この記事を読むのに必要な時間は約 13 分です。
車を自動車ローンで購入する際に「返済期間を何年にしようか?」と悩みますよね。
ほとんどの人が「なるべくローンの返済期間は短くしたい」と考えていると思います。
借金は早めに完済するのが基本ですからね。返済期間を短くすれば元金(借入金額)が早く減り、利息負担を少なくする事が出来ます。
自動車ローンの返済期間(支払い回数)‐最短・最長の期間は?
自動車ローンの返済期間(支払い回数)を決定する前に、返済期間の基本的な事は抑えておいた方が良いです。
その1つが自動車ローンの「最短・最長の返済期間」です。選択出来る範囲を知っておけば、色々な返済期間でシミュレーションが出来ますからね。
- 最短・・・6か月(6回)
- 最長・・・10年(120回)
金融機関によって異なりますが、返済期間の最短及び最長の期間は上記の通りです。この範囲から1ヶ月単位で返済期間を決める事が出来ます(金融機関によっては6カ月刻みの場合も有ります)。
返済期間を短く・長くする事のメリット・デメリット
冒頭で紹介したように、自動車ローンの返済期間を短く又は長くする事によるメリット・デメリットは以下の通りです。
■返済期間を短くする場合のメリット・デメリット
- メリット・・・元金が早く減るので支払利息が少なくなる(総支払金額も少なくなる)
- デメリット・・・毎月の返済金額が多くなる
■返済期間を長くする場合のメリット・デメリット
- メリット・・・毎月の返済金額が少なくなる
- デメリット・・・元金がなかなか減らないので支払利息が多くなる(総支払金額も多くなる)
これらのメリット・デメリットをより理解しやすくするために、具体的な数字を用いて毎月の返済額や支払利息、総支払額を計算してみましょう。
比較する返済期間は3年と7年です。
条件(借入金額200万円、頭金・ボーナス払い無し、金利5%)
返済期間 | 毎月の返済額 | 支払利息(合計) | 総支払額 |
---|---|---|---|
3年 | 59,941円 | 157,876円 | 2,157,876円 |
7年 | 28,267円 | 374,438円 | 2,374,438円 |
端数処理などによって上記の計算結果と誤差が生じる可能性が有ります。
この場合では、返済期間3年の方が返済期間7年よりも毎月の返済額は約3万円多くなりますが、支払利息及び総支払額は約20万円少なくなります。
具体的な数字で計算すると返済期間による各支払額の違いがはっきりと浮かび上がりましたね。
メリットとデメリットを理解してもらう為にシュミレーションしたわけですが、実際に返済期間を決定する際もこのようにシュミレーションするようにして下さいね。
契約後に返済期間を延長する事は基本的に出来ない
短い返済期間で自動車ローンを契約した場合、上記の計算結果のように月々の返済金額が大きくなります。
その結果、返済困難な状況に陥る事も有り得ます。そんな時にパッと思い付く対策が「返済期間の延長」です。
計算上は月々の負担額が少なくなるわけですが、同じ金融機関の自動車ローンでは基本的に返済期間を延長する事は出来ません。
なお、自動車ローンによっては返済期間を延長出来る場合も有ります。
ただし、自動車ローンの借り換えをして返済期間を延長する事は可能です。
例えば、A銀行の3年の自動車ローンからB銀行の5年の自動車ローンに借り換えるといった感じですね。しかしながら、自動車ローンの借り換えをする場合には手数料が発生する事が多いです。
また、期間を延長するので支払利息は増加してしまいます。(ただし借入先が変わるので、金利が安くなる場合もあります。)
そのため、こういった自体に陥らないように自動車ローンを契約する時には、少し余裕を持って無理の無い返済期間を選択しておいた方が良いでしょう。
ただ、どうしても環境や状況の変化で月々の収支がどうしても回らなくなってしまうという場合は、借り換えをして返済期間の延長を検討すべきでしょう。
合わせて読みたい「自動車保険会社一覧と保険比較について」
繰り上げ返済を上手く活用しよう
「基本的にローンの期間を延長することは出来ない」と前述しましたが、逆に短くすることは可能です。
自動車ローンには繰り上げ返済というサービスを提供している場合があって、これを利用すれば「ローンの期間」又は「毎月の返済額」を減らすことが可能となります。
「一括繰り上げ返済」と「一部繰り上げ返済」
一括繰り上げ返済
現在残っている借入額を一度に全て返済してしまうという方法です。「マイカーを売却する」⇒「そのお金でローンを返済」⇒「残ったお金を次の車の頭金にする」というような、車の買い替えの際に利用される事が多い方法です。
一部繰り上げ返済
収入が多い時などに月々の返済とは別口で、追加で返済を行う方法です。繰り上げ返済は全て元金にあてられるので、以降の利息や返済期間を大幅に減らすことができる方法です。
「一部」「一括」どちらの繰り上げ返済の場合でも、手数料が発生することがあります。
