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自動車保険の約款には「落下物・飛来物」により車が損傷した場合には、その損失費用を補償する旨が書かれています。
(物による自車の事故なので「車両保険」や「人身傷害保険」が対象となります。)
例えば、歩道橋の上からサッカーボールが落ちてきて、運悪くフロントガラスに当たってしまい、フロントガラスが破損した場合など。
こういうのを「落下物や飛来物」による事故と言います。
しかし、払い渋りが横行していた時期の損保会社では「落下物・飛来物」の定義を自社の都合の良いように解釈して、車両保険の保険金を支払わないという結論を出していた事があると言うから驚きです。
飛び跳ねたタイヤは「落下物・飛来物」には該当しない!?
これは加茂隆康氏「自動車保険金は出ないのがフツー」に記載されていたエピソードです。
被害者は関東自動車道を時速100kmのスピードで走行していたそうです。
すると、前からタイヤが飛び跳ねてきました。
危険を察知して車線を変えようと思ったが、逃げ場が無かったことも有り、タイヤと愛車は衝突。
損害額としては230万円でした。
当然、車両保険で補償されると思った被害者はA損保に保険金を請求するが、A損保から「タイヤが飛び跳ねて車に当たったというが、それは我が社の定義では【落下物・飛来物】の定義には該当しない。
だから保険金を払うことはない」
という回答があったそうです。
A損保が言っていることが【凄い屁理屈】で有ると分かるでしょう。
A損保の定義では「落下物・飛来物による事故」の定義は「物が地面に着地するまでの間に起こった事故」に限るようです。
従って、一度地面に着地した物がバウンドして車に衝突したとしても、それは保険金支払いの理由にはならないと・・・。
しかし、そんな事故って有り得るでしょうか?今回の事例だったら、車の後ろの載せているスペアタイアが外れて地面に着地するまでの間に衝突していないと、保険金が出ない事になります。
裁判所の裁判官ですら「開いた口が塞がらない」ような理論を損保会社が主張していたので、結局被害者には遅延損害金も含めて240万円の賠償金が支払われたそうです。
しかし、どう考えてもおかしい理論を振りかざして支払いを拒絶するのは、本当に辞めて欲しいですよね。
被害者側は万が一の時の為に保険に入っているのに、明らかに保険金の支払い対象と思われる事例を、わざわざ裁判で争うなんて本当に時間の無駄です。
ちなみに、こういうあからさまなケースで裁判まで持ち込まれてしまい、保険金支払いが遅れた場合には、ちゃんと遅延損害金も請求しましょう。
現在価値に戻すために、年5%のディスカウントをされることになりますが、遅延損害金が有るのと無いのとでは総額の賠償金が大きく変わってきますよ。
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