この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。
ブレーキを踏むたびに車から「キーキー」という音がする・・・。なんとも不快な音ですよね。自分の車で体験した事がなくても、街中で他人の車の「キーキー」音は聞いた事が有ると思います。
果たしてこの「キーキー」という音が鳴るのは、何が原因なのでしょうか。この記事では、その原因を紹介するとともに対処法を簡単に紹介していきます。
「キーキー」という音の原因と原因毎の対処法
ブレーキを踏んだ時になる鳴る「キーキー」という音の主な原因は以下の通りです。
- ブレーキパッドの減少
- ブレーキパッドとローターが馴染んでいない
- ブレーキパッド又はローターの溝
- 鳴き止めシムの不具合
ブレーキパッドの減少
上記4つの原因の中で最も多い原因とされるのが「ブレーキパッドの減少」によるものです。
ブレーキパッドにはウェアインジケーターという金属が装着されています。この金属はブレーキパッドが減少してくるとローターと擦れ合って、キーキー音を発生させます。つまり、パッドの減少を知らせてくれているわけです。
新品のブレーキパッドの厚さはおよそ10mmです。ブレーキを踏む度に少しずつ磨耗していきます。そして、厚さが2mm程度になった時くらいからキーキーという音が鳴り始めます。
音だけなら良いのですが、パッドの厚さが2mm程度になるとブレーキの効きが悪くなってきます。そのまま放置しておくとブレーキの効きはさらに悪化し、ローターを傷付けてしまいます。
そのため、キーキーという音が鳴り始めたら、ブレーキパッドが2mm程度になっているか否かを確認して、薄くなっていたらすぐに交換するようにしましょう。
ただし、安全性を考えればキーキーという音が鳴る前にブレーキパッドを交換した方が良いです。ブレーキパッドの厚さで言うと3、4mmです。
ブレーキパッドとローターが馴染んでいない
ブレーキパッド交換直後にキーキー音がする場合は、新しいブレーキパッドとローターが馴染んでいない事が原因と考えられます。走行しているうちに音は鳴らなくなるでしょう。
もし音が収まらない場合はブレーキパッドの「面取り」を行いましょう。面取りをする事でローターに引っかかっていたブレーキパッドの角が無くなり、パッドとローターがフラットに接触するので音を収える事が出来ます。
面取りとは、ブレーキパッドの角を削る事を指します。
ブレーキパッド又はローターの溝
ブレーキパッドとローターはブレーキを踏む度に擦れ合うので、片方又は両方に傷のような溝が出来る事が有ります。表面が凸凹になってしまうんですね。そのため、パッドとローターが綺麗に密着せずにキーキーと音が鳴ってしまいます。
この場合はパッドとローターの表面を研磨して溝を取り除くと音は収まります。
鳴き止めシムの不具合
ブレーキパッドの裏には「鳴き止めシム」という音を吸収するプレートが装着されています。このシムが汚れてしまったり、パッドグリスが切れてシムとパッドの間に少し隙間が出来てしまったりすると音が発生します。
鳴き止めシムを綺麗にするか、パッドとシムの間にグリスを再塗布する事で音は収まります。それでも音が収まらない場合は鳴き止めシムを交換しましょう。
音以外にブレーキパッドの交換時期を知る方法は?
前述したように、ブレーキを踏んだ際のキーキーという音は、ブレーキパッドの交換時期が到来している事のサインです。しかし、キーキーという音が鳴る原因はその他にも有ります。そのため、音だけで判断するとブレーキパッドを無駄に交換してしまう事も有るわけです。
そこで音以外でブレーキパッドの交換時期を知る方法を紹介します。
走行距離にして3万km~5万kmが交換の目安
前回ブレーキパッドを交換した距離から3万km~5万kmほど走行したらブレーキパッドの交換を検討すると良いでしょう。
ただし、ブレーキングの仕方などで上記の目安よりも早期に交換時期が到来する場合も有ります。
ブレーキ警告灯の点灯
ブレーキ警告灯は、ブレーキオイルのリザーバータンクの液面が下限を下回ると点灯します。このリザーバータンクの液面の変化に影響を与えるのがブレーキパッドの残量です。ブレーキパッドの減少に比例してリザーバータンクの液面は下がっていきます。そして、下限を下回ったらブレーキ警告灯が点灯します。
サイドブレーキを下げてもブレーキ警告灯が点灯しっぱなしの時は、ブレーキパッドを交換するようにしましょう。
【参考】この音は危険!知っておきたい車の異音
キーキー音を始めとした車から発生する様々な異音は、装置やオイルなどの異常を知らせるサインです。異常を放置し続けるとそれこそ大きな故障に繋がりかねません。そこで知っておいて欲しい異音とその原因について紹介したいと思います。
- 走行中のキンキン・カンカン・・・冷却水不足によるオーバーヒート(油圧警告灯の点滅を伴う場合)
- 走行中のゴロゴロ・・・オイル不足(油圧警告灯の点滅を伴う場合)
- 走行中のゴー・・・動力伝達系の不具合
- 走行中又はアイドリング時のキュルキュル・・・ベルト類の緩み
上記の異音も含めて車から異音がした場合はなるべく早く点検してもらうようにして下さい。
異音は車が発する故障のサインです。音楽・ラジオなどを聞いていたら異音を聞き漏らす事も有るので、たまに車内を静かにして車が発する音に耳を傾けてみるのも良いかもしれませんね。
関連記事をチェックする