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自動車ローンの支払方法は、基本的に「毎月定額返済」と「ボーナス払い」の2つです。
今回は「ボーナス払い」について取り上げます。
ボーナス払いとは、年2回ボーナス月に返済額を加算して支払う方法です。
加算する金額は任意に設定可能です(限度が有ります)。
■ボーナス払いの支払いイメージ
注:ボーナス払いの設定金額はボーナス払い分のみの金額です(図の水色の部分)。
ボーナス月の総返済金額(図の赤と水色の部分)ではありません。
このボーナス払いは「メリット」と「デメリット」の両方を持っています。
それらをしっかりと理解した上で利用するようにして下さい。
それではまずメリットから見ていきましょう。
ボーナス払いで車のローンを組むメリット
ボーナス払いのメリットは、ボーナス払いを利用しない場合より毎月の返済負担額を軽減出来る点です。
ボーナス払いは、借入額の一部をボーナスで返済し、残額を毎月分割返済していきます。
そのため、借入額の全部を分割返済する場合よりも毎月の返済額が少なくなります(ボーナス月だけは負担が大きくなりますけどね)。
実際に計算してみましょう。
例えば、300万円の自動車ローンをボーナス払いを利用する場合と利用しない場合の毎月の返済額は以下のようになります(支払開始時期によって計算結果が若干変化します)。
シミュレーション条件:返済期間3年、ボーナス払い1回10万円(合計60万円)、金利5%
ボーナス払い | 毎月の返済額 |
---|---|
利用する場合 | 71,930円 (ボーナス月:180,860円) |
利用しない場合 | 89,913円 |
この場合だと、毎月の返済額はボーナス払いの方が約18,000円少なくなります。
このように、収入の多いボーナス月の負担を大きくして、通常の月の負担を小さく出来るのがボーナス払いのメリットです。
自動車ローンのボーナス払いのデメリット
ボーナス払いのデメリットは以下の2つです。
- 総返済額が多くなる事が有る
- ボーナスは減少・カットの恐れが有る
総返済額が多くなる事が有る
元金がボーナス月に一気に減り、その他の月にあまり減らない。
これがボーナス払いの元金の減り方の特徴です。
そのため、毎月均等返済していく支払方法よりも元金の減るスピードが遅くなる場合が有ります。
元金が多いと計算される支払利息が多くなるので、結果、総返済額も多くなってしまいます。
これも実際に計算してみましょう。
シミュレーション条件はさきほどと同じです。
ボーナス払い | 支払利息(総額) | 総返済額 |
---|---|---|
利用する場合 | 243,066円 | 3,243,066円 |
利用しない場合 | 236,857円 | 3,236,857円 |
この場合だと、ボーナス払いを利用した方が支払利息(総額)及び総返済額共に約1万円多くなっています。
そこまで大きな違いにはなりませんが、こうしたデメリットも有る事は覚えておきましょう。
注:返済を開始してからすぐにボーナス月が到来する場合には、逆に元金が早く減るので、上記とは逆の現象が発生します。
逆にメリットにも成り得る、という事です。
そのため、支払方法を決定する際はしっかりシミュレーションをするようにして下さい。
ボーナスは減少・カットの恐れが有る
ボーナス払いは「ボーナスが有る事」が前提の支払い方法です。
現在、公務員といえどもボーナスがカットされる時代ですから、ボーナスを当てにして自動車ローンを組むのはリスクが大きいです。
もしボーナスが減少したり、カットされたら、ボーナス払い分を給料や貯蓄から返済しなければなりません。
ボーナス払いの設定金額にもよりますが、間違いなく大きな負担となるでしょう。
最近はこのようなリスクを考慮してボーナス払いを選択しない人も増えてきています。
特に以下のような人達はボーナス払いをしない方が良いかもしれませんね。
- ボーナスが不安定
- 業界が不景気
- 転職を考えている 等
ボーナス払いを変更する事は可能か?
ボーナスが支給される月が変更されたり、ボーナスが減少したり、契約後にボーナスの支給条件が変更される事も有り得ます。
このような事態が発生したら、ボーナス払いの返済条件も変更したいところですよね。
しかし、返済条件の変更は原則出来ません。
ただし、申し出れば対応してくれる金融機関は結構多いです。
そのため、まずは契約している金融機関に相談してみて下さい。
「かくかくしかじかで返済条件を変更して欲しい」と理由を添えてお願いしてみましょう。
なお、返済条件の変更には手数料が発生します。
また、変更内容によっては支払利息が発生する場合も有ります。
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