この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。
私には結婚して家を出た娘がいます。
家を出たと言っても私が住んでいる家から徒歩10分程の距離のマンションに新居を構えているので、旦那さんが仕事に出ている昼間は暇だと言ってちょくちょく実家に帰ってくるのです。
まぁ親としては嬉しい話です。
また、買い物や友達と遊びに行くときは私の車を借りに来たりもしていました。
そんな日が何日か続いたある日・・・いつも通り私の車で出掛けた娘から電話がありました。
「お母さん、事故っちゃった・・・・・。」
娘は初めての事故だったので気が動転しており、とりあえず警察に連絡することと相手の方の名前や住所や連絡先を教えて貰うように伝え、最後に病院に行って医者に診てもらうように伝えました。
その時は損害賠償の事はあまり気にしていませんでした。
なぜなら運転者を家族限定にしていたので保険金が下りると思っていたからです。
後日保険会社から連絡がありました。
「今回の事故に関しては補償の対象外となるため保険金はお支払いできません」
と、突然保険金が払えないと言われ訳がわかりませんでした。
保険会社の説明によると契約内容は家族限定になっているが、別居の既婚の娘は補償の対象外なんだそうです・・・・。
エピソードはここで終了するわけですが、
環境が変化した場合には自動車保険は逐一契約内容をチェックしなければいけない!!
という事を知らせてくれる内容ですね。
では今回のケースの場合、どのような対策をとっておけば良かったのか見ておきたいと思います。
まず、その前になぜ娘の起こした事故なのに今回のような保険の補償範囲外という結論が下される事になったのか見てみましょう。
一緒に住んでいない結婚した娘がなぜ補償範囲外なのか?
自動車保険は運転者の範囲を設定する事ができます。
運転者の範囲の選択肢は以下の通りです。
- 本人限定
- 配偶者限定
- 家族限定
- 限定しない
同居していない既婚の娘は家族になるのかならないのかという疑問が湧きますね。
上記「家族限定」の【家族】の範囲は以下の通りです。
- 記名被保険者の配偶者
- 記名被保険者又は配偶者の同居の親族
- 記名被保険者又は配偶者の別居の未婚の子
同居していない既婚の娘は親族ではあるが、同居していないので2番目の条件を満たしません。
また別居はしているが未婚では無いため3番目の条件も満たしません。
そのため、同居していない既婚の娘は補償される家族の範囲外ということになります。
結果補償も受けられないというわけですね。
「同居の親族」の意味は?
- 6親等内の血族または3親等内の姻族
- 同じ家屋に居住していること
近しい親戚はほとんど補償される事になりますね。
また2番目の条件である「同じ家屋」とは同じ家に住んでいればよく、扶養関係や生計を別にするかどうかは関係ありません。
未婚の子の「未婚」とは
未婚は過去に結婚歴が無い事を意味します。
そのため子供が離婚した場合でも補償範囲外となります。
ただし、離婚して同居するようになれば「同居の親族」となり補償されるようになります。
では、今回のようなエピソードの場合、母親及び娘はどのような対策を講じていれば補償を受けることが出来たのでしょうか?どんな保険内容になっていれば娘が補償されたのか以下で記載していきます。
「別居している既婚の娘」を補償する為に事前にできる対策
■①運転者限定特約の補償の範囲を広げる
今回のケースでは母の自動車保険の運転者限定の補償範囲を広げる事によって別居の既婚の娘を補償範囲内にする事ができます。
つまり、「家族限定」から誰が運転しても補償される「運転者を限定しないタイプ」に変更する対策です。
ただこの方法では補償範囲を広げる事によって保険料が上がる事を覚悟しなければなりません。
■②別居の子供補償特約-セゾン自動車火災保険
①の方法は運転者の範囲が一番広い契約になるので運転者限定に限った話では一番保険料が高いプランとなってしまいます。
そこでもう少し運転者の範囲を狭めたプランがあります。
今回紹介するのはセゾン自動車火災保険の「運転者限定特約(同居の子以外補償型)」と「運転者限定なし特約(同居の子年齢条件設定型)」です。
運転者限定なし特約(同居の子年齢条件設定型)は誰が運転しても補償されますが、同居の子供だけは年齢条件をクリアーしている場合に補償される事になります。
つまり既婚の別居の娘は補償範囲内になるわけです。
なお、運転者を限定しないタイプより保険料は少し安くなります。
運転者限定特約(同居の子以外補償型)の補償範囲は記名被保険者とその配偶者と別居の子(未婚・既婚問わず)や家族以外の人です。
そのため今回のケースの別居の既婚の娘は補償範囲に含まれる事になります。
家族構成が十家十色(十人十色と同じ意味です)であるように、運転者限定特約も様々なニーズに応える事ができるように種々ありますのでご自身の家族構成に合わせた選択が可能です。
ただし、保険会社によっては上記のような運転者の限定方法が無い場合もありますのでご自分が加入している保険会社の特約をチェックして見ることは必須です。
■③ちょいのり保険■
ちょいのり保険とは任意保険に1日単位で加入できる1日自動車保険の事です。
このちょいのり保険は保険料も1日500円(車両保険ありの場合は1日1,500円又は1,800円)とお手軽で携帯電話から簡単に加入することができるので、契約車両の自動車保険を変更せずに事故から身を守る事ができます。
ちょいのり保険以外にも1日自動車保険はいくつか有るので、比較検討して加入する保険を選んでみましょう。
■④ドライバー保険■
ちょいのり保険と趣旨は同じく他の人の車を借りて運転する事がある人の為にドライバー保険があります。
別居の既婚の娘が頻繁に運転するようならちょいのり保険よりこちらのドライバー保険の方が保険料はお得になると思います。
■⑤他車運転特約■
他人の車を運転して事故に遭った場合に補償される特約です。
この特約は自動でセットされているので事前対策というよりは今回のケースのような事故ではまさにこの特約が出番ですよという話です。
ただ娘か娘の旦那が車を所有していて任意保険に加入していた場合に考えられる対策です。
そもそも娘側が車を持っていなければこの特約に加入することは叶いませんからね・・・。
以上が今回のエピソードのような被害を無くすための対策です。
まとめ
運転者の範囲を設定するときには、契約する車両を運転する可能性のある人が補償されるように慎重に設定しなければなりません。
また誰が補償されるのかということを頭に入れておき、補償範囲外の人には運転をさせないように気を付ける必要があります。
コメント
この記事へのコメントはありません。