数 |
---|---|---|
1位 | プリウス | 912件 |
2位 | ハイエース(レジアス含む) | 562件 |
3位 | ランドクルーザー | 435件 |
4位 | エルフ | 249件 |
5位 | クラウン | 230件 |
■2017年の盗難車ランキング
順位 | 車種 | 件数 |
---|---|---|
1位 | プリウス | 986件 |
2位 | ハイエース(レジアス含む) | 878件 |
3位 | ランドクルーザー | 478件 |
4位 | エルフ | 289件 |
5位 | キャリィ | 296件 |
■2016年の盗難車ランキング
順位 | 車種 | 件数/構成比 *1 |
---|---|---|
1位 | ハイエース | 1,391件/11.9% |
2位 | プリウス | 1,058件/9.1% |
3位 | ランドクルーザー | 510件/4.4% |
4位 | エルフ | 377件/3.2% |
5位 | アクア | 371件/3.2% |
■2015年の盗難車ランキング
順位 | 車種 | 件数/構成比 *1 |
---|---|---|
1位 | プリウス | 1,271件/9.2% |
2位 | ハイエース | 1,244件/9.0% |
3位 | ランドクルーザー | 518件/3.7% |
4位 | エルフ | 501件/3.6% |
5位 | アクア | 249件/1.8% |
*1 構成比はその年の盗難件数(2016年:11,655件、2015年:13,821件)に占める割合を表しています。
盗難されやすい車の代表が、2015年~2018年の間1位2位のハイエースです。
2013年まで7年連続でワースト1位という不名誉な記録も持っています。
2012年5月の発売モデルから全車にイモビライザーが搭載されるようになったのですが、旧型の車種もいまだに多く保有されているので、盗難の抑止効果がまだ発揮されていないのが現状です。
そして、盗難されやすい車種のツートップの一翼を担うのが「プリウス」です。
2014年及び2015年にハイエースから遂にワースト1位の座を奪ってしまいます。
3位以下にはランドクルーザー・エルフ・アクアと続いています。
これら5車種の盗難件数全体に占める割合は、なんと30%前後!数百車種も販売されている日本において、5車種だけでこの割合ですから、この5車種が”盗難されやすい車”と言っても過言ではないでしょう。
ちなみに、ハイエースとプリウスは車上荒らしにおいても、1位・2位となっています。
更に、もう一点気になるのは被害にあっているのがトヨタ車が多いという事です。
メーカー別での統計では、トヨタがダントツで1位になっており、66.3%となっています。
(出典:日本損害保険協会「2016年度 自動車盗難事故実態調査P20」)
続いて、なぜこれらの車が盗難件数上位にランク付けされるのか?その理由を見て行きましょう。
盗難されやすい車の傾向
トヨタ車ばかり盗難されているので、トヨタ車の盗難対策がイケてないのでは無いか?と疑ってしまうかも知れませんが、そんな事は有りません。
低年式車の盗難対策は最新モデルの盗難対策に比べると弱いというのは当然有りますが、それはどのメーカーでも同じ事です。
では、なぜトヨタ車が盗難されやすい車として上位を占める結果になっているのか?それは【トヨタ車が人気】だからです。
盗難犯が盗んだ車を自分の車として使用するとはあまり考えられません。
おそらく売却目的で盗難しているものと考えられます。
狙われる車がトヨタというのも「世界のトヨタ」として世界中で認知されており、人気が高く世界中に欲しい人が沢山いるからです。
トヨタ車が狙われる共通の理由は「人気」という事ですが、車種別に見てみるとどういった理由が挙げられるのか、についても見てみましょう。
ハイエースが盗難されやすい理由
ハイエースは、人・物を運ぶのに打って付けの車両です。
海外ではバスとして利用される事も多く、かなりの人気車種となっているのがまず一つの理由です。
また、旧モデルの初期に販売されていたハイエースは、非常にセキュリティーも弱く盗難しやすいのも理由の一つです。
そして、モデル周期が長く古いタイプの部品でも新しいタイプの部品として流用出来る点も狙われやすい理由のようですね。
プリウスが盗難されやすい理由
