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一時停止(一旦停止)違反について、以下のような疑問を持っているのではないでしょうか?
「実際、何秒止まれば良いの?」
「罰金(反則金)はいくら?点数は何点だったっけ?」
「一時停止する場所って・・・標識が有る所だけ?」
『一時停止違反』は警察が盛んに取り締まりを行っている違反の1つなので、無駄に罰則を受けない為にも、しっかりとした知識を身に着けておいた方が良いです。
そこで今回は、一時停止違反に関するこれらの疑問などについて紹介していきたいと思います。
まずは罰金・点数から見ていきましょう。
なお、一時停止違反は”一旦停止違反”や”一時不停止”などと同義です。以下文中では一時停止(違反)に統一して表記します。
一時停止違反の罰金・反則金・点数
一時停止違反は正式には、指定場所一時不停止等と言い、以下のような罰金又は反則金が課され、点数が加算されます。
【参考】ゴールド免許の人は次回更新からブルー免許に
ゴールド免許の条件は「5年間無事故無違反」なので、一時停止違反で点数が加点されれば、当然次回の免許更新では『ブルー免許』となります。
なお一時停止違反は「軽微な違反」なので、ゴールド免許の人も含めて過去2年間無事故無違反だった人は、一時停止違反で取り締まりを受けた日から『3ヶ月間無事故無違反』で過ごせば、一時停止違反の2点が累積点数から消去される特例措置を受ける事ができます。
軽微な違反とは、加点される点数が1点~3点の違反を指します。
一時停止の時間はどれくらい?
一時停止に関しては、取り締まりをする警察と「止まったか止まっていないか」で口論になる人も多いでしょうし、口論の甲斐もなく納得出来ずに反則金を支払っている人も少なからずいるでしょう。
このような問題が発生する原因は【一時停止時間を道路交通法で規定していない点】に有ると言われています。
一時停止の時間は法律に明記されていない
一時停止が規定されているのは道路交通法の第43条です。
その条文は以下のような内容です。
第四十三条 車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。
この条文のどこを見ても「停止時間」については規定されていません。
一時停止しろ!とだけ書かれているんですから、問題になるのは当然ですよね。
では、何秒間一時停止するべきなのでしょうか?
一時停止時間は3秒ってホント?
インターネットで色々調べてみると「一時停止時間=3秒」という意見が多いようです。
教習所で「3秒間止まりましょう」なんて教えられた人もいるかもしれませんね。
なぜ『3秒』と言われているのか、というと一時停止をして交差点の左右そして前方の安全を確認するのに、「約3秒の時間」が必要だからです。
一度やってみると分かると思いますが、「右・左・右・前」と顔をゆっくり動かすだけで、2秒ほど時間が経過していませんか?
そこに人・車両等の確認が入れば、一時停止してから「3秒」が経過しているはずです。
しかし、この時間はあくまでも目安です。
そのため「3秒間停止」していたとしても、警察に「停止時間が短かった」と取り締まりを受ける事はあります。
注1:安全だと分かっていても、しっかりと一時停止するように! 運転に慣れた人は、安全を確認しながら停止線まで減速して進みますよね。 停止前に安全を確認しているので、一時停止せずにそのまま交差点に進入してしまい、指定場所一時不停止等違反として取り締まりを受ける事が多いです。
注2:「一時停止」はタイヤが1mmも動かなくなった状態を指します! 一時停止とは、タイヤが完全に停止した状態です。 1mmでも動いていれば、それは「徐行(時速10km以下での走行)」に該当し、一時停止しているとはみなされません。 車が停止してから安全確認を行い、車を発進させるようにしましょう。
警察の不当な取り締まりへの対策方法
一時停止の時間が法律に規定されていないので、警察から納得のいかない取り締まりを受ける事もあります。
そのような取り締まりへの対策方法を紹介しておきますね。
ドライブレコーダーの設置
有効な手段がドライブレコーダーの映像です。
停止していた映像を証拠として警察に提示し、停止時間は法律で規定されていない事を主張すれば、違反切符を切られる可能性はかなり減ると思います。
一時停止違反を認めずに否認
一時停止違反の取り締まりに納得がいかない場合は「否認」するという手段もあります。
つまり、取り締まり時に渡される青切符(交通反則告知書)へのサインを拒否するか、青切符に記載されている「私が上記違反をした事に相違は有りません」という文言に二重線を引いて、サインをします。
青切符にサインをすると、「違反を認めた」いわゆる自認をした事になるので、注意が必要です。
ただし、否認した場合、違反事実の有無を裁判で争う事になります。
敗訴すれば、7,000円の反則金ではなく、前述した罰則(懲役又は罰金)を課されます。
