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警察官の取り締まりに対して反論したり、事故の原因について言い合いになったりした事は有りますか?お互いが正反対からの意見を言い合うので、言葉だけでは解決しない場合がほとんどでしょう。
「論より証拠」という言葉にも有るように、証拠を提示する事で、話がスムーズに解決する事も有ります。自動車のトラブルでは、違反や事故の瞬間の前後の「画像」や「動画」が、時に有効な証拠となる場合が有ります。
その証拠を用意する為に最適なグッズが「ドライブレコーダー」です。
証拠保全の為にドライブレコーダーは必須
ドライブレコーダーの一般的な機能は「機器が衝撃を検知した時に、一定時間にわたって車の前後の映像を自動録画する機能」と「手動によって映像を録画する機能」です。
また、ドライブレコーダーの機種によっては、常時録画出来る物やエンジンが停止している駐車中も録画出来る物も有ります。高性能なドライブレコーダーを設置する事で、24時間車の周りの映像を録画する事が出来ます。
こういった機能により、車に起きた様々な出来事を録画し、証拠として利用する事が可能です。
では、どういった場面でドライブレコーダーが役に立つか見ていきましょう。
警察の取り締まりへの反論
交通ルールを守って自動車を運転しているのに、警察に停車を命じられて理不尽な取り締まりを受けるなんて事がたまに有ります。
良く警察と言い合いになるのが「一時停止」です。
「停まったか。停まってないか。」は、もはや、水掛け論です。互いに引くことは出来ません。警察官に押し切られるのがほとんどでしょう。ここで、ドライブレコーダーの映像が役に立ちます。
映像を見て、「ほら、停まってるでしょ?秒数は法律で決まってましたっけ?」と話を持っていけば、青切符を切られる可能性はかなり下がるでしょう。
裁判での証拠
交通事故の裁判で有力な証拠となるのは「警察の実況見分調書」です。実況見分は、事故当事者双方の意見を聞いて作成されるのが普通ですが、怪我を負って病院に運ばれた場合には、一方の意見だけで作成される事も有ります。
相手が保身に走った場合には、全く事実と異なる実況見分調書が出来上がってしまう事も・・・。こんな時にドライブレコーダーの映像が有れば、裁判で証拠として提出し、事実と反する実況見分調書に対して反論出来ますね。
例えば、交差点に進入した時の信号の色や徐行の有無などを証明して、過失割合を下げる事が出来ます。
ただ実務上は、映像ではなく、映像の一部を切り取った画像を証拠として提出する事が多いようです。なぜなら、映像として提出した場合には、自分の過失が上がる証拠にもなる可能性が有るからです。ドライブレコーダーは、諸刃の剣になる事も有るって事ですね。
なお、LED式信号機は点滅して撮影される場合や色の識別ができない場合があります。
当て逃げの証拠
自動車を駐車して、用事を済ませて帰ってきたら、車に擦ったような傷が付けられていた。という「当て逃げ」体験をした事が有るでしょうか?当て逃げは物損事故なので、警察もあまり積極的に動いてくれませんし、証拠が無ければ、犯人が見つからない事が多いようです。
ここで「ドライブレコーダー」の登場です。ドライブレコーダーの中には、駐車中も監視する機能の有るドライブレコーダーが有ります。これが有れば、相手車両のナンバーが分かりますから、すぐに捕まえる事が出来るでしょう。
当たり屋対策
当たり屋は、ゆっくり動いている車に自らぶつかり、持ち物の弁償代や治療費などを騙し取ろうとします。運転手は、人を引いてしまった後ろめたさをつけこまれ、その場で示談に応じて現金を渡してしまうようです。
轢いてしまった人が当たり屋の可能性があったとしても、証拠が無ければ、警察に主張する事も出来ません。また、相手が当たり屋かどうかを立証する事は非常に困難です。
ここで役立つのが「ドライブレコーダー」です。車に自らぶつかってくる映像を抑える事が出来れば、当たり屋で有る事は簡単に立証出来ます。ドライブレコーダーの証拠能力は、当たり屋にも役に立つわけです。
しかし、一番大切なのは、当たり屋であろうが通常の事故であろうが、事故を起こしたら警察に連絡する事です。(加害者が事故現場でやるべき事)
当たり屋に限らず、詐欺師は、人の弱味につけこんで、金品を騙し取ろうとします。事故を起こしてしまったという現実から逃げるのではなく、正面から向き合って事後処理をする事で、当たり屋に騙される事は減るかと思います(当たり屋自身も警察は呼んで欲しく有りません)。
また、警察に事故の届出を出さないと、自動車保険も使えませんよ。(交通事故証明書とは?)
なお、当たり屋は、バックで発進する時や駐車場等から道路へ出る瞬間を狙う傾向に有るようです。このような場面では、より注意して運転するようにして下さいね。
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ドライブレコーダーの選び方と設置位置の決め方
専門家・FPからのコメント
専門家・FPからのコメント 橘田 恵美子 金融機関(銀行)勤務13年、AFP資格保有 あおり運転による事故と、高齢者による事故が相次いだため、ドライブレコーダーによる証拠保全は、全てのドライバーにとって有益といえます。 |
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