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車両全損修理時特約とは、事故(車両保険の支払い対象となる事故)によって、車の修理費用が車両保険価額を超過してしまった場合に、超過分の修理費用を補償してくれる特約です。
修理費用が車両保険金額を超過する事って有るの?と思う人もいるかもしれませんが、契約車両が古い場合には起こり得る事なんです。
車両保険を契約しているのに「自己負担」が発生するなんてアホらしいですよね。そこで役に立つのが「車両全損修理時特約」です。
それでは、車両全損時修理時特約の付帯条件や補償限度額、使える場面などについて見ていきましょう。
車両全損修理時特約の付帯条件
車両全損修理時特約を付帯するためには、以下の2つの条件を満たしている必要が有ります。
- ①車両保険を付帯している事
- ②保険始期日の属する月が初度登録年月から25ヶ月を超えている事
一部の保険会社では「車両保険価額がいくら以上」という条件を設けている事も有りますので、ご自分の保険会社はどうなのか、確認してみることをおすすめします。
②の条件から分かるように「車両全損修理時特約」は、少し年式の経った車に付ける特約です。新車に付けるオプションとして「車両新価特約」が有りますので、まだまだ自分の車は新車に近いぞ!という方はそちらの利用を検討してみてください。
車両全損修理時特約の取り扱いをしている保険会社と補償限度額
車両全損修理時特約を取り扱っている保険会社とそれぞれの補償限度額は以下の通りです。
(最終更新日:2017年5月13日)
保険会社 | 補償限度額 |
---|---|
三井住友海上 | 30万円 |
あいおいニッセイ同和損保 | 30万円 |
東京海上日動 | 50万円 |
セゾン自動車 | 50万円 |
損保ジャパン日本興亜 | 50万円 |
共栄火災 | 50万円 |
JA共済 | 50万円 |
富士火災 | 50万円 |
補償限度額は「30万円」もしくは「50万円」のどちらかです。修理費用と車両保険価額の差額が、この金額の範囲内に収まっていれば、自己負担なしで車を完全に修理することが出来ます。
ちなみに、特約名に「全損」と付いていますが、必ずしも車がボコボコにならないと補償を受けられない、という事では有りません。自動車保険では修理費用が時価(車両保険価額)を上回った場合も全損とみなすので、超過費用が出ていれば適用可能です。
こんな場面で使える!
6年落ちのプリウスが愛車のAさん。愛車の今の車両保険価額は30万円。
いつもは大事に乗っているけれど、この日ばかりは前日の寝不足がたたって、居眠り運転。気がつけば、カーブを曲がりきれずにガードレールに突っ込んでしまった!
幸い単独事故で被害者もおらず、自分にもケガは無かったけれど、大事な愛車が壊れてしまった。修理費用の見積もりを出してみたら、なんと60万円。
Aさんの場合、車両保険価額は30万円なので、修理費用60万円との差額である「30万円」は、本来であれば自己負担になります。しかし、こんな時に「車両全損修理時特約」を付帯しておけば、修理費用を保険会社が負担してくれます。
なお、今回の事例で、仮にAさんが廃車を選んだらどうなるか?
廃車を選んだ場合は、車両保険価額の30万円しか支払われません。というのも、車両全損修理時特約が「修理費用に対して支払われる保険金だから」です。
どんな場合でも、超過修理費用が支払われる訳では無い、という事を知っておいて下さい。
■修理する場合
■廃車にする場合
ちなみに、今回紹介した事例のようなケースって意外と多いんですよ。車の修理費用ってすごく高いですからね。少し擦っただけでも、修理費用として数万円請求される事もザラに有ります。
しかも、中古車の時価は年数が経てば経つほど、どんどん下がっていきます。7年~8年落ちの車の時価だったら「20万円~30万円程度」しか無いのが普通です。だから、修理費用が車両保険価額を上回る事は良く有ることなんです。
現在乗っている車に愛着があり、これからも長く乗り続けたいと考えている人にとっては、必須の特約かもしれません。
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