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車両保険の保険金額は、車の時価だと思われているかもしれませんが、厳密に言うと違います。
車両保険の保険金額は「協定保険価額」と呼ばれる金額です。
ここをしっかりと理解しておかないと、いざ保険金を請求した時に「あれ!?思っていた金額と違う!」なんて事になりかねませんので、しっかりと把握しておきましょう。
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協定保険価額と時価の定義と違い
少しとっつきにくい言葉ですが、「協定保険価額」の定義を見ておきましょう。
協定保険価額とは、保険契約者または被保険者と当会社が被保険自動車の価額として契約締結時に協定した価額をいい、契約締結時における被保険自動車と同一の用途車種・車名・型式・仕様・初度登録年月等(注)で同じ損耗度の自動車の市場販売価格相当額により定めます。
(注)初度検査年月を含みます。
(引用:日本損害保険協会HP-損害保険Q&Aより)
ちなみに、「自動車の市場販売価格相当額」は、基本的にオートガイド社が毎月発行している「オートガイド自動車価格月報(通称:レッドブック)」を参考に決定している事が多いです。
(保険会社によって多少のアレンジは有ると思いますが。)
協定保険価額も「自動車の市場販売価格相当額」を基準に定められますので、いわば時価です。
しかし、世間一般にいう「時価」と「協定保険価額」は違います。
なぜなら、車の時価は時が経てば経つほど下がっていきますが、協定保険価額は保険契約期間中は下がらないからです。
言い換えると、協定保険価額とは「保険を契約した時点における契約車両の時価」と言う事が出来ます(厳密に言うと若干ズレる可能性も有りますが割愛)。
協定保険価額と時価の違いをイメージ図&事例で解説
ここまで述べてきた両者の関係性をまとめたのがこちらのイメージ図です。
保険始期日時点での契約車両の時価は300万円です。
従って、協定保険価額も300万円となります。
車両の時価は刻々と下がっていきますので、保険満期日時点での時価は200万円。(仮定です。)
しかし、協定保険価額は300万円のままです。
なぜなら、「契約締結時点で決定された協定保険価額はその保険の契約期間中は変わらない」からです。
満期日はまだ保険契約期間中ですよね。
なお、保険契約期間は一般的には1年である事が多いですね。
なので、この事例の場合で、仮に満期日に修理費250万円の事故が起きたと仮定すると、250万円は時価以上の金額では有りますが、車両保険の保険金額は協定保険価額である300万円に設定されているので、250万円全額が問題なく保険会社から車両保険金として支払われます。
実は協定保険価額って、私達ドライバーにとっては有利な価額なんですよね。
もちろん、協定保険価額が下がらないのは、その協定保険価額で契約した保険の契約期間中だけなので、翌年度の更新の時には時価に合わせて協定保険価額も下がりますけどね。
なお、車両保険の保険金額として設定出来る「協定保険価額」には、一定の幅が有ります。
例えば300万円の新車なら「250万円~350万円(数字はただの例)」の間で、協定保険価額を決定する事が出来ます。
詳細は下記記事参照。
なお、もっと協定保険価額を詳しく知りたい人はこちらの記事を参照下さい。この記事では書いていない「車両価額協定保険特約」の事についても、詳しく解説されています。
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