繰り上げ返済の手数料は1000円~5000円程度である場合がほとんどですが、繰り上げ返済の手数料を無料としている金融機関もあるのでしっかりとチェックしておきましょう。
ただし繰り上げ返済に対応していない金融機関もあるので、契約前にしっかりと確認しましょう。
ベストな返済期間(支払い回数)の決め方
結論から言うと、ベストな返済期間(支払い回数)は人によって異なります。そのため、例えば5年がベストな返済期間だ!みたいな事は言えません。
なぜなら、人によって毎月の収入・支出金額が異なるからです。毎月100万円の収入が有る人と10万円しか収入が無い人では、自動車ローンに回せるお金は変わってきますよね。また、住宅ローンや家賃を払っている人と実家に暮らしている人でもやはり変わってきます。
つまり、自動車ローンの返済期間は毎月の収入金額から支出金額を差し引いた残額を考慮して決定する必要が有るわけです。
突発的な支出に備える必要が有るので、残額全てを自動車ローンに回すのは良く有りません。
以上の事をまとめると、自動車ローンの返済額を決める手順は以下のようになります。
- ① 1ヶ月の支出金額(家賃・携帯料金・食費など)を割り出す
- ② 収入金額から①の金額を差し引く
- ③ 自動車ローンに回す金額を決める
- ④ ローンのシミュレーションをして③の金額に収まる返済期間を割り出す
支出金額を割り出す際には、自動車の維持費も考慮して下さいね。初めて自動車を買う人は下記記事に車関係の維持費をまとめているので参考にして下さい。
なお、返済期間を長くするのが嫌な人や車両価格が高額な為に毎月の返済額が大きくなってしまう人は、無理に自動車ローンを組むのではなく、頭金を用意して月々の返済額を抑えるようにしましょう。
【具体例】返済期間毎の月々の返済額
返済期間を決定する際の参考情報として、返済期間毎の月々の返済額を載せておきます(金利5%、頭金・ボーナス払い無し)。
■借入金額100万円の場合
返済期間 | 月々の返済額 | 支払利息 | 総支払額 |
---|---|---|---|
3年 | 29,970円 | 78,926円 | 1,078,926円 |
5年 | 18,871円 | 132,231円 | 1,132,231円 |
7年 | 14,133円 | 187,200円 | 1,187,200円 |
10年 | 10,606円 | 272,701円 | 1,272,701円 |
■借入金額200万円の場合
返済期間 | 月々の返済額 | 支払利息 | 総支払額 |
---|---|---|---|
3年 | 59,941円 | 157,876円 | 2,157,876円 |
5年 | 37,742円 | 264,509円 | 2,264,509円 |
7年 | 28,267円 | 374,438円 | 2,374,438円 |
10年 | 21,213円 | 545,478円 | 2,545,478円 |
■借入金額300万円の場合
返済期間 | 月々の返済額 | 支払利息 | 総支払額 |
---|---|---|---|
3年 | 89,912円 | 236,830円 | 3,236,830円 |
5年 | 56,613円 | 396,779円 | 3,396,779円 |
7年 | 42,410円 | 561,694円 | 3,561,694円 |
10年 | 31,819円 | 818,275円 | 3,818,275円 |
金利によって計算結果は大きく変わるので、あくまで参考情報として利用して下さい。なお、自動車ローンのシュミレーションについての詳細は以下の記事を参考にして下さい。
まとめ
自動車ローンの返済期間(支払い回数)は家計に負担がかからない返済額となるように期間(回数)を決定して下さい。
そのために1ヶ月の収入金額と支出金額を算出して自動車ローンに回せる金額を決定しましょう。
専門家からのコメント
岩切 健一郎(Kenichiro Iwakiri)
1986年5月生まれ。宮崎県出身。業界10年目。コンサルティング会社、外資系生命保険会社を経て、現在は保険代理店に勤務しながら、発達障害の方のライフプランを専門に行う合同会社ひなたを経営。
『コメント』
マイカーローンの借入金額と返済期間において大切なことは、「どれだけ借りられるか」ではなく「どれだけの金額なら借りて返しても生活に支障が出ないか」を逆算することです。
日々の生活にかかるお金は、車にかかるお金だけではありません。
大きな金額でマイカーローンを組んでしまったばかりに、日々の生活やその他の大きな出費を賄えない、なんてことになってしまうと大問題です。
教育費、住宅ローン、老後のお金など、人生における出費全体の1つとしてマイカーローンを捉える必要があります。
金利のこともあるので、本来であればローンを使わずに車を購入できればベストですが、もしローンを組む場合には、マイカーローン以外の出費のことも考えてローンを組むことが大切です。
関連記事をチェックする