プリウスは低燃費車種として海外でも人気のある車種なので、盗難されやすいようです。
プリウス人気そのものが沈静化すると、盗難もされにくくなるかもしれませんね。
アクアも同様の理由と考えてよいでしょう。
ランドクルーザーが盗難されやすい理由
ランドクルーザーは、SUVとしての悪路走破性が高いので砂漠のある中国奥地や中東などで人気が高く、高値で売れるというのが理由として考えられます。
盗難件数の多い都道府県ランキング
続いて、都道府県別に盗難が多い件数のランキングも見てみましょう。
2020年〜2022年の「トップ5地域」の顔ぶれは、あまり変化が無い状況です。
これらのトップ5地域の共通点は、貿易拠点となる大きな港があること。自動車盗難の犯罪組織は、盗んだ自動車をすぐに船で運びだせる場所を狙い目と考えていると推測されます。
下記は「STOP THE 自動車盗難」を参考に記載しています。
■2017年盗難多発都道府県ランキング
順位 | 都道府県 | 件数 |
---|---|---|
1位 | 茨城県 | 1,397件 |
2位 | 大阪府 | 1,393件 |
3位 | 千葉県 | 1,178件 |
4位 | 愛知県 | 1,127件 |
5位 | 埼玉県 | 758件 |
■2016年盗難多発都道府県ランキング
順位 | 都道府県 | 件数/構成比 |
---|---|---|
1位 | 茨城県 | 1,590件/13.6% |
2位 | 大阪府 | 1,577件/13.5% |
3位 | 千葉県 | 1,538件/13.2% |
4位 | 愛知県 | 1,349件/11.6% |
5位 | 埼玉県 | 914件/7.8% |
■2015年盗難多発都道府県ランキング
順位 | 都道府県 | 件数/構成比 |
---|---|---|
1位 | 愛知県 | 2,205件/16.0% |
2位 | 茨城県 | 2,107件/15.2% |
3位 | 大阪府 | 1,747件/12.6% |
4位 | 千葉県 | 1,277件/9.2% |
5位 | 埼玉県 | 919件/6.6% |
毎年、TOP5の中で多少の順位変動はあるものの、これらの都道府県は毎年盗難ランキングの上位に位置しています。
もし、これらの地域にお住いで、かつ、盗難されやすい車を所有しているオーナーさんは、盗難対策を施して下さいね。
基本的な盗難防止対策
盗難防止対策はなるべく施しておいた方が良いです。
■車自体への対策
- バー式ハンドルロック
- GPS追跡装置
- センサー式警報装置 等
■駐車場等の対策
- 屋内駐車場を利用
- 自宅駐車場に人感センサー照明
- 番犬 等
盗難に遭う比率は屋外駐車場が約70%、屋内が約5%とかなりの差があるので、自宅や外出時の駐車場に気をつけるだけでかなり盗難されにくくなります。
犯人に盗難しやすそうと思わせない事が重要になりますね。
ただ、窃盗のプロがその気になればいとも簡単に盗難くらい出来ますから、対策を施しても防げない場合が有ることも認識しておきましょう。
【まとめ】盗難された場合に備えて車両保険に入っておこう!
車両盗難対策を施す事は非常に重要です。
しかし、それでも盗難に遭ってしまう事もあります。
盗難された車が手元に戻ってくる確率は、かなり低いです。
海外へ転売されてしまうためです。
仮に車が返ってきたとしても、パーツが無くなっていたり、傷だらけの状態になっているでしょう。
そのため、防犯対策とは別に、実際に盗難被害に遭った時の対策も施しておいた方が良いです。
それが「車両保険」です。
「車両保険を付帯すると保険料が高くなるんだよなぁ」と付帯する事に躊躇する人もいますよね。
実は、保険料の安いエコノミータイプでも、盗難が補償されるんです。
支払われる保険金は契約時の車両保険金額となるので、次の車を購入する資金として利用する事が出来ます(車両保険金額の決め方)。
保険会社によっては車両盗難事故を車両保険の対象外とする特約も有りますので、車両保険を契約する場合にはこういった点にも注意して契約を結んでください。
なお、車上荒らしによる積載物の盗難は、基本的に車両保険では補償されません(付属品は可能)。
積載物についてもカバーしたい人は「車内身の回り品特約」の付帯も検討しましょう。
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