これは「前科扱い」です。
そのため、一時停止違反の否認は、客観的な証拠(ドライブレコーダーの画像や第三者の証言など)が無い限りあまりオススメできません。
「警察の取り締まりに腹が立った」とか「警察の態度が悪い」などの感情的な理由で否認する事だけはやめておきましょう。
一時停止をする場所及び標識
何はともあれ、警察の取り締まりを受けないように交通ルールを身に着けておく事が最善の策となります。
一時停止をする場所と道路標識について再確認しておきましょう。
まず先に一時停止の道路標識から。
この「止まれ」と書かれた道路標識が設置されている場所では、停止線が有れば停止線の直前で、停止線が無ければ交差点等の直前で一時停止しなければなりません。
道路に「止まれ」と書かれているだけの場合は? 一時停止の規制場所は、各都道府県の公安委員会が決定し、道路標識等がそこに設置されています。 ここで言う「道路標識等」には、さきほど紹介した標識や白いペイントで書かれた「止まれ」が含まれます。 ちなみに、道路に書かれた文字や記号などの事を「道路標示」と言います(道路交通法第2条十六号)。 ただ自治体などが注意喚起を促す為に道路に「止まれ」と書いている場合もあります。 また、民間の駐車場内などにも書かれている事もありますよね。 このような公安委員会以外の団体が設置した「止まれ」の道路標示では、一時停止をしなくても違反で取り締まりを受ける事はありません。 しかし、駐車場内ならともかく、一般の道路において「設置者が誰なのか」を判断するのは難しいので、基本的に「止まれ」と道路に書かれている場合は一時停止した方が無難です。
その他に以下のような場所・場合には、一時停止しなければなりません。
これらの場所等では一時停止義務が有り、違反した場合には取り締まりを受けます。
覚えておいてくださいね。
ただし、違反名は「指定場所一時不停止等」ではなく、「踏切不停止等(反則金9,000円、点数2点)」や「横断歩行者等妨害(反則金9,000円、点数2点)」などになる物もあります。
なお、踏切に「踏切信号」が設置されている場合には、青信号であれば一時停止する必要はありません。
踏切信号とは、踏切専用の信号なので、踏切の前後に設置されている通常の信号と混同しないように注意して下さいね。
踏切信号自体をあまり見かけないと思うので、以下に動画を紹介しておきます。
知ってました?自転車にも一時停止義務がある事を
ここまで一時停止について色々と紹介してきましたが、自転車にも車と同様の一時停止義務が有る事を知っていましたか?
今回紹介した道路交通法の条文は、全ての主語が「車両は・・・」となっています。
この”車両”というのは、道路交通法上、以下のように定義されていて、自転車も含まれているんですね。
第二条 八 車両とは自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。
十一 軽車両とは自転車、荷車その他人若しくは動物の力により(以下略)
そのため、自転車も一時停止の標識を無視すれば、一時停止違反で取り締まりを受けます。
ただし、自転車は「交通反則通告制度」の対象外なので、反則金ではなく「3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金」の罰則を受けます。
車と同じ違反を犯しても、自転車の方が重い罰則を課せられるんですね。
なので、現実にはよっぽど悪質でない限り、口頭注意で済まされる事が多いようです。
とは言っても、自転車に乗る人は、一時停止違反が適用される事を覚えておいた方が良いでしょう。
【参考】一時停止違反の取り締まり件数
警察庁の交通違反取締状況(平成28年警察白書 統計資料-第5章の22)によると、平成27年に一時停止違反で取り締まりをした件数は、なんと約1,300,000件にも登ります。
これは速度超過に次いで二番目に多い数字です。
この事から、一時停止違反を犯す人が多く、また警察が取り締まりを強化している、という事が推測できます。
取り締まりを受けない為にも、そして事故を起こさない為にも、しっかりと一時停止義務を守って運転しましょう。
なお、一時不停止によって事故を起こした場合には、違反した側の過失割合が大きくなります。
まとめ
今回は一時停止違反について色々と紹介しました。
抱いていた疑問は解決できたでしょうか?
「一時停止の時間」について知りたい人が多いかもしれませんが、はっきり言うと「一時停止」に時間は関係ありません。
法律に規定されていないのが主な要因です。
重要な事は、停止時間ではなく以下の2つです。
この2つを守っていれば自ずと時間も経過しているので、きっと「停止時間が短かった」という理由で取り締まりを受ける事は無くなるでしょう。
今回紹介した知識を活かして、一時停止違反で反則金を取られる事の無いドライバーになりましょう。
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