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優良ドライバーを意味するゴールド免許。
正式名称は「優良運転者免許証」ですが、このように呼ぶ人は少なく、通称である「ゴールド免許」が広く世間に浸透しています。
ゴールド免許とは、免許証の有効期限の部分が”金色”に塗られている運転免許証の事をさします。
ドライバーなら誰もがこのゴールド免許を取得したいですよね。
その理由は、ゴールド免許取得者にだけ与えられるメリット・特典が有るからです。しかしながら、ゴールド免許を取得するのは簡単ではないんです。
実際、警察庁によると、令和4年(2022年)に免許を更新した人のうち、ゴールド免許であった人の割合は約62.6%。
免許更新時講習人数 | 優良運転者講習人数 | ゴールド免許保有割合 | |
---|---|---|---|
令和元年(2019年) | 9,079,538 | 15,392,440 | 58.9% |
令和2年(2020年) | 9,381,932 | 15,312,125 | 61.2% |
令和3年(2021年) | 9,100,535 | 14,778,916 | 61.5% |
令和4年(2022年) | 9,126,721 | 14,567,880 | 62.6% |
およそ”2人に1人”がゴールド免許という計算です。
「ゴールド免許に1度もなった事が無い・・・!」
こんな人も少なくないでしょう。
そう!ゴールド免許を取得するには、1つの条件をクリアしなければなりません。
そこで今回は、ゴールド免許の取得条件及びメリットについて紹介します。
また、違反で点数が加点された場合の取り扱いについても紹介します。
ゴールド免許になる条件~いつから取得できる?
ゴールド免許の取得条件は、過去5年間無事故無違反で過ごす事。厳密にいうと、免許有効期限の誕生日の40日前にゴールド免許かどうかを判定します。
つまり、「更新年の誕生日41日前から過去5年間無事故・無違反」。
これが、ゴールド免許となるための条件です。
条件を満たしていれば、次回免許更新時にゴールド免許となります。
たとえば、5月1日が誕生日の場合、3月21日以前から過去5年間無事故・違反であれば、条件を満たしているのでゴールド免許を取得できます。
ちなみに、同じ場合で3月30日に違反しても条件を満たしていればゴールド免許になります。 ただし、その次の更新の時にはブルー免許に・・・。
なお、ここで言う”無事故・無違反”とは”違反点数が加点されていない事”を意味します。
つまり、物損事故や反則金のみの違反(免許証不携帯違反など)をしてしまっても、次回更新時にはゴールド免許となります。
ゴールド免許を最短で取得するには?何年かかるの?
運転免許証を取得してからゴールド免許になるまでの最短期間は「6年」です。
たとえば、18歳で免許を取得すれば、6年後の24歳の更新時にゴールド免許をGETできます。
「あれ?5年後の23歳じゃないの?」
このように思った人もいると思いますが、免許の更新時期との兼ね合いから6年後となるんです。
運転免許証の有効期間は、初回が3年間、2回目も3年間です。そのため、2回目の途中にゴールド免許の取得条件を満たし、更新時期が到来する6年後にゴールド免許となります。
更新期限を待たずにゴールド免許になる裏ワザ
さきほど紹介した「ゴールド免許取得の最短期間:6年」というのは、あくまで免許を更新時期に従って更新した場合の話です。
なお、更新期間が5年のブルー免許の人は、事故・違反のタイミングが悪ければ、ゴールド免許の取得に約10年間かかる事も・・・
実は、この最短期間を短縮する裏技があるんです。
それは「新たな免許を取得すること!!」。
ゴールド免許の取得条件である「5年間無事故・無違反」を満たした時点で、新たな免許を取得して併記手続きを行えば、ゴールド免許が交付されます。
■新たな免許の取得事例
注意点としては、AT→MTの限定解除や住所の変更などではゴールド免許を取得することはできません。
必ずまだ取得していない免許を取得する必要があります。
ゴールド免許をいち早く取得したい人は参考にしてくださいね。
ただ、ゴールド免許を早く取得するために、他の免許を取得するというのは費用的にも時間的にも得策ではありませんが・・・。
ゴールド免許のメリット
さて、続いてはゴールド免許の様々なメリットについて紹介します。
自動車保険料が安くなる
自動車保険ではゴールド免許の契約者を優遇する「ゴールド免許割引」が採用されています。
保険会社によっては、最大20%も保険料の割引を受けられるので、かなり大きなメリットと言えます。
自動車保険以外にも生命保険が安くなる場合もありますので、詳細は現在契約中の保険会社に問合せてみると良いでしょう。
免許の更新期間と更新料がお得~講習時間も短い!~
運転免許証の更新時におけるメリットが以下の3つです。
- 更新期間が長い!
- 更新手数料が安い!
- 講習時間が短い!
具体的な話をすると、ゴールド免許の人は免許の更新期間が5年(年齢が70才の人は4年、70才以上の人は3年)になります。
また講習手数料が500円と安く、講習時間も30分と短くなっています。
(参考:警視庁)
区分 更新
手数料講習
手数料合計 講習
時間
優良運転者 2,500円 500円 3,000円 30分
一般運転者 2,500円 800円 3,300円 60分
違反運転者 2,500円 1,350円 3,850円 120分
初回更新者 2,500円 1,350円 3,850円 120分
面倒な講習を30分で切り抜けられるのは非常に大きなメリットですね!!
また、更新手続きを指定の警察署で行う事ができるのもメリットといえます。
以前、ゴールド免許になると30分で講習が終わるから俺も早くゴールド免許取得したい!と友人に言ったら、「講習が短いのはデメリットでも有るんだよ」と言われました。 つまり、彼いわく 「ほとんどの人は道路交通法の事なんて免許を取得した時にしか勉強しておらず、免許更新時の自動車講習はその知識をアップデートする良い機会なんだとか。だから、ゴールドのように短い講習だと必要事項が漏れてしまっている可能性も有り危険だよ。」 ということだそうです。 確かに、道路交通法の本なんて免許を取得してからは見ませんから、なるほどなぁと思いました(汗) 本来は自分で定期的に復習しないとダメなんですけどね。
ゴールド免許取得後に違反・事故をすると・・・
ゴールド免許取得したとしても、それを継続保持するためには、その後も無事故・無違反であり続けなければなりません。
つまり、1点でも違反点数が加点されれば、次回更新時にブルー免許へと転落してしまいます。当然、人身事故を起こした場合も同様です。
【良くある勘違い】1点・2点の違反なら3ヶ月でゴールド免許復活!?
運転免許証の制度には「3ヶ月特例」といって、「過去2年以上無事故・無違反であれば軽微な違反(3点以下)を1回したとしても、その後3ヶ月間無事故・無違反であれば、違反点数が加点されない」という優遇制度があります。
この3ヶ月特例を利用すれば、1・2点の違反ならゴールド免許にすぐ復活できるのは!?と勘違いしてしまう人がけっこういます。
しかし残念ながら、この制度はあくまで違反点数が累積されないだけであって、違反暦が消えるわけでは無いのです。
つまり、次回更新時には『ゴールド免許』ではなく、『ブルー免許』となります。
ゴールド免許に復活するには、取得した場合と同様に、地道に「5年間の無事故・無違反」という条件を満たさなければなりません。
ゴールド免許の金のメッキって何?
金メッキとはゴールド免許の取得条件の穴の事を指します。
先ほど見たように、ゴールド免許かどうか判断する期間は「誕生日の41日前から過去5年間」です。
この期間に無事故・無違反であればゴールド免許が交付されます。
従って、誕生日の40日前から更新当日までの間に事故・違反を起こしたとしても、次回更新時の免許の色は既に決まっているわけですから、ブルー免許ではなく『ゴールド免許』が交付されます。
このように、事故・違反を起こしているにも関わらず、交付されてしまったゴールド免許のことを『金メッキのついたゴールド免許』(通称:金メッキの免許保持者)と言います。
なお、金メッキの免許保持者が先ほど紹介した裏ワザ(更新期限を待たずにゴールド免許になる裏ワザ)を使ってしまうと、ブルー免許になってしまうので要注意です。
金メッキの免許保持者がゴールド免許のメリットを最大限受けたいのであれば、『新たな免許』を取得しないのが吉です。
ちなみに、ゴールド免許じゃなくても1年以上無事故無違反を続けていると”SDカード(セーフティドライバカード)”というカードを発行してもらえます。 630円の発行手数料を取られますが、上手く使えばそれ以上の価値が有ります。 詳細は下記記事でどうぞ。
まとめ
ゴールド免許の取得条件及びメリットなどについて紹介しました。
簡潔にまとめると、以下のようになります。
特に自動車保険の保険料の割引は大きなメリットです。
人によっては『1万円単位』で保険料が変わってきます。
ゴールド免許のメリットを享受するために、取得条件を早く満たして、ゴールド免許取得者になってくださいね。
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